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更新日:2024年3月11日

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教育委員メッセージ(平成28年度)

 教育委員;小西 朱見【2017年3月】

 

小西教育委員

 

 日本最大級のタイムカプセル

 

 

 千葉市には、日本最大級の貝塚、加曽利貝塚があります。

 今年1月31日、加曽利貝塚の特別史跡指定に向け、千葉市は、加曽利貝塚の歴史的価値や重要性をまとめた意見具申書を文化庁へ提出しました。意見具申書には、これまで何年間もの年月をかけて現地調査や慎重な議論を重ねてきた多くの関係者の熱い思いが込められています。特別史跡に指定されれば、日本初!貝塚が国宝級の遺跡として認められます。

 貝塚の何がそれほどすごいのか?貝のゴミ捨て場ではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 貝塚は単なる貝のゴミ捨て場ではありません。たくさんの貝殻から溶け出した炭酸カルシウムのおかげで、本来であれば溶けてなくなっているはずの縄文時代の人骨、獣骨、魚骨さらには土器、装飾品などたくさんの遺物が残されています。

 貝塚は、まさに縄文時代から時を超えて届けられたタイムカプセルといえます。

 その縄文をテーマにした「ちば縄文フェスタ2017」が今年も1月から2月にかけて開催されました。今年のシンポジウムのテーマは、「大型貝塚はなぜ築かれたのか?~石から紐解く、干し貝加工場説~」でした。「干し貝加工場説」というのは、加曽利貝塚のおびただしい数の貝は、縄文人が自分達で食べるためだけではなく、干し貝として加工し、身近では入手できないモノと交換していたのではないか、つまり、「海のモノ=干し貝」をつくり、「山のモノ=石器をつくるための石材」と交換していたのではないか、という興味深い説です。最近の発掘調査などから、交換対象は干し貝ではなく貝輪(ブレスレット)だったのではないか、という意見もあるそうです。また、縄文人は、木更津あたりから神奈川県まで舟を使って海を渡る交易もしていたそうです。

 いずれにしても、縄文人が自給自足生活だけではなく、かなり広い範囲の人と物のネットワークを持っていたことに驚かされるとともに、毛皮を着て髭をはやして獣を追いかけているという私の縄文人イメージは大きく変わりました。

 現在も最新の科学技術による調査研究は進んでいます。今後も、常識を覆すような歴史的新発見があるかと思うとワクワクします。

 

 加曽利貝塚には、遺跡そのもの以外にも、誇るべき大切なことがあります。それは、加曽利貝塚を守り抜いてきたのは他ならぬ千葉市民だということです。

 日本の多くの遺跡は、宅地開発の波に飲まれ住宅地となっています。加曽利貝塚も1960年代に開発の危機に瀕しました。しかし、千葉市民が立ち上がり、前例のない全国規模の保存運動を展開し、保存へとつながりました。

 弁護士として立場の異なる相手方に対し、自らの考えを主張し理解を得ることの厳しさや難しさを日々実感している身であるがゆえに、当時の市民の熱意と勇気に本当に頭が下がる思いです。今でこそ「主権者教育」という言葉がよく聞かれますが、何十年も前から、千葉市民に、自分達の権利を自分達で守ろうとする主権者意識が根付いていたことを嬉しく思うとともに、千葉市の多くの子ども達に知ってもらいたいと思います。

 加曽利貝塚博物館では、毎月、火おこし体験、アクセサリー作り、縄文服体験、復元住居の公開など、縄文時代を体験できるイベントが開催されています。貝塚周辺の森林を歩きながら静かに縄文時代に思いを馳せるのもよし!お子様と一緒に縄文人の知恵に驚かされるのもよし!週末は是非、日本最大級のタイムカプセル~加曽利貝塚へお出かけください。

 

加曽利貝塚博物館(所在地:千葉市若葉区桜木8丁目33番1号)

http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/kasorikaizuka/top.html

 


 

 

教育委員;和田 麻理【2017年2月15日】

 

 

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私たちの財産

 

 

 門を入り、玄関の前に立つと、ほんのりと甘い香りがします。靴を脱ぎ家の中に入ると、100年ほど前にタイムスリップして、そのまま時が止まりました。吸い込む空気まで清冽に変わったような気がします。ストンと心が落ち着き、座敷に座り、深呼吸しました。庭には満開の梅。甘い香りの正体がわかりました。眼下には浅間神社の二の鳥居が見えます。当時は海がすぐそこにあり、波の音も聞こえていたのでしょう。

 2月初めのある日、「ゆかりの家いなげ」を訪ねました。中国清朝のラストエンペラー愛新覚羅溥儀の実弟である溥傑夫妻が新婚時代(昭和12年)に住んだ家としても知られ、保養地としての稲毛の歴史を今に伝える貴重な和風別荘建築として、千葉市地域有形文化財に登録されています。

 室内はすっきりと整えられ、今にも新婚夫婦がそこから現れそう。溥傑夫妻の新婚時代の写真や、中国現代三筆の一人である溥傑の、流れるような美しい書も展示されています。

 庭は掃き清められ、樹木は美しく切り揃えられています。スタッフの皆さんの「ゆかりの家」への深い愛情を感じました。黄色い蕾をつけて顔を出している福寿草や、これから順々に咲き始める季節の花木も教えていただきました。

 千葉市には、多くの指定文化財、登録文化財、そして、ゆかりの家いなげのような地域文化財があります。それぞれの概要を見ると、頭の中に猛スピードで歴史絵巻が広がるのを感じます。さらに、実際に自分の目で見てみると、文化財は私たちにたくさんのことを語りかけてきます。しっかりと受け継ぎ、次の世代に伝えていかなくてはと、強く思う瞬間です。

 市内の文化財には、公開しているものも多くあります。ぜひ、皆さまも、身近にある私たちの財産をご覧になり、写真や文字では伝わりきらない、時代の匂いや空気を、体感してください。

 きっと、千葉市のことを、もっともっと知りたくなりますよ!

 

ゆかりの家いなげ(所在地:千葉市稲毛区稲毛1年16月12日)

http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/yukarinoieinage.html

 千葉市の文化財情報

http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/bunkazaitop.html

 


 

教育委員;中野 義澄【2017年1月19日】

 

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社会のルールを守れる子を育てよう

 

 私は教育委員になってから毎年成人式に主催者の一員として出席しています。毎年一部の若者が騒いだり暴れたりする姿がテレビで報じられていますが、そうした状況は多かれ少なかれ千葉市も他の都市と変わりません。

 成人式は一生に一度の式典であり、祝詞や励ましの言葉などから今後の人生について考える大切な機会であると思います。参加者は少なくとも他の参加者たちに迷惑をかけないように参加するべきです。しかし、残念ながらそれが出来ない若者もいます。社会のルールが守れないのです。

 その若者全てが今後もルールを守れない人たちとは断定できませんし、若者特有の表現の一つであるかもしれません。当然この中からも立派な社会人に成長する人もいます。

 私たちが社会の一員として最低限守らなければならないことは、法律も含めた社会のルールです。他人とのコミュニケーションがきちんと取れて、社会のルールを守れることがどのような職業であれ社会人として要求されます。報道されているような成人式で暴れる若者たちも、こうした点に早く気付いてほしいと思います。

 職業人としての技術などは大人になってからでも教えることが出来ます。しかし、こうした基本的な姿勢は大人になってからは教えてもなかなか変えることは難しいものです。小中学校時代に家庭と学校がしっかり教育していくことが必要です。

 私たちがこうした意識を持って子どもたちを教育することで、大人になったときにスムーズに社会の一員となれる手助けになる教育の実践をと、改めて感じました。

 新成人のみなさん、成人おめでとうございます。みなさんの今後に期待しております。

 


 

教育委員;千葉 雅昭(ちば まさあき)【2016年12月21日】

 

 千葉教育委員

 

 教育委員就任にあたって

 

 平成28年10月15日付で、千葉市教育委員に就任いたしました千葉 雅昭と申します。

 私は、35年前に、海に遊びに行き浅瀬に飛び込んで首の骨を骨折して以来、車いすで生活しています。入院中のリハビリを通してスポーツと巡り会い、中でも車いす陸上競技の面白さにとりつかれ、退院してからもトレーニングを重ねた結果、バルセロナ・アトランタ・シドニーパラリンピックに短距離で出場し、世界選手権では1998年バーミンガム大会100mで銀メダルをとることができました。

 競技を通して国内外を試合で転戦する中で、ハード面では、施設、設備のインフラについて体感したり、ソフト面では、人に助けていただいたり、街の中で心温まるおもてなしを受けたり、逆に、エレベーターが満杯で誰も譲ってくれずに下の階に降りるのに1時間待ったことや、タクシーに乗車するのに2時間も乗車拒否にあったりといった非情な面の両方を経験してきました。

 この経験を基に、障害者の目線からみることで、千葉市の教育現場を含むインフラ(ソフト&ハード面)をさらに使い易く、されど予算は低く抑えられるようお伝えし、子どもの学びを支える教育環境の整備に貢献できればと思っております。

 その他に、2001年から障害を持つ子どもたちにスポーツを通して自立・社会参加(就労・アスリート支援)を支援していくNPOを主宰し、活動を継続しています。

 さらに、51歳で大学院を受験し、2年間仕事と学業を両立させながら勉強したことで、学問やスポーツが何故大切なのかを改めて知ることができました。

 このような色々な経験を千葉市にフィードバックすることで、インクルーシブ教育を推進し、障害者だけでなく、子どもや高齢者にも優しく、モラルやマナーへの意識が高い街、さらには日本で一番住み易い街になる様、微力ながらお手伝いさせていただきます。

 また、2020年のパラリンピックでは選手・監督としての経験を生かし、トップアスリートや観光、応援で来日した方々が千葉市に来て良かったと思うようなおもてなしができればと思います。

 これからの千葉市の教育がもう一歩前進できるよう一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 


 

教育委員;藤川 大祐(ふじかわ だいすけ)【2016年11月16日】

 

 藤川教育委員

 

教育委員就任にあたって

 

 このたび、平成28年10月15日付で、千葉市教育委員に就任いたしました。

 私は平成13年より千葉大学教育学部に教員として勤務しており、教育方法学という領域を専門としています。大学では、平成27年度より教育学部副学部長として、教育委員会との連携や附属学校、情報セキュリティ等を担当しています。

 この15年半の間、千葉市の小学校や中学校の教員の方々や千葉市内の地域の方々とはさまざまな機会で関わらせていただいています。

 たとえば、教員の研修等の業務を担当している千葉市教育センターでは、毎年のように研究協力員会の講師をつとめさせていただいています。研究協力員会とは、市内の小中学校などの教員の方々がテーマごとに「研究協力員」となり、1年かけて実践的な研究を進めるものです。私はこれまで、キャリア教育、学級経営、情報教育などに関するテーマの研究協力員会で、講師をつとめさせていただきました。毎月の会議で教員の方々と議論を重ね、それぞれの学校にうかがって授業を見るということをさせていただいています。

 また、平成22年度より、千葉市・千葉大学連携事業として、小中学生向け起業家教育プログラム「西千葉子ども起業塾」を運営させていただいています。これは子どもたちが「会社」をつくり、実際の企業の経営者の方々からアドバイスをもらいながら地域の企業などに貢献する「仕事」をすることを通して、仕事をつくることについて学び、問題解決能力やコミュニケーション能力などを伸ばしてもらおうという取り組みです。西千葉駅周辺の商店街の方々や蘇我のJFEスチールの方々が、子どもたちの「会社」の取引先として協力してくださっています。

 これまでの千葉市でのさまざまな取り組みを通して、教員の方々、地域の方々、そして子どもたちがつながることによる地域の力を実感してまいりました。21世紀になり、社会の変化は加速し、子どもたちの生活環境は大きく変わっています。こうした状況だからこそ、子どもたちの活動を中心に多様な大人が地域で集まり、協力することの重要性が増しています。

 これから教育委員として、子どもたちが地域のよさを活かした学習を進めていけるよう、そして子どもから大人までがともに学べるよう、実践の場と関わりながら力を尽くしてまいりたいと考えております。皆様今後ともよろしくお願いいたします。

 


 

 教育委員;小西 朱見【2016年10月20日】

 

 小西教育委員

 

ジョイントキャンプに参加して~子どもは、変わる

 

 

 

 先日、千葉市少年自然の家で行われた教育センター主催の長柄ジョイントキャンプに参加しました。

 教育センターでは、各区のライトポート(適応指導教室)の管理運営や、グループカウンセリング活動等を行っており、ジョイントキャンプは、そこに通う児童生徒が参加するキャンプです。昼は、子ども達と一緒に煙と灰にまみれながら野外創作料理に取り組み、夜は、暗い中で暖かく燃える火を囲みながら子ども達一人一人が自分の気持ちを語るキャンドルサービスに参加しました。

 

 キャンドルサービスの様子を見ながら、ふと、弁護士になって初めて担当した少年事件のことを思い出しました。

今から10年ほど前、当時18歳だったA君の付添人(少年事件の弁護人)を担当しました。A君は、スーパーで菓子やパン等の盗みを繰り返して捕まり、約1か月後に開かれる少年審判を、少年鑑別所の中で待っていました。

 A君に会いに行くたび、「どうして盗んだの?」と聞いても、A君から返ってくるのは「べつに。なんとなく・・・。」と何とも気のない返事ばかり。「100円の万引きでも積み重なれば店が潰れることもある。」などと、(今から思い返せばうっとうしいくらい)お説教を繰り返しても、響いているのかいないのか・・・。

 無力感を感じながら、ただ会いに行って話をするだけの日々の中、ある日、A君に「お母さん、すごく心配しているよ。」と声をかけた時、A君の表情が変わった気がしました。お母さんの話をすると、A君は、幼い頃、児童養護施設に預けられていた時の話をポツリポツリと話し始めました。そのうち、A君の母親は、幼いA君を施設に預けたことに罪悪感を抱き、これまでA君が悪いことをしても叱るということを避けていたことや、毎日生活費を稼ぐのに必死でA君とちゃんと向き合うことができていなかったこと等、事件の背景が少しずつ見えてきました。

 母親の正直な気持ちが書かれた手紙をA君に渡すと、A君は、涙を必至にこらえながら手紙を読んでいました。次の面会日、これまでずっと「どうせ前の仕事は嫌だったし、別の仕事を探す。」と言い続けていたA君の口から、「社長に頭を下げて、もう一度雇ってもらえるようお願いに行く。」と言う言葉が出るようになりました。

 あれから10年近く、毎年、A君から直筆の年賀状が届きます。今もあの社長さんの元で仕事を頑張っているそうです。

 今から思い返しても、私は、たいしたことを何一つしてあげられなかったなと思います。それでも、A君は変わりました。ほんのわずかなきっかけで、気づかなかった愛情に気づくだけで、子ども達は本当に大きく変わる、そう教えられた最初の事件です。

 

 教育センターでは、毎日、指導員の先生達が一生懸命に子ども達の気持ちに寄り添おうと頑張っています。キャンドルサービスで、子ども達が正直な気持ちを一生懸命に伝えようとする姿、友達と何度も握手をする姿・・・そんな姿を見ていると、キャンプでの出会いや経験が子ども達を大きく変えたことが伝わってきました。たとえ学校という場ではなくとも、自分なりの信頼できる大人、信頼できる友達、安心できる居場所を見つけ大切にしてもらいたい、と改めて感じた一日でした。

 


 

教育委員;内山 英夫【2016年9月16日】

 

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 人生感意気

 

 人それぞれに人生を歩み、様々な体験を積み重ねていきます。

 私自身にもいろいろな出来事があり、喜怒哀楽のいずれであれ、大なり小なり私のその後の生き方に影響したように思います。

 その時々に人との出会いがあり、お互いに意気投合して、心意気に感じる場面が幾度かありました。

 これまでの社会生活の中で自分は何ができただろうか、と反省するとともに、多くの人たちにお世話になった、と深く頭を下げたくなります。

 今の子どもたちは、私の子どもの頃とは異なった背景が多々あります。そのような中で、子どもたちが生きていこうと懸命に頑張っている姿に出会うと、励ましの言葉を掛けたくなります。

 

 心温まる出来事がある反面、辛く悲しいこともあります。

 今年2月には東京で2件、通学途上の小学1年生の交通事故死が報じられました。その子たちは、私の十一分の一の年齢である7年で人生を閉じたことになります。

 ある新聞で、歩車分離信号にすればこの様な事故を防げるのに、普及が進まないのはなぜか?とありました(15年3月、全約20万7000基中8499基(4.1%))。

 わかっていながらも、一筋縄では行かない事柄があることに、もどかしさを感じます。

 

 教育委員会での8年間、教育は壮大な事業だ、と考えてきました。

 日々、続けていく仕事であり、保護者・教師を含めて多くの人たちが関わります。

 すべての子どもたちの幸せを願いながらも、一人の人間としてできることは高が知れているように思え、社会全体で力を合わせて見守っていく必要性を強く感じてきました。

 学校を支援していく地域の組織的な仕組みづくりと活動が、モデル校区を設けて、3年前から始まっております。

 地域には、それぞれ事情が異なるところがあり、どこも同じ方法で推進できるとは限りません。古い歴史を持つところ、地域形成の段階が進行中のところ、また普段の地域諸活動の活発度等を含め、それに応じて方策を検討、組織づくり、取り組みがなされることになります。

 これらの活動が市内全域への広がりを持ち、活性度を高めていくことを願っております。

 

 私の好きな言葉を記して終わりといたします。

「人生感意気 功名誰復論 (人生意気に感ず 功名誰か復た論ぜん)」

 (中国の政治家「魏徴」(580~643)詩「述懐」・『唐詩選』)

 

 

 


 

 

教育委員;中野 義澄【2016年8月25日】

 

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中学生・高校生に心がけてほしいこと

 

 千葉市では「未来の科学者育成プログラム」を実施しており、私もここ数年医療職を目指す中学生・高校生を対象に、医師として実際に医療に携わる立場から講義をしています。

 今年も講義の主旨は「医療職を目指す人へ」―医療の現状と今後の展望―でしたが、今年は新たにその前提となる医療職(専門職)としての心構えについても話しました。私が医療職に限らず専門職(プロ)としての活躍を目指す中学生・高校生が社会人として成長していく上で今から心がけてほしいことを5つ話しました。

1.幅広い知識を身につける
医学的知識は速いスピードで増えていきます。与えられた課題や自分で見つけた課題をしっかり調べ、すぐに人に答えを聞かず自分で考えて解決することが必要です。

2.コミュニケーションができる
挨拶ができ、人の話をよく聞き、自分の意見をしっかりと伝えることが社会人として求められています。

3.人間性を磨く
いろいろなことに興味を持ち、いろいろな人と交流し(部活動など)、情熱と誠実を忘れず、常にポジティブに考えるようにしましょう。

4.社会のルールを守る
他の専門職もそうですが、特に医療職は倫理的および法的な理解のできる人でなくてはなりません。ルールの意味もしっかり考えてほしいと思います。

5.自己中心であってはいけない
医療に携わる人は他人の役に立ちたいという気持ちが必要であり、人が喜ぶことで自分も喜ぶ気持ちが大切です。

以上のことを踏まえて、中学生・高校生が今できることは
・小さな目標を立てて日々達成していく
・途中で止めず続ける
・自分の限界を決めつけない
・良い先輩を見つけて見習う
・他人との比較ではなく、自分の目標と現状を比較する
・そうした日々の中から“自分の最終目標(進路)”を見出していく
未来ある若き人々の中で将来何をやりたいかわからないという人が多いのは残念に思います。
やりたいものを見つけて出来ることから日々努力していく。途中で止めず情熱を持って続けていくことによって大きな目標を達成し、社会において生きがいを持って活躍してほしいと思います。

 


 

 

教育委員;和田 麻理【2016年7月25日】

 

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時間割にない時間

 

 元気いっぱいの子どもたちが次々と集まってきました。ここは放課後子ども教室。広い体育館も熱気でムンムン。それもそのはず、今日は「スラックライン」を体験するのです。「スラックライン」は、幅5cmほどのリボンの上を、バランスを取りながら歩いたり跳んだり、上級者になると宙返りまでやってのける、いわば難度の高い「綱渡り」。新しいスポーツです。

 今日の先生は、世界チャンピオンにもなった福田恭巳さん!まずは地上でバランスを取る練習ですが、う~ん、みんな大丈夫かな? 次はリボンに乗り、さらに歩く練習と続きます。参加者は多く、待ち時間も少なくないのですが、先生の話に熱心に耳を傾け、夢中で友達の姿を見ています。

 日常の授業ではできないことを、放課後子ども教室で体験している様子は、

本当に楽しそう。お手伝い下さっている大人も楽しそうです。

 放課後子ども教室では、地域の皆さま、保護者の方々、またNPOや企業の方々にも、知恵と力をお借りして、子どもたちが安全に放課後を過ごすことができ、また、学ぶきっかけになるような、さまざまなプログラムを組んでいます。

 千葉市では、事業を始めて10年あまりが過ぎた今年度、よりたくさんの子どもたちに、より充実した時間を過ごしてもらえるよう、ますますパワーアップした取り組みをモデル事業として始めました。総合コーディネーターを配置し、学校をまたいでプログラムやシステムを提供し、各校のコーディネーターやスタッフが抱えるさまざまな悩みや相談にものっていきます。地域や保護者の皆さまに支えられてきたプログラムに加え、新たなプログラムの企画もし、それによって、さらに地域や保護者の皆さまにも、楽しみながら一緒に盛り上げていただければと願っています。

 「なんだか面白そうだぞ。お手伝いができるかも。」と思われた方。ぜひぜひ、教育委員会の生涯学習振興課に連絡してくださいね。

 今年度はまず10校のモデル校から始めていますが、評判は上々。登録する児童数も目に見えて増えました。7月は、「流しそうめん」「百人一首」「木工でベンチを作ろう」「防犯おすしとジュニアレスキュー」「勾玉づくり」などなど、この後も体と頭を使う、興味深いプログラムが目白押しです。

 

 あぁ、今からでもこんなプログラムでたくさんの体験をしてみたい。

 「放課後おとな教室」あったらいいのに!

 

※ 生涯学習振興課(放課後子ども対策班)Tel:043-245-5957

 


 

 

教育委員;小西 朱見【2016年6月16日】

 

 小西教育委員

 

真の男女共同参画社会を目指して!


「14.7%」
これは何の数字かお分かりでしょうか?
平成28年4月1日現在の千葉市の教職員の「女性管理職の割合」です。
「千葉市には優秀な女性の先生方がたくさんいるはずなのに・・・」と寂しく感じる数字です。
教員の世界だけではなく、世の中のどの会社、どの世界でも、女性が仕事でキャリアアップを目指そうとするとき、『仕事か家庭か』という二択に悩まされます。
その背景には、「男性が働いて女性が家庭を守るべき」という昔から社会に根強くある性別役割分担意識や、管理職の長時間労働の問題などがあると言われています。

弁護士として事件を受ける中でも、離婚事件では、夫側から離婚原因として「家のことをしない。」「食事をちゃんと作らない。」という主張をする方や、「家庭や夫をうまくかじ取りするのは妻の役目だ。」というような考え方をする方もいらっしゃるなど、果たして今の社会は本当に男女平等の社会なのだろうか?と感じる場面も多くあります。

きっと、私達は、自分自身も意識しないところで、子どもの頃の親の姿、先生の言葉、周りの人の働き方を見ながら、自然と「男性が管理職に就いたり働いたりすべきで、女性が育児家事をすべき。」というような考え方の影響を受けていたり、知らず知らずのうちに自分の選択の幅を狭めてしまっていたりする部分があるのではないかと思います。
しかし、それが正しい姿か?というと、決してそうではないと思います。

子どもは、真っ白です。
女性の校長先生が周りから認められている、女性の先生が仕事でキラキラ輝いている、男性の先生が育児や家事を本当に楽しそうにやっている、男性とか女性とか関係なく、一人一人の大人が、社会や他の人から強制されることなく、自分の意思に基づいた選択をしている、子ども達にそんな姿を見せることができれば、それが男女共同参画の最良の教材ではないでしょうか?
未来の真の男女共同参画社会の実現にとって、先生方の存在は非常に大きいと思います。

千葉市教育委員会では、今年度は教務主任の女性の割合を3割以上に増やし、統括指導主事等の役職に女性を意識的に採用するなど、将来の女性管理職の増員に向け力を入れています。解決すべき課題は多いかとは思いますが、男性の先生も女性の先生も、一人一人が輝ける職場作りを今後も応援し続けていきたいと思います。

 


 

 

教育委員;明石 要一【2016年5月18日】

 

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地域学校協働本部とチームとしての学校

 

昨年の12月に中教審が二つの答申を出しました。
1.コミュニティスクールと地域学校協働本部
2.チームとしての学校
これらは共に、これまでの学校観を大転換する内容です。これまでの学校は自己完結型でした。開かれた学校と言われてきましたが、残念ながら「学校王国」の意識は払拭されませんでした。
例えば、これまで学校を応援する仕組みは「学校支援地域本部」と呼ばれていました。あくまで中心は学校で、地域はそれを支援するという捉え方でした。「登校」という言葉が意味するように学校は高いところに在り、登っていくものでした。
ここでは,お互いがフラットな関係を保ちパートナーシップで子供の教育に携わる,という発想は乏しかったのです。
そこで、学校は地域とともにあるという認識から「地域学校協働本部」という仕組みづくりが提案されたのです。「地域学校協働本部」は学校と地域の様々な橋渡しをするのです。
学校は何を求めているか、家庭はどんな課題を抱えているか、地域は今どうなっているかという課題を発見し、解決の糸口をアドバイスしたり、支援する人を探すのです。
協働本部は家庭と学校のニーズをいち早く把握し、その解決に向けて地域の人材を探し紹介する仕事をするのです。
その役割を担うのが、全体をまとめる自治体レベルでの「統括的なコーディネーター」と学校区を単位とする「地域コーディネーター」です。これからは、これらのコーディネーターの養成と配置が大切になります。
もう一つの答申が「チーム学校」です。学校の仕事は教師だけではなく、外の専門的な力を取り入れましょう,というのが「チーム学校」のねらいです。
これまでのスクールカウンセラーだけではなく、スクール・ソーシャルワーカー,それから部活動の専門的な指導者、医療や災害関係の専門家などを学校を支えるスタッフとして導入しよう、とするのです。地域に開かれた学校を目指します。
この「コミュニティスクールと地域学校協働本部」に関する答申は、生涯学習政策局と初等中等教育局の二の局をまたがり、取り纏められました。「水と油の関係」といわれてきた学校教育と社会教育が同じスタートラインにたち、最初はぎこちない関係でしたが、回を重ねる内に情報の共有化が図られ、どうすれば学校と家庭・地域が協働して子育てが可能になるか、という課題解決の方策を探すまでに至りました。このことは、文部科学省においても画期的なことでした。
千葉市でも学校と地域が協働で子育てできるように答申の早期の政策化に向けて検討しているところです。

 


 

 

教育委員;内山 英夫【2016年4月20日】

 

 

 

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生活の中での生きがい・潤いを求めて

 

 「生涯学習」という言葉があり、その内容から私は「体育・文化」を連想します。
「生涯」と言いますから、対象として幼児から高齢者までを含むことになります。

私の「体育」の原点は中学での部活動「篭球部」です。身体を鍛えるという意識はないまま、ただ「楽しくてしようがない」で、高校2年生まで続けました。
社会人になって、部課対抗の駅伝を契機に一市民ランナーとして、自分なりに練習に取り組みましたが、自分の限界を知りながらも、汗を流した後の快い疲れが生きる喜びに繋がりました。年齢を経るにつれ、毎日とはいかなくなりましたが、今でも天気のいい日にはジョグとストレッチに取り組みます。終えるとその日は、何となく充実感を覚えます。
一市民ランナーとしての行動が、陸上競技の分野での社会体育活動に関わる契機となり、千葉県・千葉市内の大会の企画・運営に約40年携わってきました。
その中には障害者のスポーツ大会が含まれ、健常者の大会共々良き思い出となり、中学・高校の先生方をはじめ、陸上競技関係者との交流は貴重な人生体験になりました。

一方、「文化」という面では、音楽・文学・絵画をはじめ、幅広く多様な分野があります。
幼児から高齢者まで、興味を持つことにそれぞれに取り組んでいる姿を見聞きします。
私は音楽が好きですが、私の小中学生時代はせいぜいオルガン・ピアノでの授業で、高価な楽器に触れる機会はなく、またあったとしても運動への関心が高く、ピアノを含めて親しもうとはしなかっただろうという気がします。習った唱歌を口ずさむ、ラジオ放送のクラシック音楽を聴く、ハーモニカを吹くといった程度でした。
絵画・書道は苦手で、授業のみでしたが、美術館での鑑賞は楽しみの一つです。
読書についていえば、小学生の頃、入手先は図書館だろうと思いますが、「冒険もの」(猛獣狩りなど)を好んで読んだ覚えがあります。中学・高校時代にどんな本を読んだか記憶が薄く、あまり読まなかったのかもしれません。学生時代以降はいろいろな本を読みましたが、どちらかというと理科系が主で、日本の、特に夏目漱石・芥川龍之介といった近代文学の著作家の作品は、私の数十年の人生で本格的に読むことがありませんでした。日本人として少々恥ずかしい思いです。

「文化」の分野で、私の人生に大きく影響を与えた出来事がありました。
下宿の1年先輩で、クラシック・ギターを弾く人と囲碁初段の二人との出会いです。
先輩の弾くギター曲に惚れ惚れして、居ても立ってもいられず、翌日仕送りと奨学金を注ぎ込んで購入し、血豆が出来るほど練習に取り組みました。あまり上手くはなれませんでしたが、それでも20年間くらいギターを弾く楽しみに浸りました。
囲碁については、先輩に手ほどきを受け、寝床の中で天井が碁盤に見えるほど夢中になった時期がありました。懸賞での段位をとり、これは今も楽しみの一つです。
ギター・囲碁とも初めての出会いでしたが、すぐに虜になったのは、私の感性に響くものがあったのだろうと思います。

「体育・文化」について各人の関心事は異なっても、幼児から高齢者まで、自ら取り組むことに加えて、優れた人材の高度な演技・作品を鑑賞して感動することを含め、人として生きていく上で欠かせないものではないでしょうか。
6年前、近隣の小学校のウインター・コンサートを聴く機会がありました。
その素晴らしい演奏に感動し、吹奏楽部の皆さんに感想文を送ったところ喜んでくれ、14人の児童が返事を書いてくれました。今も私の宝物です。
吹奏楽部の一女子児童の「私も内山さんと同じように音楽が大好きです。悲しいとき、音楽を聴くと元気になります。そんな力を持っている音楽はすごいなと思います」との記述がすべてを語っているように思えます。吹奏楽部の児童は、小さいうちに得難い体験をしました。
児童・生徒の人生は、これからが今までの何倍も長い。いい機会に出会い、生活の中での生きがい・潤いを与えてくれる「体育・文化」に親しんでもらえればと願っています。

 

 


 

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