腸管出血性大腸菌による食中毒に注意しましょう
腸管出血性大腸菌の特徴をよく知ることにより、食中毒に注意しましょう。
- 令和5年10月に、ひき肉調理品(ハンバーグ)を原因とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒が発生しました。
- 令和5年2月に、「馬刺し」を原因とする腸管出血性大腸菌O26による食中毒が発生しました。
- 令和4年8月に、加熱調理が不十分であった食肉を原因とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒(患者のうち1人死亡)が発生しました。
- 平成30年5月25日以降、埼玉県、東京都、茨城県及び福島県で発生しました腸管出血性大腸菌O157による食中毒・感染症の事案のうち、6件について、患者からの菌の遺伝子型が同一であったことが確認されています。
- ご家庭での調理の際には食品の中心部まで十分に加熱する、生で食べる野菜はよく洗うなどして、食中毒を予防しましょう。
1.腸管出血性大腸菌とは
- 下痢原生大腸菌(病原大腸菌)の一種で、牛などの動物が腸管内に保有している場合があります。
- 腸管出血性大腸菌には「O157」、「O26」、「O111」などがあります。
- 人の腸管内で「べロ毒素」という強い毒素を産生し、出血性の腸炎を起こします。
- 感染力が強く、100個程度の少ない菌でも感染します。
2.潜伏期間、症状
- 潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が4~9日と長く、感染源が特定しにくい要因となっています。
- 主な症状は激しい腹痛や水溶性の下痢、血便などです。
- 特に、抵抗力の弱い子どもや高齢者は、溶血性尿毒症(HUS)や脳症(けいれん・意識障害など)が発症するなど重症化しやすく、死に至ることがあります。
3.腸管出血性大腸菌食中毒予防のポイント
- 十分に手を洗いましょう
食事の前、トイレの後、調理する前はしっかり手を洗いましょう。
- まな板などの調理器具は用途別に使い分けましょう。
- 野菜や果物はしっかり洗いましょう
加熱しないで食べる野菜や果物は十分に洗浄し、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌しましょう。
- 肉の生食はやめましょう
レバー等の食肉を生で食べることはひかえるとともに、加熱不十分な食肉(牛タタキ等)をお子様、ご高齢の方や抵抗力の弱い方には食べさせないようにしましょう。
- 「箸」などの使い分けをしましょう
焼肉やバーベキューの時は、生肉をつかむ調理用の箸(トングなども)と食事用の箸は別のものを使用し、よく焼いて食べましょう。
- 食品は十分加熱しましょう
腸管出血性大腸菌は75度で1分間以上の加熱で死滅しますので、食肉も加熱して食べる限り、安全です。
特に、ハンバーグなどの挽肉を使った食品、テンダライズ処理(針状の刃を刺し通し、原形を保ったまま硬い筋や繊維を短く切断する処理)、タンブリング処理(調味液を機械的に浸透する処理)、結着(他の食肉の断片を結着させ成型する処理)を行った食肉は、中心部まで75℃で1分間以上加熱して食べましょう。
更に具体的な家庭での食中毒予防のポイントは、下記リンクに掲載されています。