更新日:2020年7月2日

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平成26年度心の輪を広げる体験作文 小学生部門優秀賞2.受賞作品

心の輪を広げる体験作文

小学生部門 優秀作品

「ありがとう」


大野 楓
(千葉市立花見川第二小学校 6学年)

「一人で遊園地に行けないから、一緒に連れて行ってくれない?」
母のいとこは障害があって車イスの生活をしている。よく家には遊びに行っていたけど、一緒に外出するのは初めて。返事はもちろん
「一緒に行こうよ。ね、お母さん。大丈夫だよね?」
と元気いっぱいに答えた。母も
「みんなで協力して、楽しもうね。」
と、私に協力できるかを確認して、もう一人の親せきのお姉さんと、四才になった妹と、五人で遊園地に行く事になった。車イスの人と行く遊園地。楽しみでもあったけど、いつもと違って何だか少しドキドキした気持ちで行った。

まずは車の乗り降り。私には平気な車の高さも、手すりの位置も、イスの場所も、声をかけながら、ひとつひとつに動作を確認して乗り降りをした。母が言っていた協力とは、こういう事なのだと思った。

遊園地についてまず確認したのが、アトラクション。車イスでも乗れるのか?入る事ができるのか?乗り物にも制限がある事なんて、自分の時には考えもしなかった。次にトイレの場所の確認。案内をよく見ると車イスのマークが入っていた。これも今までに気にした事なんてなかった。

車イスと一緒に歩いていると、歩く道にも歩き方にも、気をつけて行こうと思えるようになった。それはたくさんの人が歩く中を、車イスが通るのは大変だと感じたからだ。少しでも広い道、そしてゆっくりのペースで、段差はないかな?と私も協力。すると、妹も自然にペースを合わせてくれるようになった。

アトラクションでは、時間の指定を作ってもらったり、みんなが並ぶ列とは別で、違う通路を通ったり、うら口からエレベーターを使ったり、障害者の人たちに対応できるようさまざまな工夫がされている事におどろいた。周りを見ながら、常に声をかけて案内をしてくれる遊園地のスタッフもすごいと思った。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りに
「今日は、来る事が出来てうれしかったよ。楽しかった。ありがとう。」
と車イスからニッコリ笑って言ってくれて、お礼を言うのは私の方だと思った。なぜなら、今までの自分の考えや見方が、一緒に行った事で変わったからだ。

出来て当たり前が、当たり前ではない事。相手のペースに合わせる事や、協力する事の大切さ。遊園地の工夫やサービスを知る事ができた事。本当にたくさんの発見だ。
「いつもより、ずっと楽しかったよ。ありがとう。また一緒に行こうね。」
と笑顔で言葉を返した。ありがとうの言葉が今までより、気持ちのこもった言葉となり、自分にとって素敵な一日となった。

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