単孔式腹腔鏡下手術
単孔式腹腔鏡下手術について
腹腔鏡下手術が我が国に導入されて以来、この20年で急速に普及してきました。
現在では、胆嚢結石症における胆嚢摘出術はほぼ9割以上が腹腔鏡下胆嚢摘出術となっています。虫垂炎の手術(いわゆる盲腸の手術)においても、従来のように右下腹部を「がばっと」切るような手術は行われなくなり、ほとんどは腹腔鏡下手術が標準術式となっています。
腹腔鏡下手術はおなかに4か所の小さな孔をあけて、そこから細い器具を入れて手術を行います。
この手術の利点は、創が小さくなることから術後の痛みが軽く、術後の回復が早いなどの低侵襲性となることと整容性(美容的な面)の向上に有ります。整容性の向上は腹腔鏡下手術の大きなテーマであり、孔を小さくすることや数を減らす試みがなされてきました。
2008年、米国において腹壁の孔を一つにして腹腔鏡下手術を行う単孔式腹腔鏡下手術が行われ脚光を浴びました。
単孔式手術では、一つの孔を臍部(おへそ)におき、創の修復を美容的に行うことで、手術痕がほとんどわからないように工夫されました。
すぐにわが国にも導入され多くの施設で単孔式腹腔鏡下手術が行われるようになりました。
単孔式なるがゆえ技術面ではより高度となり豊富な修練を必要としますが、整容性の向上は患者さんのみならず外科医にとっても大きな夢なのです。
単孔式腹腔鏡下手術は症例によってまちまちですので、受診の際には良くご相談されることをお薦めします。