更新日:2019年12月4日

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平成28年度心の輪を広げる体験作文 中学生部門最優秀賞受賞作品

 心の輪を広げる体験作文

 中学生部門  最優秀作品

 「手助けを必要としている人への理解」


 土手口 翔

 (千葉大学教育学部附属中学校 1学年)

 

 ぼくは春まで、ドイツに住んでいました。

 日本に帰って来て、介護疲れによる事件や、障がい者の人が巻き込まれる事件をたくさん耳にしました。ぼくはすごく悲しかったし、なぜそんな事を起こすのか、まったく理解できませんでした。でもぼくは、介護を必要としている人の、お世話をしてあげたこともなければ、障がい者の人のお世話をしたこともありません。だからそこにどんな問題があるか全く知らないことに気がつきました。そもそもぼくは、障がい者の人や、介護を必要としている人のことを理解できていなかったと思います。

 ぼくは学校行事で、ドイツ国際平和村という所に訪れたことがあります。ドイツ国際平和村は戦争や内乱に巻きこまれ、傷ついた子供達を、無料で治療やリハビリをして、母国へ戻すプロジェクトを行っている所です。ぼくは事前学習で、ドイツ国際平和村のビデオを見ました。手足のない子や、大やけどを負ってしまった子供たちがいることを知りました。そこで、そこにいる子たちが笑顔になる楽しい交流が出来るようにしようと様々なことを考えました。ぼくは三人のグループで、面白いぬり絵を、担当しました。けれども、訪問当日、交流会が始まっても、全く人が来ませんでした。みんなボーリングや輪投げなど、他の楽しいグループに行ってしまいました。その後、三人の子が来てくれました。来てくれた子は、五~八才のぼくたちより、小さな子でしたが、人気のないぼくたちのグループをはげましてくれ、最後にはハイタッチをしたりして、とても楽しい交流になりました。

 その日の作文に、ぼくは「障がいを負っている子達が頑張っているのだから、健常者のぼくもがんばろうと思う」と書きました。すると、それを見たお母さんに、

「あなたは、障がいを負った子を下に見ているんじゃない?」

と言われました。お母さんの言葉を聞いて、自分では差別をしているつもりはなかったけれど、ぼくが障がいを負った子たちを「自分たちとは違う子」というように見ていたことに気が付きました。ぼくとその子たちは、ただの子供同士だったのに、自分の方が上だという気持ちがあったのかもしれません。

 またこんなこともありました。別の学校行事で何回か、老人ホームを訪問する機会がありました。最初に老人ホームを訪問したときよだれをたらしたり、食べ物をぼろぼろと、こぼしたりする、お年寄りを見かけました。それを見てぼくは、「汚い、気持ち悪い」と、思ってしまいました。でも、繰り返し訪問することで、お年寄りの人に対して、気持ち悪いとは思わなくなりました。その後お年寄りの人に、積極的に肩たたきをしたり、自分から話しかけたり出来るようになりました。そのため街中で、足の不自由な人に会った時も自然に手を貸してあげられるようになりました。バスの中で、足の不自由なおばさんを見かけたときも、ぼくは、片言のドイツ語で話しかけ、肩を貸して降りるのを手伝いました。ぼくは、老人ホームで、おじいさん、おばあさんと接した経験があったから、自然に助けることが出来たと思います。

 だから、障がい者の人や介護を必要としている人のことを理解するには、その人たちと触れ合う機会を持つことが、一番大切だと思います。

 ぼくは、障がい者の人やお年寄りのお世話をするうえで、どんな問題があるか知らないし、その解決方法は全く分からないので、これからもっと社会の仕組みや問題点を勉強していき、住みやすい社会にしていきたいです。

 

 

 

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