風水害対策

 
IV 都市型水害に備える
 
 

1. 都市型水害の危険性について

 

都市では、地表のほとんどが建物やアスファルトの道路で覆われたため、雨水が地下にしみ込みにくく、短時間に大量の雨水が河川や下水道に集まるようになっています。そのため、河川の氾濫や地盤の低い地域における浸水がたびたび発生するようになりました。

さらに近年は、河川や下水道の整備水準を上回る豪雨が頻発しているほか、地下利用の増加や都市機能の集積などにより、浸水時の被害形態が変化しつつあります。平成11年には、東京都新宿区や福岡県福岡市で地下への浸水による死亡事故が発生したほか、平成12年には、名古屋市を中心に東海地方で記録的豪雨による大きな被害が発生しています。

 

2. 都市型水害の背景

 

◆市街化の進行

◆都市機能の集積

電力・通信の不通、鉄道・道路などの交通機関の混乱により、都市機能がマヒすると、その影響は首都圏、あるいは全国へと広がります。

◆整備水準を上回る豪雨の増加

ヒートアイランド現象によるものと考えられる局地的な集中豪雨など、河川・下水道の整備水準を上回る豪雨が頻発しています。

◆広がる地下の利用

地下街やビルの地下階は、事業所や飲食店、駐車場などに広く利用されています。また、一般の住宅でも地下室が増えており、いざというとき、急な浸水や停電により、避難が遅れるなど浸水被害が拡大します。

千葉市の都市型水害対策

千葉市では安全で安心なまちづくりを目指すために、10年に1度の大雨に対応できるような施設の整備を行うとともに、排水路や都市下水路の整備と河川の改修を進めています。

また、雨の降った場所で貯めたり浸透させるため、道路、学校などの公共施設に雨水浸透施設などの整備を進めています。さらに、浸水被害の原因究明や対策を効率的に進めるために降雨と流量の観測を実施するほか、都川の洪水ハザードマップを作成しました。