更新日:2019年12月4日

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平成28年度心の輪を広げる体験作文 中学生部門優秀賞受賞作品1

心の輪を広げる体験作文

中学生部門 優秀作品

「私の思い出という『宝物』」


長谷川 仁衣那
(千葉大学教育学部附属中学校 1学年)

 

 私の卒業した小学校には、特別支援学級がありました。学校の校庭にある、大きな学校のシンボル、すずかけの木を由来に、「すずかけ学級」と呼ばれていました。小学校低学年のころまでは、「私達とは違うのかな?」程度にしか思っておらず、小学校高学年になっても、まだ偏見があるような存在でした。

 しかし、小学校六年生になった時、担任の先生がすずかけ学級の子ども達と仲が良かったため、私達の学級とも交流が始まりました。最初は、班ごとに、すずかけ学級の教室へ給食を持って行って、一緒に食べることになりました。私は、何をしゃべったらいいのか、全然わからずに、ほとんどだまって食事を終わらせることが多かったのですが、ずっと一緒に給食を食べていると、すずかけ学級のみんなも、私達のクラスのみんなも、だんだん、たくさんしゃべって、たくさん笑うようになり楽しい給食の時間を過ごすことができるようになってきて、現に、とても楽しかったです。給食後の二十分間の昼休みは、校庭へ遊びに行けるので、すずかけ学級の子に、一緒に遊ぼうとさそわれました。なので、翌日から、クラスにぼうしを取りにもどらなくてもいいように、ぼうしも一緒に、給食を運ぶようになりました。私は、すずかけ学級との交流が始まってから、すずかけ学級への今までの偏見がどんどん消えていきました。

 そして、11月にある、宿泊学習の1日目にすずかけ学級のみんなと、私達のクラスだけ一緒にカレーを作ることになりました。しかし、全員がすずかけ学級と一緒にカレーを作ることは、人数の関係上、不可能なので、くじ引きで、どこの班と一緒にカレーを作ることにするか決めることにしました。私は、明るくて、よくしゃべる、とってもかわいい、すずかけ学級のみんなとカレーを作りたかったので、私は班長として、はりきってくじ引きに参加しました。一緒にカレーを作ることを強く願いながらくじを引くと、当たり、つまりすずかけ学級と一緒にカレーを作ることができる切符を手に入れ、私は、班のメンバーと一緒に飛び上がって喜びました。私達がカレーを作る時には、かくし味を一品だけ入れられるのですが、なやんだ挙句、低学年が多いすずかけ学級が中辛のカレーを食べやすいようチョコにしようと班のみんなとわくわくしながら決めました。私は、宿泊学習までの日々がとっても楽しく感じられました。

 そして当日、バスで宿泊施設へ行くのは、私が調理係だったため、すずかけ学級のみんなとは一緒に行けませんでした。しかし、すずかけ学級のみんなが着いてから、野菜の皮をむいたり、具材を切ったり、いろいろなことを手伝ってくれたので、とっても助かったし、楽しかったです。かまどで、ごはんを炊いたり、カレーを作ったりするのは、初めてだったし、目が痛くてとても大変だったけど、すずかけ学級のみんなと食べるカレーは、すずかけ学級のみんなのがんばりと、私達のわくわくしながら考えたかくし味と、何より全員の笑顔が入っていて、とってもおいしかったです。カレーは、全員がおかわりしたため、足りないくらい、すぐに無くなってしまいました。

 今思うと、なぜ小さいころは、特別支援学級というものに、あれほど偏見があったのだろうと思ってしまうほど、一緒に給食を食べる事も、カレー作りも、とっても楽しく感じられました。もし、担任の先生が違ったら、きっとできなかった経験と思い出になりました。これは、私の一生の思い出という「宝物」になりました。

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