緊急情報
更新日:2024年2月22日
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千葉市緑区土気地区で長年にわたり栽培されてきた「土気からし菜」のブランド化と系統保存のため、「土気からし菜」を使った漬物加工品「とけからちゃんの漬物」の販売支援や農家ならではの漬物の作り方教室や収穫体験など農家との交流事業を行っています。市民の皆さんに「土気からし菜」の魅力を知っていただき、貴重な伝統野菜を地域に残す活動を続けています。
土気からし菜は、戦国時代に土気地区(千葉市緑区)とその周辺に勢力を有していた土気酒井氏の城址(土気城址)を中心とする集落一帯で、300年以上前から、それぞれの農家が代々自家採種により、種を守り、栽培を続けてきたと言われている貴重な伝統野菜です。
もともとは畑の連作障害を回避する緑肥(りょくひ)作物として栽培されていました。晩秋に種を播き、早春に収穫した新芽を漬物にし、その後は畑にすき込みます。辛さから害虫の忌避効果が高いと言われており、特に土気地区は温暖な下総台地の中でも標高が高く、比較的寒暖の差が激しい風土が、独特の辛味、風味を醸し出します。農家手づくりの漬物が定番ですが、房総太巻き寿司の材料としても使われています。
また種子は、オリエンタルマスタードといい、和からしの原材料でもあります。辛さが自慢の土気からし菜は、千葉ならではの早春の味です。土気からし菜は地域の農家の生活に根付き、今日まで伝えられてきたのです。
(JPG:1,174KB)クリックすると拡大します。
市内小学校教員である永井先生により、受け持たれている小学校の3年生の社会科授業において、土気からし菜を通じた地域社会への理解や社会参画についての学習が行われました。
永井先生は、土気からし菜生産者の畑に何度も足を運び取材をし、こどもたちが地域に残る伝統野菜やそれを守る生産者について興味をもって主体的に学んでもらうよう、授業内容を工夫されたそうです。
土気からし菜の生産者からこどもたちが話を聞く出張授業も行われ、質問が次々に飛び出し、関心の高さを知ることができました。
学習の成果として、こどもたちが土気からし菜やそれを守る生産者・行政等のかかわりを知ることを通じて、千葉市や地域社会への愛着を持つことができたということです。
永井先生やこどもたちが、地域資源である土気からし菜へ関心を持っていただき、そのことが千葉市を誇りに思う気持ちにつながったこと、そして自分たちが普段口にするものが農業のおかげであることを実感として知ってもらえたことを大変うれしくありがたく思います。
これからも地域農業や伝統野菜への理解を深めてもらえるように事業を推進してまいります。
「土気からし菜」は、
土気地区在来の種及び千葉市農政センターが保存した「土気からし菜」の種のみを使用し、生産地は「土気地区(旧土気町周辺)」に限定した伝統野菜です。
伝統の味を守り、確かな品質で皆様にお届けするために、種と生産方法を守り続けています。
現在、系統保存の観点から「種」の販売はしていません。また他地域のからし菜を「土気からし菜」として販売もしていません。土気地区の生産者より種を譲渡され、栽培(土気地区)をする場合や種を活用したい場合は、千葉市農政課までお知らせください。
”土気からし菜レディース(土気からし菜出荷組合)”は、土気地区に住む地元を愛する女性生産者を中心に、丁寧に土気からし菜を育てています。土気からし菜漬物教室の講師などを通して文化の伝承も行っています。平成29年2月に結成し、現在8名(7名+1法人)で活動しています。
土気からし菜レディースでは、土気地区で、土気からし菜の生産出荷活動に加わってくれる生産者を募集中です。
また土気地区にはほかにも自家採種により在来の土気からし菜を栽培している生産者さんもいます。
土気からし菜は、播種(種まき)→収穫→種取りのサイクルで毎年行われています。種は農家が各家で種取りをし、先祖代々引き継いできたものです。
毎年10月20日ごろ、地域のお祭りがおこなわれる時期に種を撒き、早春2月~3月のお彼岸頃まで収穫をします。
土気地区のお祭りの時期(10月中旬)になると、種まきを行います。種をまく前に畑に肥料をまき、その後、種をまいていきます。まきかたはバラまきか条(すじ)まきです。冬に向けて寒い時期にからし菜が育つことで、辛みの強い土気からし菜が育ちます。
11月下旬、種を撒いて3週間後の様子、小さいですがしっかりと生えています。
1月上旬、だいぶ背が伸びて大きくなりました。
土気は千葉市内でも特に寒暖差が激しい地域です。冬の間の寒さに耐えたからし菜に辛みがのってきます。
収穫の様子
この日は「千葉あそび」の収穫体験で参加者の皆さんと収穫しました。
収穫した土気からし菜をコンテナに入れていきます。
収穫した土気からし菜を積み、これから束ねる作業です。
漬物用に1束ずつ束ね、枯れた葉などをそぎます。
束ねた土気からし菜。生葉でも食べられますが、これからこの葉たちは漬物になります。
種取り用のからし菜は収穫せずに花が咲き、種子ができるのを待ちます。
種取用にからし菜を乾燥します。
このさや部分から種を取り出します。
束にしたからし菜のさや部分をぎゅっぎゅっと押し、乾燥したさや部分と種をブルーシートに落としていきます。
こんなかたちで、さやと種が採れます。
ふるいをかけ、種だけを取り出します。このあとさらに細かいゴミを取り除き乾燥させます。
採れた種はこんな風に茶色と黄色のきれいな色です。
ごみをとりのぞいた種は種まき用に、業務用冷蔵庫で保管します。
からし菜の種は食べられるのを知っていますか。実は、からし菜の種子は和からしの原料となり、オリエンタルマスタードと呼ばれています。インドなどではマスタードシードと呼ばれ、カレーなどにスパイスとして用いられています。
土気からし菜は、種もとっても辛いんです!この種を使って、土気からし菜の粒マスタードを作りました。市販の粒マスタードよりもスパイシーで美味しくできました。
現在、土気からし菜の種は系統保存の観点から販売していませんが、地域の生産者によって商品化も実現しました(別ウインドウで開く)!
粒マスタードの作り方(JPG:511KB)(別ウインドウで開く)
農家直伝の味、ぜひ後世に伝えていきたいですね。
農家直伝の作り方をご紹介します。漬けたからし菜は冷蔵庫で3~4日くらい持ちます。
また束ごと冷凍すればいつでも食べられますよ!
古くなったからし菜漬物は、油でいためて炒飯やパスタの具にしてもおいしいです!
茎から塩をふります。
茎の中にもまんべんなく塩を振ってください。
まな板の上でごしごしもんでください。この時、緑色の水分が葉っぱから出てきたくらいがちょうどよい塩梅です。
漬物樽やタッパー、お鍋などに塩もみした漬物を平らに重ねていきます。
押し蓋をのせます。
重しがなくても、ペットボトルなどで代用できます。
漬けた土気からし菜をさらにおいしく食べましょう!
農政部若手職員で構成する「土気からし菜商標検討会」で制作したマスコットキャラクターです。
キャラクターは、古くから伝わるからし菜を現代に伝える妖精をイメージしたもので、全体は、からし菜の緑に包まれ、髪には葉を、髪留めには花を付けています。
ネーミングは、“土気伝統のからし菜を、土気からお届けする”という意味を込めて名付けました。また平成26年11月には商標登録を行い、土気からし菜のブランドの顔として活躍していきます。
(商標登録第5721935号)
「とけからちゃんの漬物」は、土気地域で昔から農家が漬けていた土気からし菜の漬物を参考に、地元の漬物会社である千代田漬物株式会社との官民連携により、製品化されたものです。しゃきっとしたからし菜の歯ごたえと土気からし菜ならではの「辛み」が自慢の一品です。より多くの方に「とけからちゃんの漬物」を知っていただけるように引き続き土気からし菜のブランド化に向けて取り組んでいきます。
土気の農家さんが作る土気からし菜や手作りの漬物は、例年1~3月ごろのみ市内直売所やマルシェ等で販売されます。
詳しくは農政課(043-245-5758)までお問い合わせください。
詳しくは製造販売元の千代田漬物株式会社(外部サイトへリンク)へお問い合わせください。
伝統野菜「土気からし菜」が、令和3年3月31日「味の箱船」に登録されました。令和3年7月1日に登録証が千
葉市に授与されました。
※「味の箱船」とは、「食の世界遺産」として、地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品等の希少な食材を世界共通のガイドラインで選定、支援することで、地域における食の多様性を守ることを目的とした世界的なスローフードのプロジェクト。
詳しくは日本スローフード協会(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)のホームページをご覧ください。
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