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更新日:2019年12月4日
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心の輪を広げる体験作文
小学生部門 優秀作品
「私の大切なおばあちゃん」
H.F
(千葉市立弁天小学校 5学年)
私のおばあちゃんは、みんなのおばあちゃんのように元気ではないかもしれません。でもひどい病気だったり、大きな障害があるわけでもありません。私のおばあちゃんは物事をずっと覚えていられなくなる病気です。
おばあちゃんはよく新聞を読みます。お父さん、お母さん、おじさん、おばさんが、ただボーッとしているのはよくないから、とよく新聞を置いておくのです。するとおばあちゃんが手に取り、読み始めます。
「○○で○○があったみたい。」
と口に出しながら、面白そうに読みます。そして読み終わり、新聞をたたんだと思うと、その五分後にもう一度読み始める。そのくり返し。他にも、おばあちゃんは一人でよく、買い物に行きます。でもおばあちゃんは前に一人で買い物のと中、迷子になってしまった事がありました。その時は心配で、親せきみんなで探し回りました。でも家の近くを探しても見つからず、けい察にも協力してもらいました。すると家よりずっと遠い場所で見つかりました。おばあちゃんは店まで行く道を間ちがえて、どんどん歩いていくうちにすごく遠くまで行ってしまったそうです。警察の人がおばあちゃんを見つけた時の事を教えてくれました。おばあちゃんは何時間もずっと白い車のとなりですわっていたそうで、
「この車はむすめの車なんです。これからむすめがむかえに来るんです。」
そう言っていたそうです。確かにおばさんの車によく似た車だったそうでした。それを聞いた時、すごくおどろきましたが、それよりもっとおどろいたでき事がありました。
私は前におばあちゃんのおたん生日の日、おじいちゃんとおそろいの、はしをプレゼントしました。すると二人はうれしそうに
「ありがとう。ずっと大切に使うね。」
と受け取ってくれました。でも、しばらくたった日、家に行ってみると、いつもと同じ前のはしを使っていました。きっともらった事を忘れていたのでしょう。
「この前のはし、使ってくれてる?」
と聞いてみても、「はし?」と首をかしげるばかりでした。きっと
「これ、私達があげたはしでしょ?」
と聞けば、そうだったと思い出してくれるでしょう。でもその時、もう聞くのはやめました。おばあちゃんの病気はこんな病気なんだ、おばあちゃんはこんな病気になってしまったのだという、悲しみ、おどろき、こわさでいっぱいになったからです。あんなに笑顔で喜んでくれたのに、それを忘れてしまうなんて。そう思うとこわくて、聞けなかったのです。でもそんなおばあちゃんに何かしてあげることはないのかと思うようになりました。さっそくおばあちゃんの家の中を見て回ると、お父さんお母さん、おじさんおばさんの工夫がたくさんありました。例えば、冷ぞう庫にある物を忘れないように「トマト一個」「ピーマン一パック」などと冷ぞう庫に書いておいたり、前の日に「今日の夕飯」「明日の朝食」と作っておいたご飯に、ふせんをはっておいたり。それでは心配なので電話でお母さんやおばさんが、
「今日の朝ご飯食べた?薬も飲んでる?」
と確認したり、毎日交代で家に行き熱中症にならないよう、せん風機をつけてすずしくしたり、水分のほきゅうをしたり、しています。どうしても誰も行ってあげられない時に様子を見れるようにリビングにカメラをつけていたりもしていました。みんなの工夫を見た時少しでも上手く自分達で過ごせるように、がんばっているなんて、すごいと思い、自分がしてあげられることを見つけました。
私は冷ぞう庫に入っている物の工夫を見た時、もっと分かりやすくできないかと思って、絵を書いてみました。他にも、まだ夕方にもなっていないのに
「暗くなってきたね。そろそろまどをしめようか。」
と言ったおばあちゃんに、
「まだ大丈夫だよ。風も入るし気持いいよ。」
と止めたり、おばあちゃんと楽しく、頭の使うパズルなどをして遊んだりして、おばあちゃんがすずしく、楽しく過ごせるようにしました。
世界にはおばあちゃんと同じ病気をもつ人がたくさんいます。おばあちゃんの病気がこわくなった時もあったけれど、そんな事で私がこわがっていたらだめなんだ、病気になってしまったのは仕方がないのだから、その病気で苦しむ事がないように、病気でも楽しく生活できるように、支えてあげる事が必要だと気づきました。もし知り合いにそういう人がいるなら、相手の立場に立ち、思いやりをもち接する事が大切だと思います。そして、どんな事があっても、私の大切なおばあちゃんなので、これからもおばあちゃんを大切に思い、接してあげたいです。
このページの情報発信元
保健福祉局高齢障害部障害者自立支援課
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