更新日:2022年12月13日

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公園の整備

公園整備の目的

本公園の計画は、京葉臨海開発事業のうち、稲毛海浜ニュータウン造成事業の一環として、埋立地の前面に大規模公園を造成し、埋め立てにより失われた海に対する市民の憧れを満たすものとして、海に関する効果的利用を図ることを主たるテーマとし、自然環境の保全と創造に努めるほか、この公園が千葉市におけるみどりと水辺のネットワークの核となる公園として、市民が楽しく手軽に利用でき、そして海浜ニュータウンと一体となって調和のとれた健康で文化性の高い魅力ある公園とします。

基本方針

  1. 都市づくりの一環として、魅力ある環境の骨格を構成する要素として本公園を位置づけます。
  2. 市民が海への憧れを満足でき得るように、海に関する利用を図るための施設計画を立てます。
  3. 海からの環境圧を緩和する機能を有する自然性の強い空間とします。
  4. 広域的な見地から観光対象となり得るような規模のレクリエーション施設を導入します。
  5. 立地条件が過酷なため、植物を生育させるためのプランニングに十分な配慮をします。
  6. 千葉港のシンボルとし、港湾都市にふさわしい海浜公園とします。

造成計画

埋め立て土壌は海底の浚渫土であり強いアルカリ性を示すため、在来土で造成した上にローム土(厚50cm)を客土し、更に土壌改良材(バーク堆肥)を混合し(表面15cm~28cmに10%混合)、植栽基盤を形成します。
また、樹木の生長期における潮風の直撃を防止するため築山・築堤・防風ネットを設置します。脱塩のための散水設備、排水設備の充実も行います。
さらに、敷藁によりマルチングを行い、強風による土壌水分の蒸散、冬季における表面温度の低下、夏期の表面温度上昇及び照り返しを防止するとともに、有機質肥料供給も行います。

植栽計画

海浜部における植栽のため、潮風に対し抵抗力のある樹種を選ぶ。樹木相互の共存社会を構成するように生態的植栽を行い、全体として防風機能を持たせ、なおかつ修景的要素を持たせます。クロマツ、ウバメガシ、ハマヒサカキなど潮風に強い樹木約104種類33万本の苗木を植栽します。

人工海浜の整備

経緯

昭和43年10月:稲毛臨海公園基本計画策定(人工海浜計画は盛り込まれていなかった)海浜公園の企画段階で提案された多くのアイデアの中には「海浜公園の前面に昔のような砂浜を」という意見が含まれていた。しかし当時、海流等によって自然海岸が浸食され砂浜が失われることを防ぐ「養浜工」は各地で実施されていたものの人工海浜の例はモナコのモンテカルロラルポット海岸で実施されているのみで、国内の例はなかった。養浜工においても漂砂原初の解析が非常に難解であり人工海浜の造成技術の蓄積が浅い分野であり設計の方法論も確立されていないため、実現化できるかどうかは白紙であった。

昭和48年:埋め立て工事の完了を待って、防波護岸の周辺状況の調査が実施されたが、埋め立て開始当初5~6mの水深が観測された防波護岸の外側は、埋め立てによる流出土が堆積し、干潮時には一部に干潟ができるまでに成長し人の歩行も可能な状態になった。

昭和49年:昭和48年の調査結果に基づき、堆積土砂の上にさらに盛砂を実施すれば人工海浜は実現できると確信し、「千葉市養浜実施計画書」を作成し、建設費の検討、詳細設計を進めた。人工海浜は造成前は水深2~4mの海域であった。ここに沖合3kmの海底より良質の砂を浚渫船により盛砂を行った。

昭和49年11月:人工海浜計画地は港湾区域内であるため、千葉市は港湾管理者である県知事に対して、港湾法に基づき砂浜についての水域占用許可、海浜の盛砂に使用する土砂の採取許可、導流堤設置のための構築物建設許可の各申請行った。

昭和50年1月:港湾法に基づく許認可
昭和50年2月:工事開始
昭和50年2月~9月:第1期工事(浚渫による盛砂施工及び導流堤施工)
昭和50年6月~10月:第2期工事(漂砂防止用細石敷均し)
昭和50年10月:工事完了
昭和51年4月27日:一般公開
昭和51年7月10日:「いなげの浜施設管理規則」を公布
昭和52年7月1日:上記規則を廃止して、都市公園法に基づく都市公園として告示(稲毛海浜公園)
昭和56年度:市政60年を迎えた記念事業としていなげの浜に市民参加によりクロマツを6万本植栽して「磯の松原」を完成させた。
昭和58年度:養浜 砂の補充約5万立方メートル
昭和62年度:B導流堤(東京側)の改修
平成4年度:B導流堤(東京側)の一部改修
平成8~9年度:A導流堤(千葉側)の改修
平成10~11年度:養浜 砂の補充約10万立方メートル砂利の補充約0.1万立方メートル潜堤1基
令和元年度:白砂による養浜工事(切盛り土工の後、砂浜表層に約25,000㎥の白砂を敷均し)

海浜規模

延長1,200m×幅200m=面積240,000平方メートル
(計画砂浜部分)満潮時 延長1,200m×幅50m=面積60,000平方メートル
干潮時延長1,200m×幅130m=面積156,000平方メートル
(余盛計画) 満潮時延長1,200m×幅80m=面積96,000平方メートル
干潮時延長1,200m×幅180m=面積216,000平方メートル
 

砂浜勾配

H.W.L.より陸側部 1/50~1/20
H.W.L.より海側部 1/100
 

盛砂土量(排砂管から全区域に同時棄てぶき)

750,000立方メートル(浚渫土量1、500,000立方メートル)歩止まり50%
 

侵食防止工

  • 漂砂防止用細石(粒径3~8mm、厚さ30cm)
    1,200m×130m×0.3m=46,800立方メートル
  • 導流堤(突堤)
    横からの流動や波浪による浸食を防止するとともに、両側にある水路から流出する都市下水の
    流入を防ぎ、人工海浜区域内の水質の保全を図ることを兼ねている。
    A導流堤・・・鋼矢板及び鋼管矢板自立式。延長200m
    B導流堤・・・ロックマット積上式。延長200m
     

磯の松原

昭和56年2月22日および3月1日市政施行60周年記念事業「磯の松原造成事業」
市民参加によりいなげの浜にクロマツの苗木6万本を植栽し、かつての美しい白砂青松を再現し、緑あふれる豊かな街を次の世代に残すための計画を実施した。
(クロマツ苗木(2~3年生)参加市民一人10本ずつ植え付け)
当初予定していた3000名3万本の植栽は瞬く間に応募でいっぱいになり、市ではあわてて植栽面積を2倍に広げなければならなくなる一幕もあった。
 

利用状況

公開から4日間でこの人工海浜を訪れた人々は3万人を超え、翌5月には17万人、ピーク日には7万5千人の人出を記録した。供用開始1年間で約90万人の利用客を記録した。
 

名称公募

名称は市政だよりを通じ公募され、旧稲毛海岸にふさわしく、しかも親しみのある「いなげの浜」に決定し命名された。
 

管理を運営

「いなげの浜」は、基本的には港湾法に基づく公有水面とみなされ、公有水面を占用して千葉市が管理を行うこととなっている。市では昭和51年7月10日「いなげの浜施設管理規則」を公布した。
その後、昭和52年7月1日、同規則を廃し、都市公園法に基づく都市公園として告示し、千葉市公園管理課が管理にあたっている。

生物生息状況(造成時)
昭和50年10月から砂浜の底生生物の定期定量調査と付近の概要調査を行ったところ、貝類を主として案外多種類の多量発生が見られ、また夏季に砂浜で曳き網を数日行って、来遊種を採集したところ意外に東京湾口から外海にかけての種類がかなり見られた。

  • 鳥類
    シギ類、チドリ類、カモ類、カモメ類など。
  • 魚類(種名の頭に○をつけたものは底生生物の調査時、他は曳網採集の来遊種、名称の頭に△印をつけたものは通常は湾口付近に生息する種)
    アカエイ、△ツバクロエイ、コノシロ、サッパ、△マアナゴ、サヨリ、ボラ、メナダ、△サバ、△ヒイラギ、△コバンアジ幼魚、スズキ、○△ヤガタイサキ幼魚、△アオスギ、△マフグ、○マコガレイ幼魚、イシガレイ、マハゼ、○マハゼ幼魚、○ビリンゴ幼魚など。
  • 軟体動物(種名の頭に◎印をつけたものは水深2m前後のやや沖合で採集されたもの、○印は底生生物の調査時に潮間帯での採集種、△印は通常は湾口付近に生息する種)
    △コウイカ、○アカニシ、○イボニシ、○アラムシロ、○シオフキ、○バカガイ、◎アサリ、○アサリ稚貝、○サルボウ、サルボウ稚貝、○トリガイの1年物、ホトトギスガイ、マガキなど。
  • 甲殻類(同上)
    △ガザミ、○△ガザミ幼体、△ジャノメガサ、イシガニ、○イシガニ幼体、○ヒライソガニ、○ケフサイソガニ、○コメツキガニ、○マメコブシガニ、クルマエビ、シバエビ、○エビジャコ幼体、○シロスジフジツボなど。
  • 苔虫類(同上)
    ○フサコケムシの1種
  • 多毛類(同上)
    ○スゴカイイソメ、○スピオゴカイ類、○カンザシゴカイ類など。
  • 腔腸動物(同上)
    ミズクラゲ、タテジマイソギンチャクなど。
  • 緑藻類(敷詰め細石や導流堤岩石、ブロック、矢板等に付着)
    ボウアオノリ、スイジアオノリ、アナアオサ、ハネモなど秋季から初夏に多い。
  • 底生性付着珪藻類(満潮線下の細石や盛砂の表面岩石、ブロック、矢板等の表面に付着)ほとんど周年見られる。

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都市局公園緑地部中央・美浜公園緑地事務所

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