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更新日:2026年5月15日

毎年5月の最終水曜日は世界カワウソの日(World Otter Day)です。世界カワウソの日は、国際カワウソ生存基金(IOSF=International Otter Day Survival Fund)により、カワウソ類の啓発や保全に関する意識を世界中の人々に高めてもらう目的で提唱されました。
世界には13種のカワウソが生息しています。そのうち5種が国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種、2種が危急種に指定されています。(参照:IOSF「国際カワウソ生存基金」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く))千葉市動物公園ではコツメカワウソ の1種を飼育しています。
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©カワウソ研究会・熊谷さとし

ペット需要(個人飼育や動物カフェ)を満たすための密猟や違法取引が東南アジアに生息するカワウソの生存を脅かしています。特に日本はエキゾチックアニマルブームが起こり、カワウソはその愛らしい外見からメディアやSNSでも注目を集め、需要は拡大をしています。
近年の研究により、国内のペットカフェや税関での検疫個体の遺伝子解析の結果、75%がタイ南部を起源とすることが示されました。1988年以降、正規の輸入取引履歴が存在しないことから、これらの個体は違法取引を経て持ち込まれた可能性が高いといわれています(Fujihara et al.,2025)。
急速に発展した産業化を背景に、毛皮を狙った狩猟や、生息地である河川と海岸の汚染や破壊が広範囲に広がり、以前は多かった個体数が減少ています。
ニホンカワウソは、かつて日本全国の河川や沿岸に生息していました。しかし、1979年の高知県須崎市での目撃を最後に、生存の確認がされていません。
30年以上生存が確認されてなかったことから、2012年に環境省はニホンカワウソを「絶滅種」に指定しました。2017 年 8 月に対馬海峡の対馬で野生のカワウソが見つかり話題になりましたが、後の調査で大陸から流れ着いたユーラシアカワウソであることが確認されいます。
カワウソの未来を守るために、私たち一人ひとりにもできることがあります。
ヒトとの関係の歴史の長いイヌやネコと違い、野生動物であるカワウソは一般家庭で飼育することに適しません。消費国としての責任が大きい日本では、メディアやSNSによって可愛らしいしぐさや行動のみ情報が拡散して、生態や事実が伝わっていないことがあります。「カワウソはペットとして飼えない」ことを正しく知りましょう。
※参考
野生動物のペット取引きを考える(園内展示)
エキゾチックペットガイド(外部サイトへリンク)
このカワウソの危機を周りの人に伝えましょう。また絶滅が危惧される動物に対し偏った印象を持たないように責任をもった情報発信を行いましょう。海外ではすでにInstagram上で絶滅危惧種の投稿をすると注意喚起メッセージが表示されるなど、新たな工夫も始められています。一人一人の小さな行動の積み重ねが、東南アジアのカワウソの密輸需要に歯止めをかける力になります。

(引用:税関 野生生物密輸防止啓発ポスター)
生息地の保全に取り組む団体への寄付や支援を通じて、現地での保護活動を後押しすることができます。また、旅行や観光の際には、生きものにやさしい観察ルールを守り、自然環境への負荷を減らす行動をとることも大切です。
当園ではカワウソの飼育環境の向上のための調査研究を行っています。
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