緊急情報
更新日:2025年2月19日
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令和6年度(2024年度)は、令和6年7月1日から9月30日まで募集を行いましたところ、46点のご応募がありました。
多数のご応募をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。
応募された中から、千葉市景観総合審議会千葉市都市文化賞表彰選考部会の選考により受賞作品を決定しました。
例年の事ですが、「都市文化とは何か?」を問う審査会でした。
もちろん正解はありません。
「都市」の定義も「文化」の定義も一義的なものではなく、多様な解釈に開かれています。
これらは、時代と共に、その解釈が揺れ動き、人々はより説得力のある解釈を求めるといった「運動態」であると考えるべきものだと思います。
2年前私は、審査総評の中で「やさしさ」というありふれた言葉で、応募作品の時代的趨勢を表現したことがあります。
身体にやさしい。環境にやさしい。高齢者、子ども、障害者など、社会的弱者にやさしい。
さらに貧困に苦しむ経済的弱者にも・・・・・。
具体的には、その環境に身を置いた時、居心地が良い、やすらぎを覚える、いつまでもそこに居たいという身体的実感です。
今回の応募作を実際に見て回った時に感じたのは、「やさしさ」は「土」のイメージにつながるのではないかということでした。
「土」をテーマあるいはモチーフにした応募作が多かったからです。
(受賞作はすべて「土」が大きく関わっていました。)
文化芸術プロデューサーの浦久俊彦は「文明は土から離れること。文化は土に向かうこと。」と述べていますし、アーティストの岡本太郎は「cultureというのはcultivateからきている。まさに土にまみれていくことが文化なのだ。」と書いています。
「スクールフォーラム」は、キャンパス内に子どもの居場所(スクール・サードプレイス)を作ることで、不登校児童ゼロを達成しました。
校門から昇降口に至る外部空間に人工芝を敷き、日除けパーゴラ、ベンチなどを配し、「家」と「教室」の間に「第三の居場所」を提供しています。
学校における屋外での居場所づくりは先進事例であり、寝転がって大地と触れることが人間の心身の健康に益する「アーシング」「グラウンディング」の知見に沿ったものと考えられます。
この試みが行政の後押しとともに、全国に広がっていくことが期待されます。
「都市の中のささやかな循環農業・タンジョウファーム」は、大地からの恵みによって「生きる力」「夢」「幸せ」を人々に届けるといった、それこそ「土まみれ」の活動が評価されました。
既存の施設の記憶を大切に、周辺住民の支援のもとに、手作りで改修活用し、循環農業を継続していく姿勢も共感を呼びました。
「Bring upみどり子ども発達センター」は、遺跡の地でもあることから土壁サインの創作、大地の起伏に素直に対応した空間づくり、太陽や雨の摂理が感じられる自然豊かな中庭の造形などが見事でした。
接地することで発達障害児を癒すだけでなく、視線の交換が可能な巧みな仕掛けにより、地域住民とのコミュニケーションが図られていることなど、グランプリにふさわしい作品でした。
他にも、「ビオトープ」「緑化壁」「共生の森」「芝生広場」「バラ園」「水辺」など、「土」と「人間」との関りが深い作品が多く見られました。
これは時代の趨勢であると同時に、自然豊かな千葉市の「都市文化」の特性であることに改めて気づかされました。
大切にすべきものだと思います。
千葉市景観総合審議会
千葉市都市文化賞表彰選考部会長 栗生明
※スクールフォーラムの「不登校児童ゼロ」とは、「本年度になってからの新たな不登校児童がゼロ」であることを意味しています。
受賞作品の詳細はこちら(PDF:3,560KB)(千葉市都市文化賞2024作品集)をご覧ください。
令和7年2月9日に、千葉市生涯学習センターにおいて「千葉市都市文化賞フォーラム2024」を開催し、表彰式、受賞者代表者による発表およびパネルディスカッションを行いました。
2024年度の受賞者、選考委員、千葉市長との記念撮影の様子
委員(順不同) |
役職等 |
加藤 幸枝 | 有限会社クリマ代表取締役 |
菊竹 雪 | 東京都立大学名誉教授 |
栗生 明 | 千葉大学名誉教授 |
小堀 哲夫 | 法政大学デザイン工学部建築学科教授 |
霜田 亮祐 | 千葉大学大学院園芸学研究院准教授 |
古内 時子 | 株式会社ふるうち設計室代表取締役 |
松浦 健治郎 | 千葉大学大学院工学研究院准教授 |
山﨑 誠子 | 日本大学短期大学部准教授 |
河原 泰 | 公益社団法人日本建築家協会関東甲信越支部千葉地域会副代表 |
上杉 敬郎 | 公募による市民 |
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