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更新日:2023年10月17日
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2018年6月13日、食品衛生法が改正されたことにより、原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施が求められます。 |
HACCPとは、原材料の受入から製造、製品の出荷までの一連の工程において、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を管理し、安全性を確保する衛生管理手法です。
食品等事業者の皆さんに実施していただく衛生管理は、規模や業種等によって分かれ、以下のどちらかになります。
なお、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象であっても、希望する事業者は「HACCPに基づく衛生管理」へとステップアップしていくことが可能です。
厚生労働省が示している各々の管理方法と対象事業者は、表のとおりです。
HACCPに基づく衛生管理(詳細はコチラ) | HACCPの考え方を取り入れた衛生管理(詳細はコチラ) | |
管理方法 | コーデックスのHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法等に応じ、計画を作成し、管理を行う。 | 各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行う。 |
対象事業者 |
|
など |
なお、厚生労働省は、本制度に関する国会審議、事業者の方からの問い合わせへの対応等を取りまとめ、厚生労働省のホームページに「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」(外部サイトへリンク)を掲載しましたので、ご覧ください。
HACCPに沿った衛生管理の制度化の施行日:2020年6月1日施行(経過措置期間1年)
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理とは、食中毒予防の三原則(有害な微生物をつけない・増やさない・やっつける)を基本に、今取り組んでいる衛生管理とメニューに応じた注意点をあらかじめ衛生管理計画として明確にし、実施し、記録する、この一連の作業のことです。
したがって、これまでと全く異なる対応ではありません。計画や記録により、衛生管理を「見える化」することです。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理については、事業者団体が作成し、厚生労働省が確認した手引書を利用して、温度管理や手洗い等の手順を定め、簡便な記録を行うことが想定されており、比較的容易に取り組めるものです。
厚生労働省のHPにおいて、この手引書が掲載されていますので、ご活用ください。
・HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(外部サイトへリンク)
なお、掲載されていない業種についても、業界団体が作成中、または、厚生労働省の確認中ですので、確認終了後に掲載される予定です。
また、当ページ下部にHACCP導入のための動画を作成しましたので、ご覧ください。
「小規模な一般飲食店(従業員数が数名程度)における衛生管理」では、
Step1:衛生管理計画の策定
Step2:計画に基づく実施
Step3:確認・記録
Step4:振り返り・見直し
という手順に従って実施します。
一般飲食店事業者における衛生管理計画は次の2つから構成されます。
【一般衛生管理のポイント(どの食品についても行うべき共通事項)】
1. | 原材料の受入の確認 |
2. | 冷蔵・冷凍庫の温度の確認 |
3.-1 | 交差汚染・二次汚染の防止 |
3.-2 | 器具等の洗浄・消毒・殺菌 |
3.-3 | トイレの洗浄・消毒 |
4.-1 | 従業員の健康管理・衛生的作業着の着用など |
4.-2 | 衛生的な手洗いの実施 |
【重要管理のポイント(食品の調理方法にあわせて行うべき事項)】
食品を10~60℃の温度帯(危険温度帯)においたままにすると、食品中の細菌がぐんぐん増えてしまいます。
しかし、この危険温度帯でも短時間なら有害なレベルまで増殖しませんので、短時間となるように、すばやく冷却するなどの対応が必要となります。
そこで、調理中の危険温度帯に着目して、次のとおりメニューを分類分けして、チェック方法を決めていきます。
第1グループ【加熱しない料理】
加熱調理工程がないため、食材に付着している有害な微生物を殺菌することができません。
そのため、有害な微生物に汚染されていない食材を使用するか、付着した有害な微生物が増殖しないように冷蔵庫(低温)で保管することが重要です。
鶏肉などの食肉は有害な微生物に汚染されている可能性があるので、十分な加熱を行うようにしましょう。
食肉などに存在している多くの有害な微生物は、75℃で1分間以上の加熱で死滅します。
そのため、中心部まで火を通すことが重要とされています。
また、加熱調理後、盛り付け時など手指や調理器具(皿なども含む)を介して食品を汚染させないように注意しましょう。
加熱調理したものを長時間室温に置いておくと、加熱しても食品に残っていたり、加熱後に付着した有害な微生物などが増えてしまい、食中毒の原因となります。
加熱後、保管する場合には、60℃以上で保管するか、危険温度帯(10~60℃)に長く留まらないように、素早く冷却することが重要です。
各々のグループのメニューとチェック方法の例は以下のとおりです。
この表のように重要管理の計画を作成します。
分類 | メニュー例 | チェック方法 | |
---|---|---|---|
第1グループ | 非加熱のもの (冷蔵品を冷たいまま提供) |
刺身、冷奴など | 冷蔵庫より取り出したらすぐに提供する。冷蔵庫の温度管理徹底など |
第2グループ | 加熱するもの (冷蔵品を加熱し、熱いまま提供) (加熱した後、高温保管) |
ステーキ、焼魚、焼鳥、ハンバーグ、てんぷら、唐揚げなど | 火の強さや時間、見た目、肉汁の色、焼き上がりの触感(弾力)など |
第3グループ | 加熱後冷却し再加熱するもの 加熱後冷却するもの |
カレー、スープ、ポテトサラダなど | 加熱後速やかに冷却、再加熱時の気泡、見た目など |
具体的な記入例は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」をご参照ください。
Step1で決めた計画に従って、日々の衛生管理を確実に行っていきます。
1日の最後に実施の結果を記録し、実施した衛生管理を「見える化」します。
また、問題があった場合にはその内容を記録用紙に書き留めておきましょう。
定期的(1か月に1回など)に記録の確認を行いましょう。
定期的に振り返ることで、同じような問題が起きている箇所はすぐに分かるようになります。
その問題が起きている点を改善することで、より衛生的で安全な食品の提供が可能になります。
一般飲食店の皆さんは、「これまで食中毒を起こしたことはない」「いつも衛生管理を徹底している」と自信をもって食品を提供されており、自ら衛生管理を計画し、これに基づき実施し記録を付けるという習慣はあまりないかもしれません。
しかし、この一連の作業を行うことは事故を限りなく起こさないために重要となり、つまりはお客さまの健康を守ります。
それは同時に、食を提供する事業者自身を守ることにもつながります。
この表は実際の食中毒の発生要因を病因物質ごとに調査・解析したものです。
この表からまとめると
病院物質 | 発生要因 |
---|---|
ノロウイルス | 調理従事者による汚染 |
カンピロバクター、腸管出血性大腸菌 |
|
サルモネラ属菌 |
|
ウエルシュ菌 |
|
などが主な発生要因として報告されています。
食中毒を防止するためには、これらの発生要因を除去または低減することが重要です。
つまり、食中毒予防の三原則を基本としたHACCPに沿った衛生管理を適正に実施すれば、食中毒の発生リスクを低減することができます!
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 とは |
衛生管理計画と記録の作り方 (小規模一般飲食店事業者向け) |
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HACCPに基づく衛生管理とは、食品等事業者自らが、各々の製品の特性(原材料、製造方法等)や施設の状況(施設設備、機械器具等)に応じた危害要因分析(HazardAnalysis:HA)や管理措置の決定、CCP(CriticalControlPoint:CCP)の特定等のコーデックスのHACCP7原則12手順を実践することです。その内容を踏まえた上で、衛生管理計画を作成し、衛生管理計画に沿って実施した内容を記録していただきます。
HACCPの実施には組織全体で適切に実施することが不可欠であることから、企業方針としてHACCP導入を決定の後、HACCPチームを編成して7原則12手順に沿って進めます。
手順1~5は原則1~7を進めるにあたっての準備となります。
HACCPに基づく衛生管理の実施に当たっては、厚生労働省のHPにおいて、事業者団体が作成し厚生労働省が確認した手引書と、厚生労働省が作成した手引書が各々掲載されていますので、ご活用ください。
このページの情報発信元
保健福祉局医療衛生部保健所食品安全課
千葉市中央区問屋町1-35 千葉ポートサイドタワー12階
電話:043-238-9937
ファックス:043-238-9936
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