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更新日:2017年6月27日

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平成25年第2回定例会市長あいさつ

議長のお許しを頂きましたので、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げ、市民の皆さま、議員の皆さま方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

このたびの市長選挙におきまして、多くの市民の皆さまのご支援を賜り、再び市民の代表として市役所の運営を任せて頂きました。
初心を忘れず、また、投票に行かれなかった方、別の候補者に投票された方の思いも汲み取りながら、緊張感を持って、市政運営にあたってまいりたいと考えております。

この4年で取り組んでいかなければならない課題といたしましては、まず、社会経済情勢の変化を受けての千葉市の立ち位置の明確化であります。
まず、経済・産業面においては、グローバル化、そして企業の全国展開・集約化によって、東関東の拠点、千葉県の拠点として千葉市にオフィスを構えていた企業が撤退をしていくなど、県庁所在地として、そして、地理的優位性によって確立をしていた商業・工業の集積度は以前ほどは高くありません。
今後は明確な、千葉市としての産業・経済ビジョンを持ち、戦略的な企業立地や産業育成に取り組んでいく必要があります。
1期4年で経済政策は大幅に前進をし、企業誘致は過去最高の実績となるなど、攻めることで自身の長所短所を知り、それを踏まえて次のステップへ、というPDCAは確実に回り始めております。
また、国際経済交流を始めとする、あえて視点を高くしての経済交流や、千葉銀行・千葉大学・イオンなどの大きな組織とのパートナーシップ提携などにより、職員の意識も高くなってまいりました。
ベンチャー支援についても、産業振興財団や市内の経営者を巻き込んでのネットワーク作りによって、新たな企業が育つ街となるためのチャレンジが始まっております。

これに加え、次の4年間では、千葉駅の建て替えなど千葉駅周辺の大改造、イオンモール幕張新都心の完成などによる、幕張新都心の第二幕のスタートなど、経済的にも大きな出来事が重なってまいります。
成田空港と羽田空港の中間地点に位置する地理的優位性を最大限に活かした、首都圏・アジアの中で選ばれる千葉市になるための、ハード・ソフト両面にわたる意欲的な施策展開が必要であります
千葉大学などの学術機関・人材育成機関との連携をさらに進め、「起業するなら千葉市」の醸成、そしてまた、幕張新都心が国際コンベンション都市としての魅力を国内外に認知をされるための諸施策、JEFと一体化した街づくりを進めながら、強烈な個性とスポーツの街としての魅力を持つ蘇我副都心の整備、それらを市域全体の活性化につなげていくためにも、道路ネットワークの着実な整備、公共交通機関の利便性の向上、自転車による広域ネットワークの整備などに取り組んでまいります。

住環境としては、日本の人口減少と、そして、地価下落によって東京への回帰現象が進行しつつあります。
千葉市は、以前は東京に勤務する新住民によって人口が爆発的に増えてまいりましたが、今やその受け皿は、千葉県で言えば、船橋市あたりで止まっている状況であります。
東京の恩恵を受けることができるエリアの範囲は今後も着実に狭まり、横浜市やさいたま市より東京と離れている、この我が千葉市は、特にその影響が顕著になってまいります。
これからはただ東京に近い都市ではなく、住みたいと思われる、選ばれる街となる必要があります。
そのためには、横浜市やさいたま市や船橋市にはない、千葉市ならではの住環境の魅力にリソースを集中していく必要があります。
とくに千葉市内には、マンションや戸建て住宅の団地が多く、これらの団地の住環境の再生も極めて重要であります。
内陸部の豊かな自然、そして長大な海辺の空間を最大限に活かした街づくりが求められております。
通勤の利便性だけではなく、子どもの成長にとって最も適した街と、リタイヤしても充実した日々を送ることができる街をつくっていかなければなりません。

内陸部の豊かな自然の活用としては、農業・農村の持つ多面的な魅力を引き出すこと、市民が農業・生産者と触れ合う機会を増やすこと、加曾利貝塚や、千葉市動物公園、観光農園などの観光資源をさらに磨き上げていく必要があります。

長大な海辺の空間の活用としては、日本最大の人工海浜である「いなげの浜」「検見川の浜」「幕張の浜」、そして、先日世界文化遺産に登録をされた富士山を海越しに遠望できるロケーションを活かした、シーサイドレストランをはじめとした、海辺、特に砂浜の賑わい空間を創出していく必要があります。
千葉みなとに旅客船桟橋を整備し、千葉から館山・伊豆大島などへの航路を開拓してまいります。
そうした取り組みによって、横浜・湘南とは違う、海と砂浜の活用、ブランド作りを進めてまいります。
漁業の伝統が息づく形での海と砂浜、例えて言えばサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ、これは「漁師の波止場」という意味でありますけれども、のような、千葉県ならではの海の魅力を凝縮した空間の創出こそが、私達千葉市の目指すべき方向と考えております。
都会と自然が並存する都市、国際コンベンションと田園・漁場が並存する都市、4年後に東京都市圏とは一線を画し、独自の価値観を提示できる千葉市を目指してまいります。

子どもの成長にとって最も適した街でありますけれども、待機児童の劇的な減少により、緊急的な保育環境の整備には一定のメドがついてまいりました。
今後は一時預かりなど、多様な保育・子育て支援環境の整備が必要であります。
また、子どもの医療費助成のさらなる拡充、児童虐待など、困難な状況に置かれている子どもへの支援の充実もしてまいります。

しかし、ここまではどの都市も目指すものであります。
千葉市が目指すべきは、従来の保護者、特に母親を対象にした、意識した、子育て支援施策とは一線を画した、独自の視点に基づく施策展開であります。
一つは男性であります。
イクメンは凄まじい勢いで増加をしており、子育てにおける父親の存在感は、今後もますます高まってまいります。
母子手帳と同時に、現在千葉市では、父親向けにイクメンハンドブックの提供を始めておりますけれども、より父親を意識した施策・イベントを展開し、徹底して「父親が子育てをして楽しい街」を目指すことによって、他市に先駆けて子育て支援の充実した街としてのブランドを確立をしてまいります。

もう一つは子どもであります。
保護者の目線に偏った施策ではなく、真に子どもが望む施策、子どもが自ら成長できる施策、即ち「こども参画事業」をさらに市の最重点施策に位置づけてまいります。
イオンモール幕張新都心に「カンドゥー」という本格的な親子による職業体験テーマパークが初上陸することも大きなエンジンであります。
こども参画事業を全国に発信をし、「保護者がここで子育てしやすい街」という意味での子育てしやすい街から「子どもたちがここで育ちたいと思っていただく街」へとシフトしていかなければいけません。

さらに教育面では、今まで進めてきた読書教育により、読書冊数が全国の倍以上であることを活かし、学校はもとより図書館のさらなる充実を通して、子どもと親の読書率日本一を目指してまいります。
そして、何より学校はより地域に開放されていかなければなりません。
地域ぐるみ・社会総がかりで学校教育を支援する学校支援地域本部を導入、さらに保護者や地域住民の意見が学校運営に直接反映をされる学校運営協議会、いわゆるコミュニティスクールの導入も可能となるよう、制度的検討を推進してまいります。
学校施設の開放を推進するほか、教育現場の現状や課題を広く市民と共有する取り組みの展開も必要であります。
4年後には学校と住民の距離が最も近い街、これを目指してまいります。

次に、リタイヤしても充実した日々を送ることができる街であります。
これから千葉市の急激な人口増を支えた団塊の世代の方々が70歳を迎えようとしており、いよいよ本格的な超高齢時代に突入をいたします。
介護施設の着実な整備はもとより、在宅介護のネットワーク作り、そこで働く介護人材の確保、さらには健康寿命を延ばすことで介護に至る高齢者の増加を低減させる、健康づくり支援の取り組みが何より必要であります。
この間、倍増させてまいりました「あんしんケアセンター」の機能も最大限発揮させながら、健康づくり事業、介護予防事業にさらに注力をする必要があります。
また、高齢者福祉事業の不断の見直しを行い、真に高齢者に必要な支援を着実に実施してまいります。
団地比率の高い千葉市。団地におけるコミュニティ形成・支え合い活動の促進などにも取り組んでまいります。
一方では、65歳から高齢者といっても、まだまだ元気な人が多いわけであります。
地域の活性化の担い手、宝としての取り組み、リタイヤした後に地元で様々な地域貢献活動に参加していただけるような、市民自治活動をさらに推進をしてまいります。

市民の英知を活かす街であります。
千葉市も昨年、政令指定都市に移行して20年を迎えました。
成長の時代は「ほかの区、ほかの地域にもあるのだから、ここにもこれを整備する」といった均一な街づくりがまず必要でありました。
しかし、今、成熟の時代に千葉市も入り「どこにもないけれども、この地域には必要」、そういう地域のニーズに合った柔軟な街づくりが必要であります。
そのためには行政主導の街づくりから地域主導の街づくりに移行していく必要があります。
これは特別な話ではなく、高度経済成長時代を除けば、日本の昔からの街づくりの姿であります。
昔ながらの「向こう三軒両隣」の気持ちと、インターネットやスマートフォンなどの新しいコミュニケーションの道具も活用しながら、千葉市から新しいまちづくりのステージを作っていきたいと考えております。

これからの4年間で、市民が参加できる街のメンテナンスシステムを創設してまいります。
オープンデータ化を進め、まちづくりデータを公開することで、自分の住む地域の現状や将来の課題、例えば、自分の住む地域はメタボ率が高いので健康づくりに重点を置く、などの将来課題を把握した上での活動を支援してまいります。
また、市民シンクタンクを設立し、市の計画が効果的に実行されているのかチェックしていただいたり、中長期的な課題に対して市民を巻き込んで議論し、市に提言する等のシステムを構築してまいります。
また、「街づくり統合補助金」の創設や、地域活動、ボランティアなどに対してポイントを付与するシステムの構築等を通して、地域の課題に対して、楽しく街づくりに参加できる仕掛けづくりを進めてまいります。
これら仕掛けを理想のままで終わるのではなく、現実的な成果を出すことで4年後に千葉市が最も市民の英知を活かす街なんだと、そのように宣言できるよう取り組みを進めてまいります。

それと密接する形として、ICTを活用した街づくりと市役所の改革であります。
インターネットの人口普及率は、今や人口の約8割、携帯電話契約に占めるスマートフォンの契約比率は約4割、こちらは4年後には約7割にまで届くと予想されております、そうした時代にあって、行政は未だにネットはオプションであり、スマートフォンに至っては殆ど意識できていないような状況であります。
使えない人への配慮を行い、従来の手法を残していくことは当然のことであります。
しかし、使えない人は本当に使えないのか、「使えない」のではなく「使わない」という人も多いわけであります。
少なくとも「使わない」人への配慮でICTを活用した行政サービスが遅れてはなりません。
「使わない」という人に「使いたい」と実感していただけるような、ICTを活用した利便性の高い行政サービスの展開こそが必要であります。
同時に、行政内部の事務においても、効率化・サービス向上につながるシステム投資であれば積極的に進めて、職員の業務に対する意識を変革させることも必要であります。
ICTベンダーのためのICT投資ではなく、真に市民・行政に必要なICT投資を進めてまいります。

それらの取り組みにより、窓口業務を全面的に見直し、一つの窓口で複数の手続きが可能なワンストップ窓口の創設や、ネット事前申請、コンビニ等での証明書発行など、自分の都合に合った手続きが選べる役所へと生まれ変わらせてまいります。
市政だよりと市のホームページをチェックしなくても、自分が対象の制度やイベントを知らせてくれる「あなたにお知らせサービス」、これは、仮称でありますけれども、こうしたものの開始、事業者が市役所で行う諸手続きも改善し、手続きに要していた時間を業務に使える、そういう意味での時間を返せる市役所をつくってまいります。

文化・スポーツにおきましては、文化行政については抜本的な手直しが必要であります。
まずは、広範にわたる芸術文化の振興をより積極的に取り組めるよう、外部人材の登用を含め、専門性の高い人材の確保を行っていかなければいけないと考えております。
伝統文化はもとより、新しい芸術文化の芽を発掘し支援するための制度を設けてまいります。
市内に芽生えつつあるサブカルチャーを、新しい若者の芸術文化の息吹として育てることのできる環境を整え、新しい千葉市文化を創造してまいります。

スポーツ都市の実現に向けて、スポーツ大会・イベントを千葉市内に積極的に誘致をすることで、スポーツと経済の活性化を図ってまいります。
また、市内出身のトップスポーツ選手のデータバンク化を進め、市民や地域との交流を促進、トップスポーツにいつでも触れられる千葉市、市民が地元のトップスポーツ選手を応援できる、そうした千葉市をつくってまいります。
車椅子スポーツを積極的に支援し、車椅子スポーツのメッカ、さらには障害者スポーツの街としての千葉市を目指してまいります。
そのためには、地域における障害者とのスポーツ交流を促進し、障害者スポーツ指導の研修会や障害者スポーツ指導員の養成も必要であります。

行財政改革としては、この4年間、徹底した行財政改革を進めてまいりました。
この路線をさらに継続させ、市役所全体にも浸透させてまいります。
大きな方針転換も含めて、トップダウンが必要な行政改革に取り組んだ4年から、次は、市の職員が自ら取り組む業務改善の積み重ねによるボトムアップ型の行政改革にシフトしてまいります。
そのためには、人材育成が何より重要であります。
またプロフェッショナル人材の登用も必要に応じて進めてまいります。

財政再建の方はまだ5合目の少し手前といったところでございます。
世界文化遺産に登録された富士山をまた例にあげますが、5合目までは車で一気に上がれますけれども、そこからは自分の足で一歩ずつ険しい道を登らなければなりません。
すぐに効果の出る再建策の多くは実施済みであり、ここからは中長期的に効果の出る健全化策を一つずつ積み重ねていくことが大事であります。
資産経営の方はいよいよ資産カルテが完成し、将来的な公共施設のあり方、再配置などについて一定の結論を出すべき4年であります。
この4年で頂上に限りなく近い地点までは到達し、「頂上は見えた」と言える状況まで持っていきたいと考えております。

東日本大震災を教訓とした災害に強い街づくりとしては、東日本大震災で千葉市は液状化を始め甚大な被害を受けました。
この教訓を活かし、首都圏で最も防災・減災体制が官民ともに整った街にしていかなければなりません。
再度の液状化を防止するための宅地と道路の一体的な液状化対策は、住民の皆さんとともに工法の研究をし、最大200万円の補助制度も創設をいたしました。
これは、住民の合意次第ではありますが、液状化の被害を受けた都市の中で最も液状化対策に取り組む都市でありたいと考えております。
そして、自主防災組織、避難所運営委員会、要援護者支援体制の強化などの自助・共助・公助の防災体制の充実がこれからも必要であります。
そして、女性や外国人、さらには性的マイノリティなどの視点を取り入れた防災対策もこれからの課題であります。
学校施設の耐震化は計画を1年前倒しいたしましたが、しっかりと、計画通りに遂行できるよう、予算の確保・工事の発注に努めてまいります。
この間、危機管理体制も強化してまいりましたが、本庁舎のあり方につきましても早期に一定の方向性を出さなければなりません。
これまでの検討結果をもとに、議会の皆さまと相談をしながら方向性を決めて、近い将来必ず訪れる大災害の時に、市民の命を守るための総合的な拠点としてしっかり本庁舎が機能するようにしていきたいと考えております。

環境・リサイクルの分野としては、東日本大震災を受けての再生可能エネルギーの活用、そして循環型社会の実現のために、ごみの減量やリサイクルの促進に努めてまいります。
既にメガソーラーの整備、住宅用太陽光発電設備助成の大幅拡充などの取り組みを行ってまいりましたが、今後は学校施設を始めとする公共施設の屋根貸しを導入するなど、率先して再生可能エネルギーの普及をさらに促進をさせてまいります。
そして、家庭ごみ手数料徴収制度の来年2月の実施に向けて万全の態勢で臨んでいかなければなりません。
残り11,000トンまできた焼却ごみ1/3削減を達成し、2清掃工場体制への移行に向けた具体的な検討を行うとともに、最終処分場の延命化についてあわせて検討を進めてまいります。

これら方針や施策は私が1期4年間、千葉市の街づくりに携わる中で、千葉市のことを考えて下さる方々と意見交換をしながら策定させていただきました。
今後もそうした方々の街づくりへの想いをつなぐハブとしての役割を果たしながら、良いものは常に取り入れさせて頂き、柔軟に発展させ、オール千葉での街づくりに努めてまいります。

特に、私とともに二元代表制の一翼を担って頂いている市議会の皆さま方のご理解とご協力、さらにはご助言、ご指摘、時にはご批判は不可欠であります。
今後とも市議会での論戦などを通しまして、千葉市の未来づくりにお力をお貸し頂きますようお願いを申しあげまして、私の所信の表明とさせていただきます。

ご静聴いただきましてありがとうございました。

このページの情報発信元

総務局総務部総務課

千葉市中央区千葉港1番1号

ファックス:043-245-5555

somu.GEG@city.chiba.lg.jp

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