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更新日:2024年6月21日

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令和6年第2回定例会意見書全文

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刑事訴訟法の再審規定の改正を求める意見書について

自分に責任がないにもかかわらず服役させられ、あるいは命を奪われるなど、えん罪により処罰されることは国家による最大の人権侵害の一つである。そして、再審請求手続は、えん罪被害者を救済する最後の手段である。

ところが、現行の刑事訴訟法では、再審請求手続に関する規定が僅か19か条しかなく、再審請求手続をどのように行うかは裁判所の広範な裁量に委ねられている。そのため、再審請求事件の審理の進め方は裁判所によって様々であり、いわゆる再審格差と呼ばれるような裁判所ごとの格差が目に見える形で現れるだけでなく、手続の長期化という問題も生じており、再審請求手続の整備が強く求められている。

また、過去の多くのえん罪事件では、警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになって、それがえん罪被害者を救済するための大きな原動力となっている。平成28年に改正された刑事訴訟法の附則第9条第3項においては、政府は当該法律の公布後、必要に応じ速やかに再審請求手続における証拠の開示について検討を行う旨が定められており、証拠開示の制度化を早急に行うことが求められる。

さらに、再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う事例が相次いでおり、えん罪被害者の速やかな救済が阻害されている。あくまで、再審開始決定というのは、裁判をやり直すことを決定するのみにとどまり、有罪・無罪の判断は再審公判にて行うことが予定され、改めて検察官にも有罪立証をする機会は与えられている。したがって、再審開始決定がなされたのであれば、速やかに再審公判に移行すべきであって、再審請求手続の長期化を招く再審開始決定に対する検察官の不服申立ては制限されるべきである。

よって、本市議会は国に対し、えん罪被害者を一刻も早く救済するため、下記の事項について刑事訴訟法の改正を強く要望するものである。
                      記

1 再審請求手続においては捜査機関が保管する全ての証拠を開示するルールを作ること。
2 再審開始決定に対する検察官による不服申立てに法的制限を加えること。
3 再審請求手続における手続規定の整備をすること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和6年6月21日

                                                                       千 葉 市 議 会

[送付先]内閣総理大臣 衆議院議長 参議院議長 法務大臣


 

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