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〒261-0012 千葉市美浜区磯辺3-31-1Tel. 043-277-7711(代表)

診療科のご案内

肛門疾患 / 虫垂炎

診療内容

肛門疾患

人間には元々肛門にクッション組織が生まれつき存在していて、それが腫脹したり、脱出したり、血栓になったりして症状をきたすことを痔核といいます。このクッションは肛門をしめてガスを漏らさないことにも役立っています。

痔核に対しては肛門上皮を過不足なく温存した結紮切除半閉鎖術式を基本とし、硬化療法であるALTA療法(ジオン注)(単独療法、併用療法など)も症例に応じ選択しています。ただし外痔核に対してはALTA療法の適応は有りません。

麻酔は腰椎麻酔が基本ですがワ―ファリン、バイアスピリン等の抗凝固薬を内服中の患者さんに対しては局所麻酔で手術(主にALTA療法)を行っています。裂肛は固い便でこすられたり下痢をすることで肛門が切れたりさけたりした状態です。

排便のために起こる痛みのために排便を我慢することによって慢性化、悪化していきます。

このような状態に対してはLSIS(内括約筋側方皮下切開術)という狭くなった内括約筋の一部を切開することで肛門を広げる方法、SSG(肛門の外側の皮膚を肛門内に移動させて肛門を広げる方法)といった術式を行っています。痔瘻(じろう)は便にある細菌によって肛門が化膿して膿の管ができてしまう状態であり、このような状態に対しては上皮温存術式、括約筋温存術式など肛門に対する低侵襲かつ肛門機能を温存した術式を行っています。症例によってはシートン法も施行しています。

また複雑なもの、高位の痔瘻に対してはMRI検査を施行してその広がりを診断しています。

直腸脱は高齢の女性に多く、直腸の固定や括約筋、骨盤底の筋肉が弱いこと等によって直腸が肛門の外に脱出する状態で便失禁や粘液、出血等の不快な症状があります。

このような状態にたいしては経肛門的な手術(デローム法、ガント-三輪法、ティルシュ法)また最近では腹腔鏡下直腸固定術(直腸が脱出しないように仙骨に固定する方法)を行っています。

直腸・肛門外来を毎週火曜日の午後に開いています。

虫垂炎

当科では虫垂炎に対し、ほぼ全例腹腔鏡下虫垂切除術を行うようにしております。なお、炎症が強い場合には開腹術となる場合があります。虫垂の炎症の程度によりますが、術後入院期間は最短で3日間です。腹腔鏡下虫垂切除術とは、腹部に5~12mmの穴を1~3ヶ所開け、カメラを挿入してテレビモニターを見ながら手術を行う術式です。利点および欠点は以下の通りです。

【利点】

  • 傷が小さい(最低3ヶ所に穴を開けます)。また最近では炎症の軽度な症例には単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を行っています。
  • 皮膚を長く切る開腹手術と比較して術後回復が早い。特に重症虫垂炎症例ほど差が明らかになります。
  • 開腹手術と比較して、術後の痛みが軽い。
  • 開腹手術と比較して、傷の感染率が低い。
  • 開腹手術と比較して、術後癒着性腸閉塞の可能性が低い。
  • 開腹手術と比較して、腹壁瘢痕ヘルニア(創部の脱腸)の可能性が低い。

【欠点】

  • 開腹術と比較して、若干手術時間が長くなる。
  • 全身麻酔が必要。