更新日:2024年2月26日

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マイクロプラスチック実態調査を行いました

マイクロプラスチック実態調査に係る結果報告について

千葉市では、マイクロプラスチックの身近な現状について知るため、マイクロプラスチック実態調査を行いました。
(調査・研究 千葉工業大学 亀田研究室)

2021年11月~12月 海・砂浜調査

2023年7月~10月 河川調査

マイクロプラスチックとは

プラスチックは便利な材料です。熱を加えればどんな形にも安い値段で加工することができます。私たちが日々の生活の中で使うプラスチック量はどんどん増えています。私たちが街、海、川などにポイ捨てしたり、置き去りにしたプラスチックごみが風雨によって川などに運びこまれ、さらに海に流れ込み、紫外線や波などによって打ち砕かれたりして、小さなプラスチック片となります。こうして、5mm以下にまで微細化したプラスチックのことをマイクロプラスチックといいます。

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図1 川から海へとプラスチックは流れるイメージ図。人の手から離れたプラスチックは自然界に入り小さくなる

 

 

 

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写真1 プラスチック片(マイクロプラスチックの材料となる)

①は横浜港の岸壁近くで漂っていたプラスチック片。製品のままのもの、ちぎれて小さくなったものもある。②は千葉ポートパーク、③は幕張の砂浜に落ちていたプラスチック片。5mm以上なのでマイクロプラスチックではない。工業用のペレットやちぎれて小さくなったとみられるプラスチックがあった。

どうして海にプラスチックがあると問題なのか

海にあるプラスチックは人間の手で回収されなければずっとそこにあり続けます。そのような小さなプラスチックが海にどんどん増加しています。このまま増えていったら2050年には海の魚の重量と同じくらいの量のプラスチックが海に存在していることになると言っている研究者もいます。
また、海にあるプラスチックごみやマイクロプラスチックは海洋生物の目やのどに詰まったりすることもあります。マイクロプラスチックをたくさん食べた生物が吸収できる栄養分が減り、栄養不良になる恐れもあります。また、プラスチックに環境中で吸着した汚染物質が、捕食した生物に吸収されることを懸念する研究者もいます。

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図2 マイクロプラスチック微細化イメージ

 

2023年マイクロプラスチック実態調査(河川)※2024年2月時点。詳細は3月末頃に掲載します。

調査日

2023年7月~10月

調査地点

都川、支川都川、花見川、鹿島川の各2地点、計8地点
調査したすべての地点でマイクロプラスチックは検出されました。検出されたプラスチックの濃度は図1のとおりです。

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図1 河川におけるマイクロプラスチック濃度

各地点におけるマイクロプラスチック濃度は、1立方メートルあたり2.1個~8.8個です。2023年3月に環境省水・大気環境局水環境課が公開した「河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン」によると全国70河川・90地点におけるマイクロプラスチック濃度の平均値は1立方メートルあたり4.34個であり、今回調査した8地点のうち6地点で全国平均を上回りましたが、近隣自治体における河川調査の結果とは近い濃度となっています。

 

2021年マイクロプラスチック実態調査(海・砂浜)

調査日

2021年11月(砂浜)
2021年12月(海)

調査地点

千葉ポートパーク・ビーチプラザ(砂浜)、千葉港付近(海)
いなげの浜(砂浜)、いなげの浜付近(海)
検見川の浜(砂浜)、検見川の浜付近(海)
幕張の浜(砂浜)、幕張の浜付近(海)
調査したすべての地点でマイクロプラスチックは検出されました。写真3に検出されたマイクロプラスチックの一部を示します。海水で検出された粒子のほうが砂浜で検出された粒子より小さい傾向がありました。また、海では多数の繊維状のマイクロプラスチックも検出されました。

 


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写真2 マイクロプラスチックの砂浜サンプリング(上)と海水サンプリング(下)

 
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図3 海水サンプリングのイメージ図

 

環境省のガイドラインに沿って行った

 

 

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砂浜で検出された粒状マイクロプラスチック
 

 

 

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海水で検出された繊維状マイクロプラスチック

 

 

 

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海水で検出された粒状マイクロプラスチック

 

写真3 千葉ポートパークの砂浜で検出されたマイクロプラスチック

 

【濃度】
砂浜におけるマイクロプラスチック濃度を図4に示します。1平方メートルあたり47個~2059個です。2017~2018年の神奈川県環境科学センターによる砂浜調査結果も最大で1平方メートルあたり1900個と近い濃度です。

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図4 砂浜におけるマイクロプラスチック濃度

次に海水中のマイクロプラスチック濃度の結果を図5に示します。1立方メートルあたり0.2~3.0個です。2019年度に行われた環境省の東京湾調査では、今回の調査地点に近い地点が0.6個/立方メートルで一番低く、今回調査の3地点と濃度が近い値です。また、千葉ポートでは、3.0個/立方メートルと今回の他の地点と比べて高くなっていますが、これは港内部になり川から流れ込んだマイクロプラスチックが海に出にくく、溜まっていることが要因として考えられます。

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図5 海水におけるマイクロプラスチック濃度

 

なお、砂浜と海水中濃度はそれぞれ単位が違うのですが、図6に今回の結果をイメージとして表します。海の中のマイクロプラスチックの濃度が低くなっているように見えますが、もし1.0個/立方メートルのマイクロプラスチックが東京湾全体の表層にあったとしたら、15億個もの粒子が浮いている計算になります。

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図6 マイクロプラスチック濃度
(イメージ)

【プラスチックの種類】
今回、検出されたプラスチックの種類別の濃度グラフは図7となります。どちらも共通してPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEPP(ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂)がほぼ全ての地点で検出され、大きな割合を占めていました。日本のプラスチックの生産量の半数以上がPE、PPです。また、砂浜ではPS(ポリスチレン)がどの地点でも検出されていました。

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図7 千葉市の砂浜・海水におけるポリマー別マイクロプラスチック濃度

 

 

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表1【プラスチックの略称】

私たちの身近には様々なプラスチック製品がありますが、今回の調査でみつかった種類のプラスチックで作られている製品を例として写真4で示します。
PEは柔らかい材質なのでレジ袋、ラップなど、PPはそれより硬い材質で不織布マスクや魚網ロープなど、PSは熱に強い性質をいかして温かい食品を入れる食品容器や発泡スチロールなどに利用されています。食品用の容器、食品を販売するための袋などにもさまざまなプラスチック製品が使われています。

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写真4 プラスチック製品(例)

海をきれいにするには:
プラスチックは私たちの身の回りで数多く使われています。ポイ捨てと置き去りをやめて正しくごみとして捨てましょう!私たちの一つ一つの行動が未来の川や海、生き物を守ります!

 

マイクロプラスチック実態調査に係る結果報告について(PDF:1,938KB)

 

このページの情報発信元

環境局資源循環部廃棄物対策課

千葉市中央区千葉港1番1号 千葉市役所高層棟7階

ファックス:043-245-5624

haikibutsutaisaku.ENR@city.chiba.lg.jp

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