平成28年度 千葉市立青葉病院 病院指標



■病院指標とは
 DPCデータを用いて、厚生労働省が定めた集計条件等に基づき作成する指標です。
 患者さんや市民の皆さんに情報公開することにより当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的としています。
 ※全国統一の定義と形式に基づく作成であるため、病院の実態を表す診療実績とは異なります。
■DPCとは
 入院患者さんの傷病名や治療行為に応じて、国で決められた各診断群に分類することをいいます。
 傷病名と手術、処置等の組み合わせにより14桁のコードで表現されます。
■集計条件等
 ・平成28年4月1日から平成29年3月31日までの退院患者さんで、一般病棟に1回以上入院した患者さんが対象
 ・医療保険のみ(公費、生活保護を含む)を使用した患者さんが対象で、自動車賠償責任保険や労災保険、
  自費等の患者さんは対象外
 ・入院後24時間以内に死亡された患者さんや臓器移植の患者さんは対象外
 ・他病棟間の転棟、転入、一般病棟間の転科も1患者さんとして集計
 ・年齢は入院日時点の年齢を基準として集計

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0〜 10〜 20〜 30〜 40〜 50〜 60〜 70〜 80〜 90〜
患者数 93 143 237 336 645 738 1251 1589 1068 249
【解説】
市立病院である当院は、地域の急性期病院として幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいています。
中でも重症化しやすい高齢の患者さんが多く、60歳以上の方が全体の65%となっています。
当院は平成28年4月から「地域医療支援病院」に認定されており、ますます地域医療や地域連携に力を入れ、今後も皆さんに必要とされる病院を目指しています。

【定義】
退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
■呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 112 21.32 21.25 19.64 84.20
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 気管支鏡検査等あり 65 5.91 3.68 6.15 71.32
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 化学療法あり 54 8.93 12.35 0.00 73.24
040200xx99x00x 気胸 39 10.62 9.14 17.95 47.36
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 33 20.27 19.92 9.09 74.24
呼吸器内科では上記DPCコードごとに見ますと、口の中の内容物や逆流した胃の内容物を誤嚥することにより発症する「誤嚥性肺炎」で入院される患者さんが最も多く、抗生剤投与等による治療を行っています。
また、肺炎のDPCコードは「誤嚥性肺炎」以外にも、細菌感染による肺炎が含まれる「肺炎等」という分類があり、A-DROPスコア(指標4.【成人市中肺炎の重症度別患者数等】をご参照ください。)によってDPCコードが細分化されているため上記指標には反映されていませんが、疾患ごとに見ますとこちらの「肺炎等」も患者数が多くなっています。
肺炎は、免疫力が低下する高齢者において発症率が高くなるため、平均年齢も高くなっています。
次いで多いDPCコードが「肺の悪性腫瘍」で、気管支鏡検査や、確定診断のために腫瘍の一部を採取する経皮的針生検・経気管肺生検を行う症例や、化学療法を行う症例が多くなっています。
次いで、気胸の患者さん、間質性肺炎の患者さんが多くなっています。
■循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 73 15.78 17.95 8.22 78.97
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等あり 54 4.33 4.71 0.00 69.96
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査・血管内超音波検査等あり 51 3.06 3.22 1.96 66.24
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査あり 45 3.69 3.06 6.67 65.07
050030xx97000x 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等あり 39 12.49 13.02 2.56 66.56
循環器内科では「心不全」の患者さんが最も多く、約8割が65歳以上の患者さんで平均年齢が高くなっています。
その他のDPCコードは、心臓の血管が狭くなったり閉塞してしまうことで起こる「狭心症」や「急性心筋梗塞」のDPCで、血管の狭くなった部分をバルーンで拡張した後ステントで補強する経皮的冠動脈ステント留置術を行う症例や、治療前治療後のカテーテル検査での入院となっています。
また、当科ではカテーテルより負担の少ない心臓CTによる冠動脈評価、心筋シンチグラムでの虚血評価も行っています。
■血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病 輸血あり 化学療法あり 69 38.43 41.96 2.90 60.17
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 輸血なし リツキシマブ注射あり 36 18.83 16.83 0.00 68.06
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 輸血あり アザシチジン注射あり 26 20.69 21.92 7.69 73.58
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 輸血なし アザシチジン注射あり 26 12.92 10.82 0.00 76.54
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫 輸血なし ボルテゾミブ注射あり 20 18.40 25.11 0.00 70.65
血液内科では、「急性白血病」で輸血と化学療法を行うDPCコードに該当する患者さんが最多で、急性白血病は大きく分けると「骨髄性」「リンパ性」に分けられますが、中でも急性骨髄性白血病の患者さんが多くなっています。
次に多いのが、「非ホジキンリンパ腫」に対してリツキシマブ注射を含む化学療法を行う患者さんです。
非ホジキンリンパ腫に対する化学療法は、複数の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法を行っており、R-CHOP療法(リツキシマブ・シクロホスファミド・ドキソルビシン塩酸塩・ビンクリスチン硫酸塩・プレドニゾロン)等、病型に合った治療を行っています。
非ホジキンリンパ腫の病型別では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんが多くなっています。
次いで、「骨髄異形成症候群」でアザシチジン注射による治療を行う患者さんが多く、必要に応じて輸血も行っています。
「多発性骨髄腫」に対しては、ボルテゾミブ注射を含む化学療法を行うDPCコードが多く、VRd療法(ボルテゾミブ・レナリドミド水和物・デキサメタゾン)やBD療法(ボルテゾミブ・デキサメタゾン)を行っています。
また、除外となっているため指標に反映されていませんが、造血幹細胞移植(骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植)も積極的に行っています。
■消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 総胆管結石、胆管炎 手術あり 36 13.58 11.06 0.00 72.78
060335xx99x00x 急性胆のう炎 34 13.79 11.00 0.00 65.82
060102xx99xxxx 大腸憩室の合併症 26 10.81 7.89 0.00 58.35
060210xx99000x イレウス(腸閉塞) 26 9.42 9.08 7.69 67.12
060140xx97x00x 急性胃十二指腸潰瘍 内視鏡的消化管止血術等あり 26 13.15 10.93 0.00 62.81
消化器内科では、大腸ポリープに対する内視鏡的治療を最も多く扱っていますが、この指標からは除外となるため「総胆管結石」や「胆管炎」に対する内視鏡的治療が最も多くなっています。
次いで、胆のう結石による「急性胆のう炎」、「大腸憩室の合併症」である大腸憩室炎や大腸憩室出血での入院、「イレウス(腸閉塞)」の患者さんが多くなっており、保存的治療を行っています。
「急性胃潰瘍」や「急性十二指腸潰瘍」からの出血に対しては、内視鏡的消化管止血術や輸血を行っています。
■糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x110 2型糖尿病(末梢循環合併症あり、多発糖尿病性合併症あり) インスリン注射あり 定義副傷病あり 85歳未満 25 14.16 16.40 0.00 67.40
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性合併症なし、末梢循環合併症以外の糖尿病性合併症1つあり) インスリン注射あり 定義副傷病なし 85歳未満 17 15.06 14.61 0.00 52.53
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 16 7.81 10.17 6.25 72.88
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性合併症なし、末梢循環合併症以外の糖尿病性合併症1つあり) インスリン注射あり 定義副傷病あり 85歳未満 12 14.08 16.31 0.00 64.08
100071xx99x100 2型糖尿病(末梢循環合併症あり、多発糖尿病性合併症あり) インスリン注射あり 定義副傷病なし 85歳未満 10 15.70 14.91 0.00 64.60
糖尿病・代謝内科では、2型糖尿病患者さんの合併症精査や血糖コントロール目的での入院が多くなっています。
糖尿病のDPCコードは、1型・2型の分類や合併症の有無、85歳未満か以上か等によって細かく分かれており、上記指標の5種類中4種類が2型糖尿病のDPCとなっています。
当院では、医師、看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師による糖尿病教室を定期的に開催しており、糖尿病患者さんの教育に積極的に取り組んでいます。
■神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 16 6.63 7.12 0.00 53.25
010140xxxxx0xx 筋疾患(その他) 16 8.44 11.63 0.00 38.44
010080xx99x00x 脳脊髄の感染を伴う炎症 - - 9.36 - -
010060x2990401 脳梗塞(発症3日目以内・JCS10未満・発症前Rankin Scale0、1又は2) エダラボン注射あり - - 16.54 - -
010310xx99x0xx 脳の障害(その他) - - 11.62 - -
神経内科では上記DPCコードごとに見ますと、「てんかん」や「筋疾患(その他)」の患者さんが多くなっており、「筋疾患(その他)」は、血清カリウム値の異常等が原因で四肢の脱力が起こる「低カリウム血性周期性四肢麻痺」での入院患者さんが主となっています。
また、指標には患者数が反映されていませんが、疾患ごとに見ますと「脳梗塞」の患者数が最も多くなっています。
上記指標に反映されていない理由として、脳梗塞は、発症日やJCS(意識レベルを評価する指標)、発症前Rankin Scale(脳卒中の患者さんに対して用いられる総合的な評価指標)によってDPCコードが異なるためであり、脳梗塞の患者さんの中でも、「発症3日目以内・JCS10未満・発症前Rankin Scaleが0、1又は2で、エダラボンという脳保護剤を点滴投与した患者さん」が多いということになります。
脳梗塞につきましては【指標5.脳梗塞のICD10別患者数等】もご参照ください。
■リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 27 20.70 17.77 7.41 61.56
070560xx97x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術あり - - 30.29 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチ - - 14.52 - -
070560xx99x8xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 リツキシマブ注射あり - - 19.09 - -
070040xx99x0xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) - - 13.23 - -
リウマチ科では「全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし」のDPCコードに該当する患者さんが多く、全身性エリテマトーデスやリウマチ性多発筋痛等の膠原病の患者さんに対して薬物療法を行っています。
その他の症例につきましては、患者数が10未満となっているため「ー」と表示しています。
■内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒 87 1.87 3.64 1.15 42.82
110310xx99xx0x 尿路の感染症 67 13.39 12.43 2.99 70.07
180010x0xxx0xx 敗血症 45 18.29 19.24 13.33 76.96
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 23 8.43 5.50 0.00 57.00
170020xxxxxx0x 急性アルコール中毒 19 1.11 2.60 0.00 31.95
その他内科疾患では、「急性薬物中毒」で救急搬送される患者さんが多く、胃洗浄や活性炭の投与等を行い、必要に応じて精神科医師による診察も行っています。
次いで、急性腎盂腎炎等の「尿路感染」、「敗血症」の患者さんとなっています。
敗血症につきましては、【指標7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)】もご参照ください。
■整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術等あり 115 20.35 27.63 65.22 80.61
160740xx97xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 59 1.92 5.33 0.00 16.39
07040xxx01xxxx 股関節症・股関節骨頭壊死 人工関節置換術等あり 49 21.16 24.42 2.04 67.14
160700xx97xx0x 鎖骨骨折・肩甲骨骨折 手術あり 47 2.68 5.86 2.13 38.38
070230xx01xxxx 膝関節症 人工関節置換術等あり 43 23.21 26.26 0.00 72.33
整形外科では、股関節大腿近位骨折で人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を行う患者さんが最も多くなっています。
この骨折は、骨粗しょう症によって骨がもろくなっている高齢者が転倒等により受傷することが多いため、平均年齢が高めとなっています。
転院率が高い理由としては、「大腿骨頚部骨折地域連携パス」の運用により近隣の病院と連携を図っているためです。
次いで多いのが肘関節周辺の骨折・脱臼で手術を要する症例で、中でも上腕骨顆上骨折で治療を行う患者さんが多くなっています。
上腕骨顆上骨折は子供の受傷が多く、手のひらをついて転んだり、転落して肘が反ることで骨折します。
このため、59件中44件が14歳以下の患者さんであることから平均年齢が低くなっています。
次いで、股関節症や股関節骨頭壊死で人工関節置換術を行う患者さん、鎖骨骨折や肩甲骨の骨折で骨折観血的手術等を行う患者さん、膝関節症で人工関節置換術を行う患者さんが多くなっており、平均在院日数が全国平均に比べ全て短くなっています。
DPCコードの細分化により、上記指標に反映される症例が限られていますが、当科では一般的な整形外科診療のほか、脊椎外科、関節外科、手外科の専門的治療を行っています。
■泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx04xxxx 前立腺肥大症 ホルミウムレーザー前立腺核出術あり 107 7.93 7.78 0.00 70.32
110070xx0200xx 膀胱の悪性腫瘍 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術あり 66 8.42 7.44 0.00 72.03
11012xxx020x0x 腎尿管結石 経尿道的尿路結石除去術あり 65 6.11 5.83 1.54 62.28
11012xxx040x0x 腎尿管結石 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術あり 24 2.25 2.82 0.00 59.29
11013xxx06xxxx 膀胱結石 経尿道的膀胱結石摘出術あり 18 6.33 5.75 0.00 63.67
泌尿器科では、前立腺癌の疑いに対して前立腺針生検を行う症例を多く扱っていますが、この指標からは除外となるため、低侵襲なレーザー治療であるホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を行う前立腺肥大症の患者さんが最多となっています。
次いで膀胱の悪性腫瘍に対する経尿道的膀胱悪性腫瘍手術を行う患者さんが多く、膀胱悪性腫瘍や前立腺肥大症は高齢男性に多いことから平均年齢が高めとなっています。
次に多いのが腎結石や尿管結石で手術を行う患者さんで、上記指標では経尿道的尿路結石除去術の方が患者数が多くなっていますが、実際には体外衝撃波腎・尿管結石破砕術を行う患者数の方が多く、これは初回治療の場合がこの指標から除外となっているためです。
■外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆のう炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術あり 91 7.33 7.61 0.00 59.01
060035xx01000x 結腸の悪性腫瘍 悪性腫瘍手術あり 27 14.96 15.92 0.00 68.07
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 悪性腫瘍手術あり 21 19.52 17.65 0.00 72.33
060150xx03xxxx 虫垂炎 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)あり 18 5.11 5.60 0.00 45.00
060040xx02x00x 直腸の悪性腫瘍 直腸切除・切断術あり 16 18.13 17.98 0.00 69.44
外科では、大腸ポリープに対する内視鏡的治療や鼡径ヘルニアに対する治療を多く扱っていますが、この指標からは除外となるため、腹腔鏡下で胆嚢摘出術を行う、胆石性胆のう炎や胆のう腺筋腫、胆のうポリープの患者さんが多くなっています。
次いで結腸の悪性腫瘍、胃の悪性腫瘍の患者さんとなっており、部位別に見ると、結腸の悪性腫瘍ではS状結腸の患者さんが比較的多く、胃の悪性腫瘍では胃体部の患者さんが多くなっています。
また、当科では積極的に腹腔鏡下手術を行っており、結腸の悪性腫瘍については27件中22件、胃の悪性腫瘍については21件中11件が腹腔鏡下で悪性腫瘍手術を行った患者数になります。
次に多いDPCコードが、虫垂炎に対して腹腔鏡下手術を行う患者さん、直腸の悪性腫瘍に対して直腸切除・切断術を行う患者さんとなっています。
■産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等あり 70 9.09 10.05 0.00 43.57
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 子宮附属器腫瘍摘出術等(開腹によるもの)あり 32 11.81 10.36 0.00 51.09
120140xxxxxxxx 流産 流産手術(妊娠11週までの場合)あり 16 1.06 2.43 0.00 34.94
120100xx01xx0x 子宮腺筋症・子宮内膜症 子宮全摘術等あり 13 8.77 7.92 0.00 43.15
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等あり 13 10.31 13.29 0.00 56.69
産婦人科では、子宮の良性腫瘍で入院する患者数が最も多く、70件は子宮筋腫に対する手術治療となっています。
子宮筋腫に対しては、筋腫を子宮ごと摘出する子宮全摘術や筋腫のみを核出し子宮を温存する子宮筋腫摘出(核出)術、また、筋腫が子宮から腟内に脱出した筋腫分娩に対する子宮息肉様筋腫摘出術も行っています。
次に多いDPCコードが、卵巣の良性腫瘍に対する開腹手術を行う患者さんとなっています。
次いで、妊娠11週までの流産に対して手術を行う患者さん、子宮腺筋症や卵巣に発生した子宮内膜症である卵巣チョコレートのう胞に対して手術を行う患者さん、子宮の悪性腫瘍に対して開腹手術を行う患者さんとなっています。
この病院指標は、医療保険のみを使用した患者さんが集計対象となっているため、自費の請求が発生する産科領域が指標に反映されていませんが、経腟分娩や帝王切開による分娩も多く扱っており、糖尿病等を合併している場合には内科医師と連携し妊娠管理を行っています。
■耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 急性扁桃炎・急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍 18 6.50 5.50 0.00 40.17
030230xxxxxxxx 慢性扁桃炎 口蓋扁桃手術あり 14 8.21 8.12 0.00 29.21
030390xx99xxxx 顔面神経麻痺 14 8.36 9.60 0.00 56.00
100130xx97x0xx 甲状腺良性腫瘍 手術あり 13 8.15 8.00 0.00 55.46
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 内視鏡下鼻・副鼻腔手術あり 12 5.75 7.47 0.00 59.42
耳鼻咽喉科では、急性扁桃炎や急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍に対して抗菌薬投与等の治療を行う患者さんが多くなっています。
次いで、急性扁桃炎の繰り返しが原因となる慢性扁桃炎に対して口蓋扁桃手術を行う患者さん、顔面神経麻痺でステロイド投与を行う患者さん、甲状腺の良性腫瘍に対して甲状腺の部分切除や腫瘍の摘出術を行う患者さん、慢性副鼻腔炎に対して内視鏡的治療を行う患者さんが多くなっています。
■皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 蜂窩織炎・丹毒 28 9.82 11.97 0.00 66.75
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 10 6.90 8.96 0.00 73.30
080100xxxx0xxx 薬疹 - - 11.28 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症・紅皮症 - - 10.37 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 - - 30.11 - -
皮膚科では、皮膚の細菌感染症である蜂窩織炎や丹毒の治療を行う患者さんが最多で、次に帯状疱疹の患者さんが多くなっています。
その他DPCコードは患者数が10未満であるため「ー」と表示していますが、薬疹や紅皮症、水疱症、熱傷等の診療も行っています。
■小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎 10 4.80 5.79 0.00 4.70
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 - - 5.50 - -
030240xx99xxxx 急性扁桃炎 - - 5.50 - -
040090xxxxxx0x 急性気管支炎・急性細気管支炎 - - 6.02 - -
100380xxxxxxxx 脱水症 - - 9.33 - -
小児科では、肺炎、ウイルス性腸炎等、主として感染症の治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 37 - - - - - 1 7
大腸癌 36 21 28 12 - - 1 7
乳癌 - - - - - - - -
肺癌 - - 10 78 62 - 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【解説】
★同じ患者さんが集計期間中に何度か入退院を繰り返した場合も全て上記人数に含まれています。
★Stage(ステージ)不明とは、TNM分類が当該入院中に評価できずステージが不明な場合を示しています。
★上記分類は「治療前に得られた情報に基づく分類」であるため「治療後の分類」と異なる場合があります。
★患者数が10未満の場合は「ー」と表示しています。

○胃癌
合計患者数は61人で、そのうち37人が早期胃癌にあたるステージTの患者さんであるため外科や消化器内科で内視鏡的治療を行う場合が多くなっています。

○大腸癌
合計患者数は136人で、それぞれのステージや患者さんの状態にあった治療を行っています。
大腸癌は、当院で手術を行った患者さんをかかりつけ医と共同で5年間経過観察する「大腸がん地域連携クリティカルパス」を運用し地域連携を図っています。

○肺癌
合計患者数は160人で、他の臓器へ転移を認めるステージWの患者さんが最も多くなっていますが、進行癌のため同じ患者さんが繰り返し化学療法目的に入院されることで患者数が多くなっています。
不明については、肺癌の疑いに対する気管支鏡検査目的の患者さんが多く入院中に検査結果が得られないためであり、退院後、最終的には確定診断が得られています。

○肝癌
各ステージの患者さんが10未満のため全て「ー」での表記となっていますが、合計患者数は19人で肝動脈化学塞栓療法やラジオ波熱凝固療法を行っています。

【定義】
5大癌について、初発患者さんはUICC(=国際対がん連合)のT(=原発巣の大きさと進展度)N(=所属リンパ節への転移状況)M(=遠隔転移の有無)から示される病期分類による患者数を、再発患者さんは患者数のみを集計しました。
※Stageが「0」のものは集計対象外としています。
※患者数は、同一患者さんが入退院を繰り返した場合は入院回数分をかけた延患者での集計であり、実患者数とは異なります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 8.35 55.30
中等症 103 16.18 75.71
重症 25 16.88 79.52
超重症 51 18.71 79.88
不明 - - -
【解説】
患者数が最も多いのは中等症(重症度1,2)で、全体の約半数を占めています。
年齢が重症度分類の評価項目の1つであるため、平均年齢が上がるにつれ重症度も増し平均在院日数も長くなっています。

【定義】
成人(20歳以上)の市中肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しました。
重症度は、市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROP)により分類しています。
※ウイルス性肺炎や誤嚥性肺炎は除外としています。
※入院後に発症した肺炎や一般病棟外からの転入、他院からの転院は除外としています。

★市中肺炎とは・・・病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎をいいます。
★A-DROPとは・・・「市中肺炎ガイドライン」による重症度分類で、以下の5項目を評価して分類します。
             A(=Age 年齢/男性70歳以上 女性75歳以上)
             D(=Dehydration 脱水/BUN21mg/dl以上または脱水あり)
             R(=Respiration 呼吸/SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下))
             O(=Orientation 見当識/意識障害(肺炎由来)あり)
             P(=B.Pressure 血圧/血圧(収縮期)90mmHg以下)
★重症度分類とは・・・A-DROPの該当項目数により分類します。ただし、意識障害(ショック)であれば1点でも超重症とします。
             軽症:0点
             中等症:1〜2点
             重症:3点
             超重症:4〜5点、意識障害(ショック)がある場合
             
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 - 41 20.59 76.46 43.90
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
【解説】
脳梗塞で入院される患者さんのうち、ほとんどが発症日から3日以内の急性期脳梗塞の患者さんで、病型による分類では、動脈硬化によるアテローム血栓性脳梗塞の患者さんが多くなっています。
エダラボン注による脳保護療法等の急性期治療を行うとともに、早期からリハビリテーションを行い後遺症や合併症予防に努めています。
また、転院率が高い理由は「千葉県共用脳卒中地域連携パス」の運用により、当院での急性期治療が終了後、近隣の回復期リハビリテーション病院へ転院となっているためです。

【定義】
脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。
発症日から「3日以内」「その他」と分けることで「その他」の患者数が10未満となるため、分けずに合計値を記載しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
■循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 54 1.80 3.04 0.00 70.33
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 23 0.04 22.35 4.35 61.43
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 21 0.52 12.48 0.00 69.33
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 18 2.67 9.11 0.00 79.28
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 10 1.30 13.90 0.00 75.10
循環器内科では、心臓カテーテル治療である冠動脈形成術(PCI)のうち、上位3位がステント留置を行う症例となっています。
狭心症や急性心筋梗塞等の虚血性心疾患に対して、血管の狭くなった部分にバルーン(風船)を挿入しふくらませ拡張させた後、金属ステントを留置することで再狭窄が軽減されます。
次いで多いのが、不整脈の患者さんに対するペースメーカー治療、閉塞性動脈硬化症の下肢静脈に対する手術となっています。
■消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2センチメートル未満) 117 0.05 2.11 0.00 66.38
K654 内視鏡的消化管止血術 34 0.85 12.26 8.82 67.97
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2センチメートル以上) 28 0.82 2.39 3.57 64.50
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 22 4.73 8.50 4.55 69.59
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 18 8.39 13.50 11.11 79.06
消化器内科では、大腸ポリープや大腸の早期癌に対して、内視鏡による粘膜切除を行う患者さんが最も多くなっています。
次いで、内視鏡的消化管止血術を行う患者さんが多く、胃潰瘍や十二指腸潰瘍等の消化管出血に対応しています。
内視鏡的乳頭切開術と内視鏡的胆道ステント留置術は、胆道・膵臓の病気に対する手術であり、内視鏡的乳頭切開術は、内視鏡下に十二指腸乳頭部を切り開き総胆管結石を除去するもので、内視鏡的胆道ステント留置術は、ステントを胆管の狭くなった部分に留置し、胆汁の流れを良くするものになります。
■整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨・上腕・大腿) 111 1.66 13.49 44.14 66.69
K0821 人工関節置換術(肩・股・膝) 102 3.00 19.36 2.94 69.91
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿・主舟状骨) 61 1.80 10.20 9.84 54.51
K0811 人工骨頭挿入術(肩・股) 48 3.31 18.17 75.00 82.88
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕・下腿) 46 0.04 1.39 0.00 41.04
整形外科では、上腕や大腿の骨折に対する観血的手術が最も多く約7割が大腿骨となっています。
この手術と、患者数が4番目に多い人工骨頭挿入術は転院率が高くなっていますが、「大腿骨頚部骨折地域連携パス」を運用している大腿骨の患者さんが多いためです。
2番目に多い手術が変形性関節症等に対する人工関節置換術で、部位では股と膝が多くなっています。
次いで、前腕や下腿の骨折に対する観血的手術、高齢者の大腿骨頚部骨折へ行うことが多い人工骨頭挿入術、骨折の観血的手術時に固定で使用した材料の除去を行う骨内異物除去術が多くなっています。
■外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2センチメートル未満) 122 0.00 2.06 0.00 65.22
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 118 1.15 3.17 0.00 66.63
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 97 1.00 5.31 0.00 59.21
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 26 2.08 12.38 0.00 67.04
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 20 0.00 4.90 0.00 68.45
外科では、大腸ポリープや大腸の早期癌に対して、内視鏡による粘膜切除を行う患者さんが最も多くなっています。
次いで、鼡径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術、胆石性胆のう炎や胆のうポリープ等に対する腹腔鏡下手術、結腸癌に対する腹腔鏡下手術が多くなっており、積極的に腹腔鏡下手術を行っています。
また、通常の腹腔鏡下手術はお腹に数カ所の孔(穴)を開けて行う手術法ですが、より患者さんの体への負担を軽くする、孔(穴)を1つだけ開けて行う単孔式腹腔鏡下手術も行っています。
早期悪性腫瘍大腸粘膜下剥離術は大腸癌に対して行う手術であり、内視鏡的粘膜切除術より広い範囲を1度に切除できる手術になります。
■泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザーを用いるもの) 107 1.10 5.82 0.00 70.32
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 103 0.17 1.15 0.00 58.95
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 65 1.31 6.25 0.00 72.43
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 59 1.44 3.64 1.69 62.39
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 22 1.05 6.36 9.09 65.86
泌尿器科では、前立腺肥大症に対する低侵襲なレーザー治療である、ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を行う患者さんが最多となっています。
次いで、腎結石や尿管結石に対する体外衝撃波腎・尿管結石破砕術を行う患者さんが多く、低侵襲治療であり1泊2日での入院が多いため、他症例より日数が短くなっています。
同じく腎結石や尿管結石に対する手術である経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)は4番目に患者数が多く、結石の位置や大きさ等によって治療法を選択しています。
膀胱癌に対する手術も多く、また、尿路を確保するための尿管ステント留置術も行っています。
■産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 70 1.81 7.10 0.00 45.57
K867 子宮頸部(腟部)切除術 63 0.00 0.16 0.00 37.70
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの) 43 2.91 7.51 0.00 50.65
K9091 流産手術(妊娠11週までの場合) 15 0.00 0.07 0.00 34.73
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 13 1.08 4.77 0.00 44.08
産婦人科では子宮全摘術が最も多く、約8割が子宮筋腫の患者さんに対して行っており、その他に子宮腺筋症、子宮頚部異形成や子宮頚部上皮内癌に対応しています。
次いで多いのが子宮頸部(腟部)切除術で、子宮頚癌の前癌病変である子宮頚部異形成に対して検査や治療目的に行うことが多くなっています。
この子宮頸部(腟部)切除術は、日帰り入院や1泊2日での入院で行うため日数が短くなっています。
次に開腹による子宮附属器腫瘍摘出術が多く、良性腫瘍である卵巣のう腫や、良性と悪性の中間の性質をもつ卵巣境界悪性腫瘍、卵巣子宮内膜症のう胞に対して行っています。
この病院指標は、医療保険のみを使用した患者さんが集計対象となっているため、自費の請求が発生する産科領域が指標にほとんど反映されていませんが、前回帝王切開等に対する予定帝王切開術や緊急帝王切開術も多く扱っています。
■耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 19 1.00 6.16 0.00 26.58
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 16 1.00 6.13 0.00 56.25
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 - - - - -
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) - - - - -
耳鼻咽喉科では、急性扁桃炎を繰り返す習慣性扁桃炎や慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃の摘出術が多くなっています。
次いで多いのが、甲状腺の片葉のみにできた良性腫瘍等に対する手術となっています。
その他の手術は患者数が10未満であるため「ー」と表示していますが、慢性副鼻腔炎や扁桃周囲膿瘍、甲状腺乳頭癌に対する手術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 17 0.27
異なる 51 0.80
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 29 0.46
異なる - -
【解説】
敗血症は、感染症を起こしているところから血液中に菌が入り込むことで重篤な全身症状を引き起こす病態であるため、入院契機と異なる51症例のうちほとんどが肺炎や尿路感染等の感染を主訴に入院された患者さんとなっています。
また、基礎疾患に癌や膠原病等があることで感染を起こしやすく敗血症に至った患者さんも多くなっています。
手術・処置等の合併症については、入院契機と同一、つまり、この傷病名を主訴に入院される患者さんが29件となっています。
病名の内訳としては、人工関節のゆるみや脱臼が多く、人工関節再置換術等を行っています。
その他は処置や手術後の出血、手術後の感染を主訴に入院される患者さんで、それぞれに応じた治療を行っています。

【定義】
医療資源を最も投入した傷病名が、播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の患者数を入院契機病名(入院のきっかけとなった病名)と同一、または異なるものと分けて集計しました。
更新履歴
2017/10/1
平成28年度の病院指標を公開しました。