緊急情報
更新日:2022年11月16日
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「酒天童子」の物語は室町・江戸時代を通して広く流布した鬼退治譚で、現代でもよく知られています。当話の源流に近い作品が逸(いつ)翁(おう)美術館蔵『大江山絵詞(おおえやまえことば)』で重要文化財に指定されています。現在は『逸翁本(いつおうぼん)』と称されていますが、同本は明治20(1887)年まで香取神宮の大宮司家(だいぐうじけ)(千葉県香取市)に所蔵され『香取本(かとりぼん)』と呼ばれていました。
講演2講師の鈴木哲雄氏は『酒天童子絵巻の謎-「大江山絵詞」と坂東武士』(岩波書店、2019)で、逸翁本が千葉氏によって制作され伝来した可能性を論じられました。当講座では清和源氏の祖である源頼光をはじめとした「武威」(武力)を奮う武士たちが、都に「災厄」をもたらした「鬼」酒天童子を退治する物語が「千葉氏」とどのように繋がっているのかをテーマに取り上げます。まず講演1で作品の内容と問題点について日本文学研究の立場から解説し、続けて講演2で「千葉氏」と逸翁本の繋がりをめぐる〈歴史〉について、日本中世史研究の始点から考えていきます。
千葉開府900年を迎える2026年に向け、市民の幅広い世代が、本市の都市としての都市としての礎を築いた名族「千葉氏」の動向について、元寇や宗家の継承にも関わる最新の研究に触れることで、同氏への興味と理解を深め、もって本市都市アイデンティティ(千葉市らしさ)の確立に資するものとします。
<内容>
【講演1】講師:久保 勇 千葉大学大学院人文科学研究院 准教授
タイトル:「逸翁本『大江山絵詞』の輪郭」
要旨:『大江山絵詞』の詞書を中心に作品の全体像を把握し、成立に関わるいくつかの問題点について取り上げます。武士が武力以上の「力」を以て、異形の存在を討伐したことを伝える物語であること、また後の時代に源氏一族の神話化を担った作品として流布したこと等についても概説します。
【講演2】講師:鈴木 哲雄 都留文科大学教養学部 特任教授
タイトル:「逸翁本『大江山絵詞』の伝来と千葉氏」
要旨:『続日本の絵巻』などに載る逸翁本『大江山絵詞』(酒天童子絵巻)の絵の見どころをスライドで紹介した上で、逸翁本の伝来と坂東武士、千葉氏との関わりについてお話しします。逸翁本の制作に千葉氏が関わったという自らの仮説や他の考え方などを紹介しつつ、逸翁本の成立や特徴について考えていきます。
【クロストーク】
久保勇・鈴木哲雄・進行:外山信司(千葉市立郷土博物館総括主任研究員)
※受講のためには電子申請または往復はがきによる申込が必要です。
対象者 |
一般 |
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人数 |
150人(応募者多数の場合は抽選) |
料金 |
無料 |
申込方法 |
令和4年11月1日(火曜日)から11月22日(火曜日)までに電子申請(下記リンクより)、または往復はがきで「講座名」「申込者氏名(フリガナ)」「郵便番号」「住所」「年齢」「電話番号」、返信用はがきに「返信用の宛先」を記入の上当館(〒260-0856千葉市中央区亥鼻1ー6ー1)へ申込(11月22日(火曜日)当館必着)。 |
開催区 |
稲毛区 |
開催場所 |
千葉大学西千葉キャンパスけやき会館大ホール |
郵便番号 |
263-8522 |
住所 |
千葉市稲毛区弥生町1-33 |
アクセス |
JR西千葉駅より西千葉キャンパス南門まで徒歩約2分 |
託児所 |
なし |
その他説明・備考 |
<講座に参加される皆さまへ> |
主催 |
千葉市 |
---|---|
後援 |
千葉日報社 |
関連資料
このページの情報発信元
教育委員会事務局生涯学習部文化財課郷土博物館
千葉市中央区亥鼻1丁目6番1号
電話:043-222-8231
ファックス:043-225-7106
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