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更新日:2018年5月17日

千葉市科学都市戦略専門委員から市民の皆様に向けたメッセージ

「科学」という言葉を聞くと、みなさんはどんなことをイメージしますか?科学館や実験教室を思い浮かべる人もいれば、「楽しそう」、「難しそう」といった感想を持つ人もいるでしょう。今回、千葉市科学都市戦略専門委員に就任していただいた皆様から、市民の皆様に向けてメッセージをいただきました。

千葉市科学都市戦略専門委員・・・
平成30年度に千葉市が任命。市民の皆様に向け、最新の科学・技術に関する動向やトピックスを提供するほか、千葉市の科学・技術の取組に対してアドバイスを行います。

科学技術立国を支える
社会福祉法人 敬愛 理事長 伊藤 勝博氏

 ロボコンの起源は、アメリカのMITで学生の想像力、技術力を競うために取り入れられたものだが、今や日本でも、大学や高専の大会として定着している。私はこのロボコンの魅力にはまり、二十数年前から虜になった。その訳は、ボールの投げ方、防御の仕方、ロボットの形、いずれをとっても、実に多彩であり、一つとして同じものがないことである。すなわち、独創性が豊かであること、及び高度な技術を駆使していることである。きっと、彼らは未来の日本の科学技術立国を支えるであろう。ところで、このような科学に対する関心・意欲・態度を彼らに育成したのは誰なのか、如何にして構築したのだろうか。そのヒントになることが、「礼記」の学記編において説かれていると私は思う。それは「道(みちび)きて牽(ひ)かず、強いて抑へず、開きて達せしめず(指導はするが無理に牽引することはせず、強く激励はするが抑圧はせず、道を開いてはやるが最後までは連れては行かない)」である。この二千年前に孔子が説いた啓発主義教育こそ、今日の児童・生徒の自発性と創造性を育む普遍的な在り方ではないか。

「量子」で「生命」を理解する!
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
放射線影響研究部 チームリーダー 今岡 達彦氏

 「量子」「生命」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。私は高校生の頃、ミクロの世界のできごとや宇宙の初めを解き明かす、量子論や宇宙論にあこがれる少年でした。そして、物理学者になりたいと漠然と思いながら、大学に進学しました。ところが、大学に進んでからわき起こったのは、「自分」という存在をどのように物理学で説明できるのだろうか?という新たな問いでした。生命の不思議に魅せられて転身した先が、生命科学の学科でした。この「量子」と「生命」は、かけ離れているようですが、面白いつながりがあります。たとえば「ものを見る」ということは、光のエネルギーが網膜の細胞に起こす量子現象の結果です。放射線に被ばくすると、放射線のエネルギーがDNAと量子現象を起こして、体に影響を与えたり、がん細胞をやっつけたりするのです。目に見えない「量子」から不思議な「生命」へのつながり、今、私たちは研究を進めています。

歩いて・見て・考えてこそが科学の原点
一般財団法人WNI気象文化創造センター 事務局長 三枝 茂氏

 私は極地や高山の地形に興味を持ち、日本の高い山を駆けずり回っていました。そんな経験が高じて北極や南極へ行き、特徴を比較する研究を行いました。極地や高山の地形のでき方には、気温の変化が重要な要素です。天候の変化が及ぼす地形の変化を様々な場所で比較し、答えを考えてきました。地形の変化を研究していくうちに気象のことも学ぶ必要があったため、その経験から千葉市の気象会社ウェザーニューズに勤める機会を得ました。また、南極へ出掛けた経験も有ったため、同社が購入した先代南極観測船のしらせ(現SHIRASEで船橋港に係留しています)の管理運営に携わり現在に至っています。いろんな機会が巡り巡って現在の仕事に情熱を注いていますが、自分が興味を持ったテーマに対して時には広い視野で、時には集中的な視野を持ち、歩いて・見て・考えながら答えを出して行くことこそが科学のことを考えていく上で最低限必要なことではないかと思います。
機会がありましたら皆さんと直接お会いして科学に対する興味の持ち方についてお話できたらと思います。

ナノメートルって、どのくらい小さいの?
国立大学法人千葉大学大学院理学研究院 教授 中山 隆史氏

 1メートルの10兆分の1の長さを1ナノメートルと言います。地球の半径を1メートルとすると、
ちょうど薬の錠剤の1粒の大きさが1ナノメートルです。私は、このとても小さな空間を動く原子
や電子の運動を研究しています。
こうした小さな世界の研究が進むと、将来のスマートフォンの大きさも豆粒より小さくすること
ができると考えられています。もっともそんな小さなスマートフォンでは、画面が見えなかったり、
指では操作ができなくなるので、健康や倫理的な問題がなくなれば、未来のスマートフォンは
頭の中に埋め込まれるのかも知れません。人間にとって良いことなのかどうかは分かりません
が、SF映画で見るような、しゃべらなくても会話のでき、情報の得られる未来にすることもでき
そうです。

進め!あくまで科学を忘れず
公益社団法人日本技術士会千葉県支部 技術士 西田 宏氏

 私が愛知県で高1だった1969年7月に、人類の月着陸が成され、そのTV映像に食い入っていた自分を想起しました。以来半世紀、当時影も形もなかった日本の人工天体/宇宙機は、現在はやぶさ2やみちびきなど30機前後を運用する立派な態勢に様変わりしています。
無論、科学の進歩は礼賛では済まされず、地球温暖化・環境破壊や原発事故、そしてサイバーテロの脅威を現実のものにしました。今日及び将来に生きる人々は、かつて以上に科学技術のもたらす社会や人間への貢献あるいは影響に対し、かじ取りの責任を有していると思います。これは即ち、物事を実証・実験的、体系的に解明しようとする考え方を根付かせることだと。でも…その前に何より原動力となるのは「ワクワク感」です。そう、1月に夕暮れのチバニアン@市原市に足を運び、世界の中の千葉県を体感できたことが契機でしょうか。科学イベントに参加する子供達の好奇心を膨らませ、開花させ、共有する喜びを紡いでいきたく存じます。

科学的根拠?は正しいのか
国立大学法人千葉大学教育学部 教授 野村 純氏

今、医療現場や教育現場など様々な場所で治療や教育活動の有効性などの具体的な数字に基づく「根拠」が求められています。コマーシャルなどでは「科学的に証明されています」と言う形で使われます。この根拠は「科学的根拠」と呼ばれ、基盤となるものが科学です。一方で、科学には色々なルールがあります。これを守らないと「科学」で証明されたことにはなりません。ところが、いろいろな方々とお話をすると、肝心の「科学」についての理解が、まだまだ浸透していないと感じられることがあります。科学には対象があり、方法があります。そして向き、不向きもあります。また、限界があり、「絶対を保障しない」ことも知っておかなければなりません。このことを再確認する上で役立つのが中谷宇吉郎博士の「科学の方法」です。ちょっと古い本ですが、当時の科学万能主義などの「科学」に関する問題が今もそのままであることに愕然とします。ぜひお読みください。

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教育委員会事務局生涯学習部生涯学習振興課

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