更新日:2016年12月14日

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平成28年度心の輪を広げる体験作文 小学生部門最優秀賞受賞作品

心の輪を広げる体験作文
小学生部門 最優秀作品
「未来への一歩をふみ出そう」



川嶋 碧
(千葉市立おゆみ野南小学校 3学年)

   あの夏忘れられない出会いをしました。

 一年程前、家族で旅行に行った京都でわがしの手作り体験をしました。甘い物も何かを作ることも大好きな私は、その日をとても楽しみにしていました。

 いよいよ待ちに待った当日。

 お店へ入ると、まず目に入ったショーケースの中のわがし。そこには、明るいひざしにてらされて、かがやく色とりどりのわがしがたくさんならんでいました。ママとケーキ屋さんへはよく行ったけど、わがし屋さんにはほとんど行ったことのない私は、わがしのきれいさに目がはなれなかったのをおぼえています。あじさいやあさがお、ききょうなどいろんなしゅるいの花の形をしたわがしをながめているとおくからお姉さんが出てきました。私にわがし作りを教えてくれるお姉さんは、笑顔のやさしい方でした。調理場へ行き、用意されたいくつかのあんこを手の平で丸くし、別のあんこでまたそのあんこを包んでいきます。その後、小さい木のヘラで花びらを作るようにゆっくりとほっていきます。細かい作業に苦せんしていると、横でお手本を作りながら教えてくれていたお姉さんが手をそえて一緒に形を整えてくれました。花びらが完成してうれしく思っていた時、お姉さんの手に目がとまりました。きように花びらを作っているその手は指が少なかったのです。私の視線に気づいたお姉さんは、静かに笑って、

「小さい時に事故でね。他の指もあまり曲げたりできないの。」

と言いました。こんなこと聞いたらいけないと頭で分かっているのに、思わず私は

「それなのにどうして手を使う仕事をえらんだの?」

と聞いてしまいました。でもその質問にお姉さんは、真っすぐ私の目を見て

「わがしが好きだからだよ。手の事を理由にしてあきらめたくなかったから。お姉さんの手は右手にハンデがあるけど、その分左手ががんばりやさんだから大丈夫なの。」

と言いました。

 その言葉にドキッとしました。今まで私は辛い事があると、まずあきらめることを考えていました。にげる理由を見つけようとしていました。それは、あきらめる事ががんばるより楽だから。

「何で私だけがこんな思いをしなくちゃいけないの?」

それしか考えられなかった自分が恥ずかしくなりました。

 そうじゃない。私だけじゃない。きっとみんな何かとたたかっている。立ち止まってもいいんだ。もし苦しくて前に進む力がなかったら、その場で足ふみをしてもいいから後ろにさがらないようにふんばればいいんだ。自分を信じる勇気を持たなければ何も変わらない。お姉さんに大切な事を気づかせてもらったしゅんかんでした。

 完成したわがしは、お姉さんの作ったわがしに比べると形も少し曲がっていて上手とは言えないかもしれないけど私はすっきりとした気もちでした。それは、作る前の自分にはなかった勇気をもてたから。

 お姉さんは、しょうがいをのりこえて自分の夢をかなえました。

 ありのままの自分を受け入れた先に見えるのは希望だと感じました。

今日の一歩は私の未来への一歩

お姉さんからもらった大きな一歩

 

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