更新日:2020年3月18日
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妙見(みょうけん)は仏教と一体化して妙見(みょうけん)菩薩(ぼさつ)とも呼ばれました。その起源は中央アジアの遊牧民の北極星信仰といわれ、それが中国で道教(どうきょう)や仏教を取りこみ、やがて日本に伝わりました。妙見は、天空から人を見守り、方角を示し、人の運命を司る神として信仰されました。
千葉氏の関係者が編さんしたといわれる『源平闘諍録(げんぺいとうじょうろく)』には、北の空にあった妙見が戦場に現れ、勝利を導く軍神として描かれています。千葉の妙見は、それまでの穏やかな姿とは異なり、甲冑をまとい、剣を持つ勇壮な姿で現れます。北条氏に上総千葉氏を滅ぼされ、その領地を奪われた千葉氏が、この危機を乗り越えるため、妙見を軍神とすることで一族の団結を図ったためと考えられています。
このように千葉氏は妙見を厚く信仰したため、一族が移住する時には必ず妙見を伴いました。そのため、福島県相馬市や岐阜県郡上市等かつて千葉氏の領地であった地域には、妙見をまつった神社が今も多く見られます。
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