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屠体給餌プロジェクト報告会

更新日:2025年11月19日

アカデミアロゴ

 動物園の社会的役割として、「種の保存」「調査研究」「教育普及」「レクリエーション」があります。千葉市動物公園では、さまざまな学校、研究・学術団体、企業との連携も含め、包括的な調査研究、教育普及活動を「アカデミア・アニマリウム」と称し、活動を推進しています。

屠体給餌プロジェクト報告会

 千葉市動物公園では、ライオンとハイエナに屠体給餌(とたいきゅうじ)を行っています。屠体給餌とは、毛皮や骨のついた肉をそのまま与える給餌方法で、肉食動物本来の採食様式を引き出し、「動物たちの生活の質の向上」にもつながるとされています。一方で、千葉県を含む全国では多くのシカやイノシシが害獣として駆除されていますが、そのほとんどが廃棄されています。そこで当園では、これら廃棄対象となる個体を有効活用し、屠体給餌に用いています。さらに、これまで屠体給餌は主に行動面での効果が注目されてきましたが、さらなる有用性を探るため、当園は2021年に「屠体給餌プロジェクト」を立ち上げました。現在は多様な学術機関と連携し、栄養面の評価や長期的な影響などについても研究を進めています。また、本プロジェクトは「屠体給餌プロジェクトクラウドファンディンング」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)や、農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金(鳥獣被害対策基盤支援事業)」(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く)のご支援を受けて推進しています。この「屠体給餌プロジェクト報告会」は、ご支援者やご来園の皆さまにプロジェクトの状況をご報告と理解促進を目的に開催しています。

この取り組みは、第5回(令和5年)ちば講座アワード(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開く) 大賞 を受賞しました。

chibaaward

(PDF:283KB)

 これまでの報告会

  • 第1回:2022年11月6日
  • 第2回:2023年5月20~21日
  • 第3回:2023年11月12日
  • 第4回:2024年5月6日

詳細はこちら

 第5回 屠体給餌プロジェクト報告会

 毛皮や骨のついた肉の給餌は、動物園の肉食動物本来の採食様式を発現できる給餌方法として有効とされています。一方で、実際に全国の動物園で実施されるためには様々な課題がありました。今回の報告会では特に、森林総合研究所が行った全国の動物園を対象としたアンケート調査の結果や、現在岐阜大学と共同で行っている栄養学的影響について報告します。

第5回屠体給餌プロジェクト報告会

  • 13:00 屠体給餌プロジェクトの概要と進捗報告
  • 13:20 鳥獣被害の現状と対策、捕獲個体の利活用ヘ
  • 13:50 屠体給餌が普及する条件を探る:
            全国動物園アンケートの結果から
  • 14:20 肉食動物におけると体給餌の栄養学的影響について

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 講演内容詳細

屠体給餌プロジェクトの概要と進捗報告

 千葉市動物公園 研究員 中山侑

 本講演では、当園が屠体給餌に取り組む理由や背景をご紹介します。また、屠体給餌クラウドファンディングの支出状況を含めた現在の進捗についてご報告し、さらに屠体給餌プロジェクトの今後の計画についてもお話しいたします。

鳥獣被害の現状と対策、捕獲個体の利活用ヘ

 日本大学 生物資源科学部動物学科 教授 細谷忠嗣

 増え過ぎた野生動物による被害対策として捕獲を中心とした対策が継続して進められている。捕獲数の現状の傾向と、国の鳥獣対策に対する方針について紹介する。また、捕獲された野生動物の多くが廃棄されている現状もあり、ジビエ他での利活用が推進されている。動物園での屠体給餌への利用の現状などの利活用の推進について紹介する。

屠体給餌が普及する条件を探る:全国動物園アンケートの結果から

 森林総合研究所 林業経営・政策研究領域林業システム研究室
 室長 御田成顕

 屠体給餌が普及していくためには、動物園が考えている屠体給餌への不安を知り、それを解消しなければいけません。そこで、全国の動物園を対象にアンケート調査を行いました。屠体給餌の実施状況や屠体給餌への期待と不安、屠体給餌実施の課題について報告します。屠体給餌の普及に向けて、どうすればよいのかを考えていきましょう。

肉食動物におけると体給餌の栄養学的影響について

 自然科学技術研究科 動物栄養生態学研究室 北村心絵

 野生の肉食動物は毛皮や骨のついた獲物全体を摂取しているが、動物園では生肉のみを給与するため健康問題が懸念されている。そこで、本研究ではハイエナ科とネコ科動物に,毛皮や骨のついた“と体”を給餌した。いずれの動物もと体を問題なく摂取したが,と体に含まれる骨や毛の影響で栄養成分消化率が生肉給餌よりも低下することが分かった。

 

 と体給餌利用促進コンソーシアム

 「と体給餌利用促進コンソーシアム」は、 2023年6月に農林水産省の鳥獣被害対策基盤支援事業(と体給餌利用促進事業)により発足されたコンソーシアム(共同事業体)です。日本大学生物資源科学部を代表とし、全8機関で構成されています。各専門分野を活かして屠体給餌利用促進のための8つの目標(①検討体制の構築, ②と体給餌用エサに関する調査, ③マニュアル作成, ④給餌方法の明確化, ⑤流通体制の構築, ⑥新規需要の創出, ⑦と体給餌用エサとしての利用の普及啓発, ⑧その他事業の目的を達成するために必要な取組)を達成するために活動しています。その中で、千葉市動物公園は「④給餌方法の明確化」の研究分担を受けています。

構成機関

 日本大学生物資源科学部,国立研究開発法人森林研究・整備機構,豊橋総合動植物公園,千葉市動物公園,
 中部大学応用生物学部,株式会社糸島ジビエ研究所,学校法人酪農学園,札幌市円山動物園

事業監修

 農林水産省 農村振興局 鳥獣対策・農村環境課 鳥獣対策室 鳥獣利活用調査班

「給餌方法の明確化」への協力機関

 ・日立市かみね動物園(研究協力)
 ・静岡市立日本平動物園(研究協力)
 ・地方独立行政法人天王寺動物園(研究協力)
 ・岐阜大学(研究協力)
 ・ALSOK千葉株式会社(屠体肉処理・研究協力)
 ・野生動物命のリレーPJ(屠体肉処理)

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