緊急情報
更新日:2026年2月26日
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令和7年度(2025年度)は、令和7年7月1日から9月30日まで募集を行いましたところ、34点のご応募がありました。
多数のご応募をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。
応募された中から、千葉市景観総合審議会千葉市都市文化賞表彰選考部会の選考により受賞作品を決定しました。
千葉市都市文化賞の委員長を拝命し、本年度、初めて審査に関わらせていただきました。
建築の評価には慣れているつもりでしたが、「文化」「景観」「広告」「まちづくり」といった、多層的で時間軸も異なる対象を一つのテーブルに載せるという経験は新鮮であり、審査委員の方々との議論を通じて、「都市文化とは何か」という問いをあらためて突きつけられたように感じました。
東京では今もなお開発が続き、その背後では、局所的な低所得層の集積やモザイク状の格差、空き家や高齢単身世帯の増加といった、別種の「準スラム」的状況が進行しています。
そこで語られているのは、もはや「スラム」という言葉ではなく、ジェントリフィケーション、空間的分極化、ネオリベラル(規制緩和と再開発優遇)的な都市政策といった枠組みです。
一極集中と分断が同時に進む巨大都市の行方を見つめるとき、千葉で見えてくる風景は、明らかに異なる相を示しているように思われます。
今回の千葉での審査対象には、人口構成の変化と長寿社会の到来を前提にしながら、それを後ろ向きに捉えるのではなく、静かに受け止めていこうとする計画の姿勢が、一貫した基調として感じられました。
東京の過密なコアと比べると、千葉では「拡大」よりも「維持」や「再編」に重心を移した政策や実験的な試みが多く、それが過度な集積を求めない「穏やかな分散と再生」の風景をかたちづくっているように思います。
昨年度、多くの提案が農や土に向けられていたことも印象的でした。
人間生活が土から切り離されることの限界を、身体感覚として取り戻そうとする動きは、都市文化を貧しくするのではなく、むしろ深く、豊かにするのだということを、あらためて教えてくれたように感じます。
今年は、通りの再生、団地の再生、新たな福祉拠点、小さくてもコミュニティを丁寧につないでいこうとする地元の営み、生態系や自然環境への眼差しなど、風景の奥に生活の持続を見据えた取り組みが多く見られました。
ふと、日本の100年後を思います。
巨大都市はこのまま成長を続けるのか、それとも、ある時点から静かに縮み始めるのか。
統計的な予測によれば、日本はすでに人口のピークを越え、今後は緩やかな減少と急速な高齢化が進むと見込まれています。
そのとき、千葉圏で進められているような、建築ストックを消費し尽くすのではなく、住宅・自然・福祉・子育てを核に据えた生活拠点として編集し直し、ゆるやかな人口増減を前提に交通やオープンスペース、コミュニティ運営を再デザインしていく分散型・多極型の再生は、「縮小都市のデザイン」の確かなひな型になるのではないかと思います。
千葉市都市文化賞には、そうした未来を先取りしながら、「千葉らしい増減と分散再生のかたち」を可視化する装置であってほしいと願っています。
単にデザインの完成度を競うのではなく、団地や郊外、ローカルな生活圏を時間をかけて編み直していく試みを都市文化としてすくい上げていくこと。その継続のなかから、「持続可能性を目指す時代における都市文化と景観のプロトタイプ」が、静かに、しかし確実に立ち上がってくるはずです。
千葉市のこの賞が、市内にとどまらず、日本全体に向けて、そのようなメッセージを発し続ける場になっていくことを心から願っております。
千葉市景観総合審議会
千葉市都市文化賞表彰選考部会長 小堀 哲夫
受賞作品の詳細はこちら(PDF:6,592KB)(千葉市都市文化賞2025作品集)をご覧ください。
令和8年2月4日に表彰式を開催し、各作品の受賞者の代表者に賞状を授与しました。

千葉市都市文化賞2025表彰式の写真撮影(令和8年2月4日)
後列:各作品受賞者の代表者(左右)、選考委員(中央左)、千葉市長(中央左)、選考委員(中央右)
前列:各作品受賞者の代表者
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委員(順不同) |
役職等 |
| 加藤 幸枝 | 有限会社クリマ代表取締役 |
| 菊竹 雪 | 東京都立大学名誉教授 |
| 小堀 哲夫 | 法政大学デザイン工学部建築学科教授 |
| 霜田 亮祐 | 千葉大学大学院園芸学研究院准教授 |
| 田邊 曜 | 田邊曜建築設計事務所代表 |
| 野間田 佑也 | 多摩美術大学統合デザイン学科准教授 |
| 古内 時子 | 株式会社ふるうち設計室代表取締役 |
| 山﨑 誠子 | 日本大学短期大学部准教授 |
| 河原 泰 | 公益社団法人日本建築家協会関東甲信越支部千葉地域会副代表 |
| 池田 裕希 | 公募による市民 |
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