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更新日:2020年1月14日

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千葉市都市文化賞2017」の受賞作品が決定しました。

本年度は平成29年7月3日から8月31日まで募集を行いましたところ、36点のご応募がありました。
多数のご応募をいただきましたことを、心よりお礼申し上げます。
応募された中から千葉市景観総合審議会表彰選考部会での選考により下記のとおり受賞作品を決定しました。
 また、「千葉市都市文化賞フォーラム2017」と題した、表彰式とパネルディスカッションを以下のとおり行いました。
たくさんのご来場をありがとうございました。


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   (↑受賞者、選考委員及び主催者による記念写真) 


「千葉市都市文化賞フォーラム2017」

  • 日時 :平成29年12月17日(日曜日) 13時30分~17時00分
  • 場所 :千葉市美浜文化ホール(メインホール)
  • 入場料:無料
  • 内容 :<1部>表彰式
        <2部>作品紹介・パネルディスカッション

総評

 本年度の応募作は景観まちづくり部門8件、景観広告部門17件、建築文化部門11件、3部門合わせて36件でした。応募数は例年に比べ少なかったものの、質の高い作品が多く見られました。書類審査で18点に絞込み、一日かけて現地審査を行いました。しかし、景観まちづくり部門は現地審査が難しい点があります。特にイベントにかかわるまちづくりは、イベント当日に審査するわけではないので、視覚的なものだけではなく、背後にある物語や、時間の経過による成果など多くの補足情報を集め、慎重に審査しました。
グランプリは「東京クラシック 森のクラブハウス・馬主クラブ棟」が満票で選ばれました。「建築があることで風景になる」という、建築と環境の望ましいあり方の手本とも言える、ランドスケープと一体となった美しい建築です。いつまでも居たくなるような居心地の良い空間と、人と馬と自然と建築が織り成す、見ていて飽きない風景が実現しています。
先日、風景学の第一人者の中村良夫先生(風景学入門の著者)の講演を聴く機会がありました。
今回の審査と関わりそうな部分の要旨を以下にまとめてみます。
「風景」は一朝一夕には作れない。作れないからこそ価値がある。時間の経過の中で、人間の生活が溶け込んだ「風景」には、独特の味わいや風格があり、まさに「都市文化」「生活文化」を表徴する共有財産ともいえよう。今後もより良い「風景」を作り出す一方で、既存の良い「風景」を誇るべきものとして大切に維持する努力が必要である。しかし、現代は政治的意図や経済原則が優位を占める為、せっかく積みあがった好ましい「風景」も、たちまちのうちに壊され、味気のないものになってしまうケースも多い。このような時代において我々は、政治、経済の枠組みのみでは語れない「風景の断片である風物」に注目すべきではないか。このように、中村先生の話は「風景論」から「風物論」に移って行きました。「風景の断片としての風物とは何か?」「風物」とは、「風物詩」というフレーズで良く語られる。その地域固有の生活文化、四季折々の自然の変化、祭りや行事。つまりはその地域で生活する人間の、記憶や日々の暮らしそのものを愛でることである。人間がその地域で深く関わる環境、衣・食・住、を丁寧に観察し、それらに固有の名前を与えること。俳句や和歌に詠むこと。物語を創作すること。これらすべてが「風物」につながると中村先生はまとめられました。
今回の景観まちづくり部門では「稲毛八景―海の記憶をめぐる」と「夜灯(よとぼし)」が優秀賞を受賞しました。ひとつは海の記憶を「稲毛八景」と名づけ、皆で共有し、未来につなげていく試みです。一方は、同じく稲毛のあかり祭りを、稲毛の浜で昔行なわれていた「夜とぼし漁」から「夜灯(よとぼし)」と名づけ定着させてきたイベントです。まちづくりにおいて、その土地固有の名前を与えることで事物の意味を顕在化させ、「風物」に織り込み、地域を活性化させてきたこの二つの業績を高く評価しました。

千葉市景観総合審議会
千葉市都市文化賞表彰選考部会 部会長 栗生 明

受賞作品

グランプリ(1件)

東京クラシック 森のクラブハウス・馬主クラブ棟

所在地:若葉区和泉
施 主:(株)東京クラシック

設 計:古谷デザイン建築設計事務所

施工:(森のクラブハウス)(株)松村組 東京支店

  :(馬主クラブ棟) 根本建設(株)

   201701   201702                
撮影者:山内 紀人

この敷地は、かつてゴルフ場開発のための植林場であり、20年ほどの時間をかけて成長した樹木が整然と並んでいる風景に溶け込ませて、奇をてらうことなく、さりげなく際立つ建築デザインとなっています。また利用者や管理者に対するだけでなく馬たちにも優しい配慮がそこかしこに取り込まれています。
乗馬経験者の私としては、大好きな馬に触れて懐かしさを感じると共に、その環境に心が癒されました。
講評 八木 健一 

 

優秀賞(6件)

【景観まちづくり部門】稲毛八景ー海の記憶をめぐるー

所在地:稲毛区稲毛1丁目、稲毛町5丁目 他 施主:いなげお話会
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「いなげお話の会」の講師である西川明氏の発案で、消えゆく稲気の海の記憶を後世に伝える「稲毛八景」を選定される動きが生まれたのが2013年。2年の歳月をかけ中国河南省の瀟湘八景に倣い、すでに文化賞を受賞している「ゆかりの家」は「ゆかりの家夕照」というように、晴嵐、晩鐘、夜雨、夕照、帰帆、秋月、落雁、暮雪を冠した景色を稲毛に見出しました。稲毛八景をめぐるツアー等も行われ、稲毛の海の記憶がない人々に、新たな稲毛の魅力を発見するきっかけや、街あるきの楽しさを生む良い試みです。
講評 山﨑 誠子 

 

【景観まちづくり部門】稲毛あかり祭夜灯

所在地:稲毛区稲毛東2丁目 施主:稲毛あかり祭-夜灯実行委員会   
  201705    sa
都市景観は必ずしも視対象としての固定的、静的な空間ばかりではなく、「無形の記憶媒体」として、ある時、ある瞬間にその場に立ち現れるものがあってもよいと思います。本プロジェクトは、地域住民、大学、小中学校が連携する現代的な地域共同体により10年以上継続する「まつり」です。漁村景観を抽象的に想起させるカンテラを用いて動態的に展開する空間が媒体となり「海岸都市に潜在する漁村の記憶の風景化」に成功しています。
講評 霜田 亮祐 

 

【景観広告部門】TIMBER YARD

所在地:美浜区新港
施 主:(株)コージーライフ
設計:(有)設計アトリエ
施工:(株)コージーライフ
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会社の歴史を語る名が付けられた「TIMBER YARD(材木置き場)」は、インテリアショップ、カフェ、ショールーム等が敷地に点在し、豊かなライフスタイルを提案する心地よい空間となっています。特に、リニューアルされたロゴマークは、シンプルでありながら、洗練されたグラフィックであり、ドアマット等にさりげなく展開しています。道路に面して敷設された白壁にさりげなくロゴマークと案内図が上質な屋外広告として表現され、街並み形成にも寄与している点も高く評価されました。
講評 菊竹 雪 

 

【景観広告部門】the Farm UNIVERSAL CHIBA

所在地:稲毛区長沼原町

施主:株式会社ユニバーサル園芸社

 201909   201808 
工場跡地利用のショッピングモール[フレスポ稲毛]の敷地内に大きな面積を占め、花・植物・雑貨販売と共にカフェを展開する「the Farm UNIVERSAL CHIBA」。緑に囲まれて営業するその存在を知らせるのは、ジョウロと店舗を組み合わせた半立体の愉しいフォルムのサインや、板塀に描かれ風雨にさらされたテクスチャを見せるサイン、地面に置かれた金属製のサイン等、それぞれがデザインの統合を図らない自由で自然体であることが緑を扱う業種として魅力的です。
講評 田口 敦子

 

【建築文化部門】高洲スポーツセンター

所在地:美浜区高洲4丁目
施 主:千葉市
設計:株式会社INA新建築研究所
施工:旭・式田建設共同企業体
 toshi13  201710
撮影:川澄・小林研二写真事務所
東日本大震災による液状化により、隣接地に建て替えられた市民プール・体育館です。敷地には埋め立て地の中でわずかに残された水辺に「こじま丸」が係留され、船上の公民館として親しまれてきました。この場所の記憶を継承するように、「こじま丸」をモチーフにしたデザインが随所に見られます。例えば、プールの水面に映し出された建物はまるで水に浮かぶ船のようです。隣接するこじま公園との間にはプロムナードが整備され、公園との繋がりもうまくデザインされています。
講評 松浦 健治郎 

 

【建築文化部門】東洋理容美容専門学校 本館

所在地:中央区春日2丁目
施 主:学校法人 東洋理容美容学園
施 工:旭建設 株式会社

設計:株式会社一空建築工房

   +千葉大学 鈴木弘樹研究室(設計監修)  

   201711   201712
撮影者:佐藤 信太郎

調和とは、周りへの配慮があって成立するものだと考えていますが、この東洋理容美容専門学校本館は、理容美容の学校ということだけあり、調和・美しさ・清潔感を外観と内部共に上手く表現している事例であると思います。
外壁窓を周辺住宅に正対させない配慮により、ややもすれば閉鎖的な空間になってしまいそうですが、教室内の壁一面に設置された鏡により奥行感が生まれています。また、設計時には専門学校の学生・教員が千葉大学生と意見を出し合い、作り上げていった点も高い評価に値すると思われます。
講評 大内 啓子 

 

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