千葉市動物公園 > アカデミア・アニマリウム(教育・研究) > アカデミア・アニマリウム講演会 > ちばZOOフェスタ2024 生物多様性フォーラム
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更新日:2024年9月27日
動物園の社会的役割として、「種の保存」「調査研究」「教育普及」「レクリエーション」があります。千葉市動物公園では、さまざまな学校、研究・学術団体、企業との連携も含め、包括的な調査研究、教育普及活動を「アカデミア・アニマリウム」と称し、活動を推進しています。
本イベントでは「生物多様性フォーラム」として、学識者による基調講演や、当園と連携する学生による活動・研究報告を行います。
※協力 イオン環境財団
生物多様性について考える2日間
11月2日、11月3日の講演の一部は千葉市動物公園公式YouTubeでリアルタイム配信を行います。
アーカイブ配信は全日程とも予定しておりません。
木村 幸一郎(きむら こういちろう) 『大池の生物調査を踏まえた今後の保全計画について』 11:00~11:50(発表45分、質疑応答10分) 昨年度実施した大池の生物調査によって、大池内部や大池周辺には、多種多様な生物が生息していることがわかってきました。その結果を踏まえて、今後はどのように保全していくのか、今年度の活動の進捗状況を加え、お話していきたいと思います。 |
五箇 公一(ごか こういち) 国立環境研究所 生物多様性領域 室長・教授 『サブカルから見る・・生物多様性の意義』 「生物多様性」・・非常に重要な環境キーワードでありながら、その意味や意義に関する理解はなかなか難しいと思います。そこで、この講演では、私の趣味であるS F映画やアニメ、フィギュアといったサブカルの世界を通して、生物多様性とは何か?なぜ重要なのか?私たちはどのように生物多様性に向き合っていくべきなのか?という疑問について徒然なるままに語ってみたいと思います。 |
成島 悦雄(なるしま えつお) 『21世紀の動物園の役割と大池整備の関係』 動物園は長年、野生動物を身近に観察できるリクリエーションの場として市民に愛されてきました。しかし、野生動物の生息環境は人類の経済活動が原因で悪化の一途をたどっています。この動きにストップをかける必要がありますが、そのために動物園ができることは何か、大池整備の在り方も含めて皆さんと考えてみたいと思います。 |
スペシャル対談
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『百聞は一見に如かず・僕らが見たボルネオの姿』 2024年8月、中学生〜大学生を中心とした10名のメンバーは熱帯雨林の島・ボルネオに向かった。目的は近年話題になっているパーム油用アブラヤシ農園とオランウータンなど野生動物の関係を現地で理解すること、挑戦として東南アジア最高峰・キナバル山登頂である。事前に学習会を積み重ね、富士山登山も含めてトレーニングを繰り返し、いざ現地へ。パーム油で繋がる日本とボルネオ−実際に現地で体験し、見聞きしたことには大きな学びがあった。現地NPOからのメッセージを含め、キャンプのメンバーが旅の記録と共に、学んだ価値を共有したい。 |
『千葉市動物公園のゴリラにおける環境エンリッチメント-植樹による行動変化の解析-』 飼育動物の福祉を向上させるための環境エンリッチメントへの取り組みが重要視されています。千葉市動物公園では、ニシゴリラの展示場に植樹を行い、ゴリラ本来の行動の発現や能力を引き出す環境作りを目指しています。そこで、植樹によるゴリラの空間利用の変化や植物利用について研究を進めています。本発表では、植樹前の2頭のニシゴリラの空間利用や行動について紹介します。 |
『ニホンザルの個体差に関わる遺伝子の解析』 ヒトにおいて性格によって行動が異なるように、動物の行動にも個体差がみられます。その個体差には、環境的な要因だけでなく遺伝的な要因も関わっていることがわかってきています。そこで、千葉市動物公園のニホンザルを対象に、行動の個体差に影響する遺伝子の解析を進めています。本発表では、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ遺伝子に関する研究の進捗状況などを報告します。 |
『飼育下の樹上性霊長類の活動に及ぼす来園者の影響』 来園者は展示動物の活動に影響を及ぼす重要なファクターの一つであり、様々な動物種において、それぞれポジティブ、ネガティブな影響が多数報告されています。では、千葉市動物公園で飼育されている樹上性霊長類(ジェフロイクモザル、クロシロエリマキキツネザル、ブラッザグエノン)はどうでしょうか?今回は、樹上性霊長類3種を対象に、展示時間中の活動に及ぼす来園者の影響について調査した結果の一部を発表します。 |
『飼育下の地上性・半地上性霊長類の活動に及ぼす来園者の影響』 展示されている動物が来園者をどのように感じているのか考えたことはありますか?来園者は、展示動物に影響を与える要因の1つであり、今まで様々な動物種において、ポジティブ・ネガティブな影響について多数報告されています。今回は、千葉市動物公園で飼育されている地上性・半地上性(パタスザル・クロザル・マンドリル)の霊長類3種に及ぼす来園者の影響についてご紹介したいと思います。 |
『ハシビロコウ(しずか)の産卵実録!』 ハシビロコウの繁殖例は全世界でも過去に2例しかありません。千葉市動物公園で飼育されている「しずか」は国内で唯一の産卵経験がある個体で、今年6月15日にも産卵が見られました。この貴重な事例について、行動や気象条件、ホルモンの変化などを調査しています。これをもとにハシビロコウの繁殖に貢献できる研究を志しています。 |
『動物園来園者への観察支援が動物への興味・関心に及ぼす影響』 動物園において、環境教育は重要な役割の1つであり、動物園が提供する情報の量・質は、来園者の動物の知識と保全に対する態度に影響を与えることが明らかになっている。しかし、能動的な学習を促す参加型ワークに関する先行研究は少なく、効果はあまり検証されていない。本研究では、動物園来園者の科学的な理解を深めるため、動物園における能動的な学習を促すワークシート配布の情報提供の効果を、動物への認識や保全活動への意思への影響、生物多様性への意識を比較することで検証する。研究背景、目的、方法、収集したデータの傾向などを発表する。 |
『陸上脊椎動物161種の酸味選好性』 動物の酸味への適応については、他の甘味や苦みなどの味覚と比べてほとんど分かっていません。そのためなぜ酸味が進化したのかについて調べるために、動物園で動物に与えている餌についてのアンケートを行い、161種の動物の酸味選好性を定量化しました。この結果をもとに酸味選好性と動物の採餌場所、食性、アスコルビン酸生合成能という3つの項目との関係を調べることで、酸味の進化的意義について明らかにしていきます。 |
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