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更新日:2020年7月2日
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心の輪を広げる体験作文
中学生部門 最優秀作品
「弟の人生」
瀧澤 あすみ
(千葉大学教育学部附属中学校 1学年)
私には四つ年下の弟が一人います。弟は、小学二年生の学校の検診で難聴であることがわかりました。原因は不明で、今後悪くなることはあっても良くなることはないそうです。日本には聴覚障害者が約三十六万人もいるそうです。そして私の弟はそのうちの一人なのです。ですが、それだけたくさんの聴覚障害者がいても、弟が補聴器をつけて街を歩けば、人からの視線を感じることが度々あります。
弟は、これまで、自分が難聴であるということで、たくさんの不便な思いや、いやな思いをしてきたと思うのですが、弟は自分の気持ちを表にださず、家族や友達の前でそのことに対する不満を口にしたことはただの一度もなく、いつもニコニコと笑っています。きっと、心の中では弟なりにとても悲しんでいる部分があるはずなのです。
弟はこれから先も耳が聞こえにくいことで色々な困難があると思います。でも、そんな強い弟だからこそ、前向きに精一杯乗りこえていって欲しいです。
私は弟の障害のことを思うと心が痛みますが、そんな弟がいてくれたおかげで、弟も私も相手の気持ちを考えることが、どれだけ重要なことかを学ぶことができました。
ある日、私の母がおそるおそる弟に聞いてみたそうです。「もし耳が聞こえなくなっちゃったらこわい?」と。すると、弟は「僕は耳が聞こえなくなっても、目と心があるから相手の目と表情を見れば、感情が分かるの。だから、全然こわくないんだ。」と答えたのです。あの、いつもは幼いはずの弟が、そこまで考えていたことにとても感激しました。
やっぱり少し心が弱いと思って、心配してましたが、その話を母から聞き、安心しました。
私は、これからも弟に障害があるからといって特別な扱いをするつもりはありません。ただ、困っている時にはいつでも助け、悲しんでいる時や悩んでいる時は、一緒に考え、時には一緒に泣き、そして楽しい時や嬉しい時は、一緒に笑ってあげたいと思っています。
お互いに生意気なことを言ったり、けんかをすることもありますが、それでもやはり、弟が大好きです。
たくさんの偶然が重なり、私の弟として生まれてきてくれたことに感謝しています。これからも一緒に色んなことを学び、たくさん遊んで、共に人として成長していきたいです。つまり、弟の人生は私の人生でもあるのです。
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