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更新日:2021年3月1日

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校長室2

後世への最大遺物

 

本校の会議室に「後世への最大遺物」と揮毫された額が飾ってあります。よく見ると「大賀一郎書」と記されています。また「昭和38年度卒業生寄贈」と説明書きが添えてあります。言うまでもなく、大賀一郎とは大賀ハスの発見(開花)者であり、大賀ハスは現在千葉市の花として市内外の人々に愛されています。調べてみると、「後世への最大遺物」とは内村鑑三の講演会を記録した書籍名で、大賀は内村に薫陶を受けたようです。

この書籍には次のようなことが書いてあります。

〇 人々が後世に残せるものには、金、事業、思想などがある。

〇 人々が後世に残せる最大のものは「勇ましい高尚なる生涯」である。

〇 「勇ましい高尚なる生涯」とは、幾重の困難を乗り越え続けることであり、

その生きざまこそが最も尊く後世に影響を与えるものだ。

今年度は新型コロナウイルスに翻弄された1年になりましたが、その中でも子供たちは三密回避の約束を守りながら、様々なチャレンジをしてくれました。スポーツフェスティバルや6年生を送る会等の学校行事で、また委員会活動やクラブ活動で、規制の中から新しい活動を生み出していきました。そして、その中心として活躍してくれたのが6年生の子供たちです。いかなる時も前向きに、全力で、下級生を思いやり、花園小学校をリードしてくれました。6年生の背中を見て、在校生は憧れの気持ちを抱き、自らの成長を期しました。まさに「後世への最大遺物」をしっかりと残してくれました。中学校進学後も「花園小学校の卒業生である」という誇りを胸に、様々な分野で活躍してほしいと思います。

令和3年3月1日 校長 浅井 好

梅の開花に思う

 

裏門(西門)の前の梅の花が咲き始めました。この梅は校舎北側にあるため開花が遅く、昨年も「他の場所の梅は開花しているのにうちの学校の梅はまだかなあ」と首を長くして待ったことを思い出します。まだ朝夕の冷え込みが厳しく、春とも冬とも峻別できない2月初旬に、馥郁たる香りとともに春の訪れを高らかに宣言する梅の開花。学校がどんな状況であっても、私自身が春の訪れを導き、宣言できる存在になりたいと校長になったときに思いました。それを実行できているか否かは分かりませんが、毎年梅の花を眺めながら、初心を思い出しています。

さて、2月19日は6年生を送る会(以下「送る会」)です。今年の送る会は、緊急事態宣言を受けて歌うことや一斉に発声すること、密集・密着する動きはできなくなりました。それでも各学年は、合奏やダンス、ハンドダンスやボディーパーカッションなど、趣向を凝らした出し物で卒業を祝い感謝する気持ちや、それに答える気持ちを表現しようと懸命に練習に取り組んでいます。一人一人の子供が「今までありがとう」「これからも頑張ってね」と言葉を交わすことは無くとも、その気持ちを伝え合うに十分なパフォーマンスであると思います。

例年本校の送る会は、前日リハーサルを当該学年の保護者にも参観していただいていました。今年度はリハーサルが無いので、学級懇談会で送る会の映像をご覧いただこうと計画していたのですが、学級懇談会も実施することができなくなってしまいました。今更ながら、“普通”が如何に素晴らしいことかを噛みしめています。

新型コロナウイルスに翻弄された令和2年度ですが、子供たちは様々な学びの場面に遭遇しています。長い臨時休校の中で、友達との何気ない日常の大切さに気付いた子もいるでしょう。自主的に行動することの大切さが身に染みた子もいるでしょう。学校生活の規制の中で、工夫に楽しみを見出した子もいるでしょう。マスコミが政策の矛盾点や奔放な生活を送る人たちを報道する中で、社会の難しい場面を乗り越えるのは他者への非難ではなく、一人一人が如何に自分を律するかであると考えた子もいるでしょう。他人に何かをお願いする際は、自分自身に一層厳しくしなければならないと自戒した子もいるかもしれません。子供たちはコロナ禍と向き合う中で、様々なことを感じ、考え、学んでいったのではないでしょうか。何気なく過ごしていた日常からは学び得ない貴重な経験と人生哲学を、コロナ禍は私たちに与えてくれた側面もあろうかと思います。

新規感染者数の減少傾向が続き、ワクチンの接種が始まろうとしている今が、依然として冬なのか、もうすぐ春なのかは判然としません。梅の花のように春の訪れを高らかに宣言することはできませんが、自分自身の気付きや学びを積み重ねることが、心の中の春を呼び起こし、一層豊かなものにするはずです。

2月15日 校長 浅井 好