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更新日:2024年5月1日

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校長室

新緑の季節を迎えて

校長 田島 明美

 やわらかな日差しを浴びて、若葉が一層色鮮やかに眩しく見える季節となりました。過日行いました学校説明会、学級懇談会には、ご多用中にもかかわらず多くの保護者の皆様方のご参加をいただき感謝申し上げます。早いもので新学期が始まり約1か月がたちました。この間、みなみっ子たちは、始業式や入学式で、新しい友達や先生との出会いがあり、それぞれの立場で多くの体験や関りがありました。様々な学校行事や学級活動等に取り組む中で、それぞれの学年に見合った学習と生活のリズムができてきています。1年生もみなみっ子の一員として楽しく学校生活を送っています。朝の登校では、1年生のスピードに合わせて見守りながら一緒に登校する上学年の姿が見られます。1年生の教室では、6年生がかばんから一緒に学習用具を出してあげるなど、朝の準備の仕方を教えています。毎朝、計画委員会の子供たちが昇降口前の廊下に立ち、登校してくる子供たちに、「おはようございます」と挨拶をしています。

この4・5月の子供たちの学級づくり・関係づくりはとても大切な1年間のスタートとなります。始業式で、子供たちに次のような話をしました。私たちは、家族や友達と「おはよう」「ありがとう」「またね」「さようなら」のように一日の中でたくさんの言葉を交わします。「おはよう」と言ったら「おはよう」で返す。言葉とともに心も重ね、通い合わせていく。この一年間を、友達や先生方と言葉を重ね、心を通わせながら過ごしていきましょう。もし、「おはよう」と声を出すのが苦手だったら、「おはよう」と声をかけてくれた相手と視線を合わせる。笑顔で返してみる。ここからスタートしてみませんか。

「挨拶」の語源は禅宗の「一挨一拶」に由来するとも言われています。禅問答において、一方が相手の力量を測るための積極的に攻め込む「挨」があり、もう一方が切り返し、さらに切り込んでいく「拶」があって相手の境地、力量を見定め合うやり取りの様子を合わせた言葉です。そのような状況の中で相手の心を測り、心を通わせる手段として今日の挨拶となったと言われています。また、「日本文化いろは事典」によると、昔は挨拶を「言葉かけ」と言い、他人と外で出会ったりすれ違ったりした際は、声をかけるのが一般的な礼儀でした。今日の「おはよう」は「お早くから、ご苦労様でございます」の略で、朝から働く人に向かって言うねぎらいや気遣いの言葉だったそうです。「こんにちは」は「今日(こんにち)は、ご機嫌いかがですか」の略であり、お昼に初めて出会った人の体調や心境を気遣う声掛けだったとか。「こんばんは」は「今晩は良い晩ですね」の略だと言われています。また「さようなら」は「左様ならば」の略で、「それならば私はこれで失礼いたします」という意味だと推測されています。

「挨拶」は、単なる社交的、儀礼的な言葉ではなく、互いの存在を認め、相手に関心をもっていることや尊重しようとする態度を示す役割をもっています。私たちは生きる上で、誰かと関わることが欠かせません。仲間をつくるためには、他人を認めることが必要になってきます。「挨拶」は、年齢や性別、国籍が違っても、全ての人にとってコミュニケーションのきっかけとなり良好な人間関係を築くための潤滑油になりうるものです。友達や先生方と挨拶をすること、お互いに声をかけ合うことによって、「あなたは大切な人なのだよ」ということを伝えることができます。そうすることにより、お互いの自己肯定感が高まっていくことが可能なのではないかと考えます。「挨拶」は定型句として習慣化しやすい側面があるため、形だけになってしまったり大きな声を出すことが大切と捉えてしまったりすることがあります。みなみっ子には、挨拶は、相手とのコミュニケーションをとるためのきっかけとして、そして、相手の存在を認め、相手を尊重する姿勢として、身に付けてくれると嬉しいです。この一年間、子供たちにとって、教室が安全で安心できる自分の居場所になってほしいと考えています。どの子も友達と心を通わせながら、自分の目標に向かって大きく成長することを願います。

 

学校教育目標

「明るくたくましいみなみっ子」

がききたえる子」「かよく助け合う子」

ずから学ぶ子」「ころ豊かな子」