更新日:2020年7月2日

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平成26年度心の輪を広げる体験作文 中学生部門優秀賞2.受賞作品

心の輪を広げる体験作文

中学生部門 優秀作品

「『トクベツ』だなんて思わない」


田澤 天織乃
(千葉市立小中台中学校 3学年)

「何でお父さんには足が片方無いの?」
私は今まで、両親にそう聞いた事が無いそうです。

父は私が生まれるより前に病気で片足を切断しました。外出時は義足を装着しており、家に帰ると片足で生活しています。
小さな頃からその父を普通に見ていたので私にはちっとも不思議な事ではありません。
もちろん、みんなと同じ様に出来ない事もあるので、私も手伝いをする時があります。

街中にはエレベーターやエスカレーターが無い場所がたくさんあります。そんな場所では仕方なく階段を使う事になります。特に怖いのは下りの階段です。上りよりも義足への負担が大きく、転べばそのまま落ちて大けがです。それに、下りている後ろから追い越しざまに勢いよくぶつかって来る人が少なくないからです。
しっかりと手すりをつかみ、ゆっくりと階段を下りる父の後ろに立ち、ぶつかる人がいないように同じ早さでゆっくりと付いて歩いたり、思いドアは押さえてあげる、エレベーターのボタンを押しておく、荷物を運んであげるなどそれさえも私たち家族には普通の事なのです。

障害者の人たちは特別な存在ではありません。私たちと同じように生活している普通の人たちです。時々ほんの少しだけお手伝いを必要としているだけなのです。
もしも街中で困っている障害者を見かけたら、ちょっとだけ勇気を出して「お手伝い出来る事はありませんか?」と声を掛けてみましょう。あなたの、障害者に対する心の壁がきっと少しだけ低くなると思います。
時には「手伝いはいらない」と、答えが返ってくる事もあると思います。そんな時は一瞬、何だか悪い事をしてしまったような「余計な事だったかな」と、落ち込んだ気持ちになったりもする。そして心に高い壁を作ってしまう。一番の障害はこの壁なんだと思います。
本当に困っている人も必ずいます。ほんの少しだけ勇気を出して声を掛けてみて下さい。

以前、外出先のお店の中で出口がわからず戸惑っている視覚障害者の人を見て「どうぞつかまって下さい」と、声を掛けた事がありました。
その人を出口まで誘導すると、「お店の方ですか?」と聞かれました。
「そうではない」と答えると何度も「ありがとう。ありがとう。」と言って帰って行きました。見ていた母に「良いことをしたね」と、言われてとてもくすぐったい気持ちになりました。

二〇二〇年に東京でオリンピック、パラリンピックが開かれる時、きっと海外からも多くの障害を持った人たちが日本に来ることでしょう。それまでにみんなの心の壁がなくなっていればいいなと思います。
私は是非ボランティアとして参加し、心の交流をしたいと思っています。

このページの情報発信元

保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課

千葉市中央区千葉港1番1号 千葉市役所高層棟9階

ファックス:043-245-5549

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