千葉市公共施設等総合管理計画
千葉市公共施設等総合管理計画(令和5年3月改訂)
第1章公共施設等総合管理計画とは
趣旨
- 公共施設を取り巻く現状と課題を総合的に踏まえ、中長期的な視点から、「千葉市資産経営基本方針」に基づく資産マネジメントの取組みや、資産保有の最適化への取組みを推進し、将来にわたり市民サービスを安定的かつ継続的に提供することを目的に、公共施設等の総合的な管理のあり方について定める本計画を策定します。
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位置づけ
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計画期間
- 令和2年度から令和11年度までの10年間
- ただし、施設に対するニーズの変化や今後の社会経済情勢を注視するとともに、個別施設計画の策定状況や、各施設の取り組み状況等を踏まえ、3年を目途に、計画の検証、見直しを行うこととします。
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対象施設
本市が保有するすべての公共施設等(「公共建築物」・「インフラ施設」(土地含む))
公共建築物
インフラ施設
- 主に社会基盤を形成する施設とし、道路施設、モノレール施設、河川施設、砂防施設、公園施設、農業集落排水施設、上水道施設、下水道施設、その他及び軽微な施設等になります。
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第2章公共施設等を取り巻く現状及び課題
長期的な視点から、本市及び公共施設等を取り巻く現状と課題及び将来にわたる見通し・課題を示します。
現状
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課題
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人口減少・少子高齢化の進展
市の総人口は10年以内に減少に向かう見通しであり、公共施設等に対するニーズの減少が見込まれます。また、少子高齢化に伴い、公共施設等に対するニーズの規模や内容の変化が見込まれます。
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施設利用の効率性を高めていくことや、ニーズそのものの減少に伴い余剰となる公共施設等を処分することなどについてスピード感をもって検討する必要があります。 |
公共施設の配置のあり方
社会構造の大きな転換期を迎え、これまで形成された拡散的市街地のままでは暮らしやすさや市民サービスの低下につながる懸念があります。 |
市民の安全・安心で快適な暮らしと効率的な都市運営を両立する、持続可能なまちの実現のため、都市計画等に配慮しながら、戦略的に公共施設等の配置を検討していくことが必要になります。 |
公共施設等の老朽化
今後、大量の公共施設等が更新時期を迎えます。 |
今後さらに老朽化の進行が予測されることから、施設の安全性や機能を適切に確保するため、計画的な維持管理や、施設の長寿命化などの老朽化対策に取り組むことが必要になります。
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公共建築物の適正配置の検討
施策上の目的は異なるものの、機能やサービス内容が類似している施設が数多くあります。 |
市民ニーズを把握・精査し、財政状況のバランスなどにも配慮しながら、機能の類似した施設がそれぞれ独立して施設を整備・運営することの必要性を検証し、必要に応じて類似機能の統合を進めるなど、効果的・効率的な施設の整備・運営や利用に向けて、ソフト・ハード両面から適切に対応していく必要があります。
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インフラ施設の適正管理の体制構築
法令等に基づき施設台帳を整備・保管していますが、施設によっては建設年度が古い等の理由から、施設情報が不足しているものもあります。 |
今後は、ICT等の活用などにより、情報の収集及び蓄積を行うことが必要になります。これらの蓄積した情報などを活用し、施設の的確な補修等を行うため、研修の実施など職員を育成する取り組みも必要です。
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厳しい財政見通し
財政健全化に向けた取り組みを強化していますが、まだまだ厳しい財政状況であることには変わりありません。 |
厳しい財政見通しに基づき、将来にわたり持続可能な財政構造の確立を目指すために、公共施設等の総量や事業コストの削減などに取り組むことが必要になります。また、インフラ施設については、現時点では面的に縮減していくことは当面難しいと考えられることから、施設の長寿命化などによりコストの縮減や予算の平準化を図るなどの取り組みが必要です。
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公共施設等の維持管理・更新等に係る経費の増大
公共施設等の老朽化に伴う維持管理・更新等に係る経費の急速な増大などにより、財源が大幅に不足する見込みです。 |
財政平準化を図りつつ市民の安全・安心な生活を確保し、必要なサービスを将来にわたって持続的に提供していくため、スピード感ある取り組みが必要です。
また、今後30年間における公共施設等の維持管理・更新等に係る経費について、経費ギャップ(必要額に対する投資額の差)の均衡を図る必要があります。 |
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第3章計画目標
「第2章公共施設等を取り巻く現状及び課題」を踏まえ、計画目標を設定します。
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今後10年間における公共施設等の維持管理・更新等に係る経費について、経費ギャップ比(必要額に対する投資額の比)を約1.0倍~1.1倍に改善できるよう、必要な対策に着実に取り組みます。
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第4章公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考え方
総人口の減少等に伴う社会情勢の変化や厳しい財政見通しなどを踏まえ、中長期的かつ総合的な視点に立ち、公共施設等を計画的に維持管理するとともに、将来にわたり、市民に理解の得られるサービス水準を確保していくため、公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考え方を定めます。
公共建築物の主な取り組み
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資産経営の推進により、今後10年間で約18万平方メートル(約7%)の所有床面積縮減に取り組みます。
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千葉市資産経営システムに基づく、資産経営の最適化の取り組みを進めます
- 資産データ一元化
- 資産の総合評価
- 資産の総合評価結果に基づく利用調整や計画的保全の取り組み
見直しの基本方針(見直し3方針)に基づく取り組みを進めます
- 施設利用の効率性向上
- 施設の再配置
- 施設総量の縮減
個別施設計画に基づく対策を着実に進めます
参考指標
対象 |
現在 |
10年後の目安 |
学校
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約120.5万平方メートル
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約115.2万平方メートル
(▲9校、▲約5.3万平方メートル)
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市営住宅
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約39.1万平方メートル
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約35.5万平方メートル
(▲約1,000戸、▲約3.6万平方メートル)
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その他
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約96.4万平方メートル
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約87.3万平方メートル
(▲約9.1万平方メートル)
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※学校は、学校適正配置の取組みの推進に伴う施設総量の縮減及び建替え時に施設規模を縮減することを想定した場合。
※市営住宅は、将来の人口・世帯数の減少を見据え、計画的に管理戸数を縮減することを想定した場合。
※その他は、資産の総合評価の結果、「見直し」となった施設総量の縮減及び「継続利用(当面継続)」となった施設を耐用年数を一つの目安に建替えした際に、複合化等により延床面積を20%縮減することを想定した場合。「すでに耐用年数を超過している主な施設」及び「今後10年間に耐用年数を迎える主な施設」については、資料編に記載。
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インフラ施設の主な取り組み
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メンテナンスサイクルの構築など、適切な維持管理に基づく取り組みを推進します。
また、施設の長寿命化を図るとともに、維持管理コストの縮減や、ライフサイクルコストを考慮し、コストの平準化に取り組みます。
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- 各施設の状態を的確に把握する取り組みを進めます
- 適切な点検・診断を実施し、必要かつ的確な補修などの対策を実施します
- 各施設の特性に合わせて予防保全型や事後保全型等の手法を選択することで、維持管理・更新等にかかる経費の縮減を図るとともに、コストを平準化します
- 個別施設計画の策定を進めるとともに、それに基づく対策を着実に進めます
参考指標
対象 |
指標 |
10年後の目安 |
インフラ施設全体
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維持管理・更新経費
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原則、現投資額以下にできるよう対策に取り組む
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歳出削減と歳入確保の取り組み
財産の有効活用
- 広告料収入・ネーミングライツ
- 余剰床の貸付等
- 駐車場の適正利用
- 未利用地等の有効活用
公共施設等マネジメントの推進
- PPP/PFIの導入
- ユニバーサルデザイン
- 防災・安全
- 広域連携の検討
- 脱炭素化の推進方針
財政運営方針を踏まえて
- 今後はこれまでの財政健全化の取組みにより改善した各種財政指標の水準を維持しつつ、必要な投資もバランスを取りながら着実に推進し、将来にわたって持続可能な財政構造を確立していく必要があります。
- 公共施設マネジメントの推進については、財政運営方針にも特に取り組むべき事項として掲げていますが、これを踏まえつつ、交付税措置の高い市債を積極的に活用するなど、有効な制度や財源を可能な限り活用しながら、公共施設等の適正配置・老朽化対策等に取り組みます。
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計画期間における公共施設等の維持管理・更新等に係る経費の見込み
すべての公共施設等(公共建築物・インフラ施設)を対象に、計画期間にあたる令和2年度からの10年間における公共施設等の維持管理・修繕、改修、更新等にかかる経費の見込みについて、試算を行いました。なお、試算条件は資料編に記載のとおりです。
耐用年数経過時に単純更新した(自然体の)見込み(10年間)
- すべての公共施設等を保有し続け、耐用年数経過時に単純更新すると仮定した(自然体の)場合、令和2年度からの10年間における公共施設等の維持管理・更新等に必要な経費は1年あたり約970億円となる見通しです。
- これに対し、現投資額(過去5年間の投資実績額の平均)を将来にわたって維持できると仮定した場合、1年あたり約595億円の額(投資額)が見込めますが、1年あたり約375億円の経費ギャップ(不足額)が生じます。
長寿命化等の対策を踏まえた(対策後の)見込み(10年間)
- 第4章「公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考え方」に定めた長寿命化等の対策を踏まえた(対策後の)場合、自然体の場合と比較して1年あたり約250億円の縮減(効果額)が見込めます。
- しかし、現投資額(過去5年間の投資実績額の平均)を将来にわたって維持できると仮定した場合に対し、1年あたり約125億円の経費ギャップ(不足額)が生じる見込みです。
- そのため、対策費用のさらなる縮減を検討しつつ、必要な対策を先送りせずに着実に取り組むとともに、財政健全化路線を維持できる範囲内で公共施設等の維持管理・更新等にかかる対策費用を上増しすることで、経費ギャップ比を約1.0倍~1.1倍に改善します。
中長期的な目標と30年間の公共施設等の維持管理・更新等に係る経費の見込み
中長期的な目標
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今後30年間における公共施設等の維持管理・更新等に係る経費について、経費ギャップ比(必要額に対する投資額の比)を約1.0倍にすることを目指します。
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30年間の公共施設等の維持管理・更新等に係る経費の見込み
すべての公共施設等(公共建築物・インフラ施設)を対象に、令和2年度からの30年間における公共施設等の維持管理・修繕、改修、更新等にかかる経費の見込みについて、試算を行いました。なお、試算条件は資料編に記載のとおりです。
耐用年数経過時に単純更新した(自然体の)見込み(30年間)
- すべての公共施設等を保有し続け、耐用年数経過時に単純更新すると仮定した(自然体の)場合、令和2年度からの30年間における公共施設等の維持管理・更新等に必要な経費は1年あたり約950億円となる見通しです。
- これに対し、投資額(過去5年間の投資実績額の平均)を将来にわたって維持できると仮定した場合、1年あたり約595億円の額(投資額)が見込めますが、1年あたり約355億円の経費ギャップ(不足額)が生じます。
長寿命化等の対策を踏まえた(対策後の)見込み(30年間)
- 第4章「公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な考え方」に定めた長寿命化等の対策を30年間継続して実施した場合、1年あたり約630億円となる見通しで、自然体の場合と比較して1年あたり約320億円の縮減(効果額)が見込めます。
- しかし、現投資額(過去5年間の投資実績額の平均)を将来にわたって維持できると仮定した場合に対し、1年あたり約35億円の経費ギャップ(不足額)が生じます。
- 今後30年間では、前期10年間(令和2年度から令和11年度まで)から、徐々に必要額が減少する見通しとなっています。
- 長寿命化等の対策を総合的かつ計画的に行うことで、将来的な維持管理・更新等にかかる経費を縮減することができるため、本計画期間に定めた対策を先送りせずに、着実に取り組むことが必要です。
【1年あたりの平均必要額の経年推移(10年ごと)】
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第5章取り組みの推進にあたって
計画の推進体制
- 本計画に基づく取り組みを推進するため、施設の有効利用の検討や取組みの進捗管理を行う組織として、「資産経営推進本部」を設置します。各局等によるマネジメントを発揮しながら、庁内横断的に連携・協力を図ります。
- 必要に応じて国や県などの関係機関とも連携し、取り組みを進めます。
- 千葉市資産経営推進委員会(附属機関)からの意見聴取を、適宜行います。
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市民、議会への理解促進
- 本計画に基づく取り組みについては、市民や議会の理解が必要です。
- このため、厳しい財政見通しなどの認識を共有しながら、公共建築物の再配置など、まちづくりに取り組めるよう、情報提供に努めます。
- 特に、施設の移転や廃止については、施設利用者や地元住民の方の理解が必要であることから、適宜、説明・発信や意見聴取を行います。
- 必要に応じて市民参加等の機会を設けるなど、市民と市(行政)が一体となった取り組みを進めます。
- これらの対応とあわせ、議会への適切な段階における説明を行います。
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- 国において示される施設ごとのインフラ長寿命化計画(行動計画)などの状況を踏まえ、本計画で定めた管理に関する基本的な考え方や取り組みの方向性に基づき、令和2年度を目途に、施設ごとの個別施設計画を策定します。なお、本計画と個別施設計画との整合を図ります。
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計画の進行管理(PDCAサイクル)
- 本計画の実効性を確保するため、PDCAサイクルを活用し、継続的な取り組みを行います。
- 施設に対するニーズの変化や今後の社会経済情勢を注視するとともに、個別施設計画の策定状況や、各施設の取り組み状況等を踏まえ、3年を目途に計画の検証、見直しを行います。
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資料編
資産経営に関するこれまでの主な取り組み(平成23年度以降)
平成23年度 |
- 財政局資産経営部を新設
- 「千葉市資産経営基本方針」を策定
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平成24年度 |
- 資産経営会議の設置(平成25年度末廃止。その後は、庁議・政策会議を活用。)
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平成25年度 |
- 「千葉市資産経営システム」の構築・運用開始
- 千葉市資産経営推進委員会(附属機関)の設置
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平成26年度 |
- 「千葉市計画的保全の手引き」を策定
- 「千葉市公共施設見直し方針」を策定
- 資産の総合評価結果に基づく利用調整を開始
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平成27年度 |
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平成28年度 |
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平成30年度 |
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令和元年度 |
- 「千葉市資産経営基本方針」及び「千葉市公共施設等総合管理計画」を改訂
※計画体系を整理し、「千葉市資産経営基本方針」の一部及び「千葉市公共施設見直し方針」並びに「千葉市公共施設再配置推進指針」を本計画に一本化(統合)し、「千葉市公共施設見直し方針」及び「千葉市公共施設再配置推進指針」は廃止する。
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令和4年度 |
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これまでの取組事例
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公共建築物の内訳
平成31年4月1日現在
令和4年4月1日現在
※それぞれの時点で、資料編に記載しています。
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インフラ施設の内訳
平成31年4月1日現在
令和4年4月1日現在
※それぞれの時点で資料編に記載しています。
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公共施設等の維持管理・更新等に係る中長期的な経費の見込み
公共建築物
1年あたりの公共建築物の平均必要額の経年推移(自然体の見込み:10年ごと)
1年あたりの公共建築物の平均必要額の経年推移(10年ごと)
インフラ施設
1年あたりのインフラ施設の平均必要額の経年推移(自然体の見込み:10年ごと)
1年あたりのインフラ施設の平均必要額の経年推移(10年ごと)
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資産の総合評価結果一覧
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公共建築物の再配置検討の対象とする施設関連
- 耐用年数表
- すでに耐用年数を超過している主な施設
- 今後10年間に耐用年数を迎える主な施設
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市民とともにつくる再配置計画
- 市民利用施設の再配置にあたっては、対象施設の内容や利用状況に応じて、意見交換会、説明会、ワークショップ、市民意見募集、アンケート調査など、広く意見の募集に努めます。
- 市民のニーズやそれぞれの時代に求める行政サービスを的確に把握し、反映できるよう努めます。
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今後も、本計画に基づく、総合的かつ計画的な取り組みの推進により、安全で快適な市民生活に資するとともに、本市の持続的なまちづくりを目指します。
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初版(平成27年5月)・過去の改定の履歴
千葉市公共施設等総合管理計画(平成27年5月)(PDF:2,332KB)(別ウインドウ
千葉市公共施設等総合管理計画(令和2年3月)(PDF:10,480KB)
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