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更新日:2021年4月22日

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令和3年第1回臨時会市長あいさつ

議長のお許しをいただきましたので、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
このたびの市長選挙におきまして、多くの市民の皆様の支持を賜り、市政の重責を担わせていただくことになりました。
市制施行100周年という大きな節目を迎えた中で、まちづくりのかじ取り役を託されましたこと、大変光栄であるとともに、課せられた使命と責任の重大さに身の引き締まる思いがいたします。

これまでの熊谷前市長の12年間の市政の中で、徹底した行財政改革により政令市ワーストであった財政状況から脱却するとともに、保育所待機児童ゼロの達成、地域包括ケアの推進など子育て・福祉施策を充実しながら、企業立地施策の強化による雇用・税収の確保、幕張新都心の活性化や、国家戦略特区を活用したドローン宅配、自動車の自動運転といった未来技術の実証にも積極的に取り組むなど、未来志向のまちづくりがなされてまいりました。
私は、約5年間千葉市政を支えた経験も活かして、熊谷前市長と市議会の皆様方が築き上げてこられた市政を基本的に受け継ぎながら、これからの4年間、さらに市政を前に進め改革の流れを止めない市政運営を行ってまいります。

現下の状況を踏まえますと、最も緊急性が高く、優先して取り組むべきは、新型コロナウイルス感染症対策と危機管理・防災体制の構築の2つであります。

はじめに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
令和元年に発生いたしました新型コロナウイルスは全世界で感染が拡大し、甚大な影響を及ぼしております。本市の累積感染者数は5,600人を超え、現在も新たな感染の拡大が危惧されている状況です。市民の皆様には不要不急の外出自粛、会食や旅行をお控えいただいているほか、市内の事業者の皆様には営業時間の短縮やリモートワークを活用し出勤者を減らしていただくなど、感染拡大防止に御協力をいただき、心苦しく感じております。感染拡大を抑えつつ、生活、そして経済への影響をいかに緩和し、回復につなげていくかが、現在、最も優先して対処すべき事項であります。
まず、感染防止に大きな効果が期待されるワクチン接種を、迅速かつ安心して受けられる環境づくりであります。高齢者向けの接種は、4月12日以降、高齢者施設に入所されている方から開始しており、それ以外の高齢者には、4月20日までに接種券をお届けし、5月10日の週から、順次接種を開始する予定であります。お住まいの近くで接種いただけるよう、かかりつけ医など身近な医療機関や入所されている施設などにおいて、千葉市医師会などの御協力をいただきながら個別接種の体制を整えているところでございます。さらに、これを補完する形で、千葉市中央コミュニティセンターでの集団接種も実施してまいります。併せて、ワクチンに関する正確でわかりやすい情報発信を行い、市民の皆様に接種の効果とリスクの双方について御理解いただけるよう努めてまいります。
加えて、大規模な感染の状況をいち早く把握し、必要な対策を講じるため、感染状況を勘案しつつ、クラスターの発生しやすい施設におけるPCR検査を行ってまいります。市内の高齢者・障害者施設の従事者を対象として検査を行うほか、新規入所者が受ける検査に係る費用を助成してまいります。さらに、接待を伴う飲食店につきましては、昨年度から実施をしている一部の繁華街における従業員の無料検査の対象を拡大し、本年4月からは市内全域を対象としたところです。
また、コロナ禍の長期化により困難に直面している事業者や市民の皆様への支援を行ってまいります。事業者への支援といたしまして、国の一時支援金や県の飲食店に対する協力金の対象外となる事業者に対して本市独自の給付金を創設するほか、市民の皆様への支援として、お子さんの多い世帯における子育ての負担を軽減し、一層厳しくなっている家計を支援するため、第3子以降の学校給食費を無償化します。また、感染拡大が収まった後、感染の再拡大に十分留意をしながら、自宅にこもりがちになった高齢者の健康づくりや外出支援を推進するとともに、習いごとの支援など、市民生活を活性化し、市内のサービス業等の中小企業の事業継続をも支援する施策を今後行ってまいります。

次に、危機管理・防災体制の構築です。
本市は令和元年9月から10月にかけて、台風及び大雨により次々と被災をいたしました。台風では多くの住宅の屋根の破損や倒木のほか、暑さが続く中、長期間にわたる停電が発生しています。また、記録的な大雨により、河川の氾濫等が発生するとともに、土砂災害により市民の尊い命が奪われています。
この災害の経験を踏まえ、本市では令和2年1月に災害に強いまちづくり政策パッケージを策定し、電力や通信の強靭化などを進めているところですが、引き続き将来への防災、減災対策を進めてまいります。災害が発生した際、最も重要なのは迅速かつ的確な初動であるとの認識のもと、市長直轄の危機管理監を設置するなど、危機管理・防災体制の一層の強化を図ってまいります。

これらの緊急の対策を行うとともに、「市民生活をまもる」、「雇用を創り出し経済を動かす」の2つを市政運営の基本的な方向性として、様々な取組を行ってまいります。市民生活を守る福祉施策と、生活に豊かさをもたらす雇用・経済施策は、市政運営の両輪であり、雇用の増加により人口の維持・増加をして、税収を増加させることで、福祉施策をはじめとした各種施策のより一層の充実が可能となる、好循環を生み出す市政運営を進めてまいります。
「千葉都民」という言葉がございますが、千葉市は、横浜市や川崎市とはまちの構造が異なり、東京のベッドタウンではなく、市内の雇用が、千葉市民のみならず、周辺の市町村の雇用を支える、いわゆる「圏域の拠点都市」であります。今後も圏域をリードする役割を果たしていくため、雇用の創出を通じた経済圏の強化や、魅力ある都市基盤の整備に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症を契機に、リモートワーク、オンライン授業、遠隔診療といった、デジタル技術を活用した非接触・非対面のコミュニケーションが普及するなど、働き方や価値観、ライフスタイルが大きく変化をいたしました。人々が住まう場所の選択にも影響し、東京都の人口は減少をはじめ、主に、千葉県を含む東京圏の3県に人口が流出しております。
この変化は本市にとっての大きなチャンスでもあります。本市が有する豊かな自然環境や、ゆとりある空間を生かした職住近接の生活環境などの高い優位性を生かし、その価値を高めていくことで、様々な方に住まう場として選んでいただけるものと考えております。この本市の特性を活かし、コロナ禍を契機に加速した社会の変革を踏まえつつ、ポストコロナを見据えた長期的なまちづくりを進めてまいります。

この基本的な方向性に沿った市政運営を行うにあたり、2つの姿勢で臨みます。
一つは、対話と現場主義です。
市政は市民のニーズに根ざしたものであるべきであり、ニーズの的確な把握は何よりも重要であります。市民の皆様が生活の中で何に困っているのか、何を求めているのか、それぞれお住まいの地域で何が課題となっているかを把握するため、直接お話を伺うことを大切にしていきたいと考えております。そのため、すべての区において「市長と語ろう会」を実施するほか、「ティーミーティング」も定期的に開催してまいります。また、これらに加えて、オンラインでの対話会も実施するなど、年齢、性別、国籍、障害の有無を問わず、様々な方のご意見を伺い、スピード感をもって市政運営を行ってまいります。
二つ目は、チャレンジです。社会環境やテクノロジーが大きく変化していく中では、これまでの仕事の進め方、現状のルールの範囲での市政運営では対応しきれないと考えています。前例やルールを前提として考えるのではなく、どうあるのが市民の皆様にとって最もよいかを考え、必要であれば進め方やルール自体を変えていく、国、県そして周辺の自治体と課題を共有し、力を合わせて解決をしていく、そのような様々な課題にチャレンジする市政を行ってまいります。そのために、本市と千葉県との関係を再構築し、双方にまたがる防災や水道事業などの行政課題の解決に努め、国に対する規制緩和の働きかけを行うとともに、専門性の高い課題解決力のある職員を育成しながら、千葉市から次の時代のトレンド創りにも取り組んでまいります。

これらの基本的な方向性及び姿勢に基づいて、市長選挙に際して掲げた政策の実現を図ってまいります。
一つに、誰もが安心でき、今日より明日がきっとよくなると思えるまちづくりであります。
本市は、これまでも子育て世帯や高齢者に対する様々な取組を実施してまいりましたが、今後の市政運営にあたっては、様々な事情により、厳しい環境にある方を含め、誰も置き去りにしないよう、支援を充実してまいります。
児童虐待については、人員体制の強化や専門性の向上を図るとともに、児童相談所を増設して、増加する通報に適切に対応できる体制を整えます。不登校の児童・生徒への支援については、必要な方にフリースクールなどを利用いただけるよう、フリースクールと学校の連携強化、保護者へのわかりやすい情報提供、利用者の負担軽減を行ってまいります。また、公立夜間中学を設置して、民間で行われている取組と連携をして、様々な理由で義務教育を十分に受けられなかった方、外国から日本に来て日本語を学びたい方などが学べる環境を提供します。発達障害につきましては、発達障害者支援センターの窓口をわかりやすくして様々な相談を受けるとともに、関係施設と連携をし、成長に合わせて一貫して支援する体制を構築してまいります。
保育につきましては、保育所の待機児童ゼロを2年連続で達成したところですが、今後も、計画的な施設整備や丁寧な入所あっせんにより、引き続き待機児童ゼロを達成していけるよう努めるとともに、より一層の保育の質の充実と保護者の負担軽減の取組を行ってまいります。また、幼稚園においても、今年度から預かり保育や未就園児預かりに対する助成を拡充しているところであり、今後も、幼児教育の充実に取り組んでまいります。併せて、民間やNPOと連携しながら子どもルームの待機児童の解消に努めてまいります。
市立小中学校等の学校教育につきましては、GIGAスクール構想に基づき、1人1台パソコンやネットワークなど、ICT環境が整備されたところです。今後は、それを活用して、一人ひとりの理解度に合わせた、個々の児童生徒に寄り添った教育を進めてまいります。学校施設では、特別教室におけるエアコンの整備のほか、トイレの洋式化や床のドライ化などの改修を4年間で終えることを目指すなど、学びの環境を整えてまいります。
高齢者福祉については、住み慣れた地域で安心して暮らせる環境の整備を進めるとともに、健康で過ごせる期間を延ばすため、健康増進、介護予防の充実・強化を行うとともに、高齢者が気軽に外出できるよう、バスやモノレールが利用しづらい地域において、住民や民間と連携をし、身近な移動手段としての地域交通を確保してまいります。
障害のある方が地域で生活し続けられるよう、就労の促進、地域での居場所をつくるとともに、介護者を支援し、地域全体で支える体制をつくってまいります。
次世代に持続可能な社会をつないでいくため、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言を受け、令和2年11月に発出した千葉市気候危機行動宣言に基づき、二酸化炭素排出量の抑制に向け、市民、団体、企業等の様々な主体と連携をし、気候危機に立ち向かう取組を進めてまいります。また、ひとと動物の共生社会を目指すため、現在の動物保護指導センターについて、ボランティアの方々などとの連携・協働を図りながら再整備を進めます。

二つに、雇用を生み出す自立した経済圏の確立と都市の基盤整備です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、日本経済は大きなダメージを受けており、厚生労働省の集計では、コロナの影響で解雇・雇い止めされた方が全国で10万人を超え、コロナ関係での倒産は1,000件を超えるとされております。
本市におきましても、景気の見通しは依然として厳しい状況にあると判断している市内企業が多く、地域経済の早期の回復が必要となっていることから、本市独自の給付金を創設するほか、習いごと支援によりサービス業の需要を生み出すなど事業継続を支援しつつ、ポストコロナを見据え、デジタルトランスフォーメーションや企業の業態転換を促進してまいります。また、企業立地を進め本市の経済圏をより強固なものにしていくことが重要であるため、私自らが企業への誘致活動を積極的に行い、市内への企業立地を進め、雇用を生み出し、圏域における本市の役割を果たしてまいります。
観光につきましては、感染が収束した後を見据え、観光協会や民間と連携をし、観光コンテンツの充実や観光情報の発信力を高める取組を行い、MICEについては、オンラインを併用した開催に必要な環境を整備するなど、誘致競争力の強化を図ってまいります。
農業につきましては、大都市から近い地理的優位性を活かし、より一層発展させるとともに、市民へ新鮮で安全安心な農畜産物を安定供給する農業の振興を進めてまいります。農政センターを拠点とした農業のスマート化・省力化、農商工連携、地域ブランド化を進め、農業者の所得を向上させるとともに、新たな担い手の育成や耕作放棄地の再生を図ってまいります。
また、千葉都心においては、「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」に沿って、千葉駅東口の再開発事業や中央公園・通町公園の連結強化により、駅周辺の魅力を高める都市機能の整備を進めるほか、蘇我副都心におけるJR蘇我駅東口駅前地区のまちづくりや、JR稲毛駅東口地区のまちづくりを支援してまいります。
千葉公園においては、千葉公園再整備マスタープランに基づく民間活力を導入した賑わいづくりや、(仮称)千葉公園体育館の整備を進めてまいります。また、千葉競輪場は、国際規格の自転車競技ができる競輪場として、千葉JPFドームへ生まれ変わります。今後、競輪開催はもとより、世界的な自転車競技大会の誘致に向けても取り組んでまいります。
幕張新都心においては、これまでの歴史的経緯を踏まえつつ、これからのさらなる発展に向けたまちづくりの方向性を示す「幕張新都心まちづくり将来構想」を策定するとともに、建設後30年以上が経過しているZOZOマリンスタジアムの今後の方針についても検討をしてまいります。また、自動運転、ドローン、医療のICT化などのスマートシティの実装を目指して、未来を見据えたまちづくりを進めてまいります。

三つに、地域のつながりを高め、豊かな感性を磨き、誇りを持てるまちづくりです。
本年、千葉市は市制100周年という大きな節目を迎えるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される年でもあります。本市のこれまでのあゆみを振り返り、未来へ継承、発展させていくこと、また、市民とともにオリンピック・パラリンピックを成功させ、そのレガシーをまちの発展と共生社会の実現につなげていくことが重要です。
まちの活性化の主体は市民一人ひとりであり、それぞれが活発に活動し、有機的なつながりが生まれるまちを目指します。市民活動やストリートカルチャーを含む文化・芸術・スポーツ活動を支援することで、誰もが自分らしく活躍でき、地域のつながりを高める取組を進めてまいります。新たな分野であるeスポーツ、エクストリームスポーツなどの誘致や拠点整備にも挑戦してまいります。
また、日本最大級の貝塚であり、縄文時代から受け継ぐ、持続可能な共生社会の象徴とも言える加曽利貝塚や、市民が力を合わせて発掘した約2,000年前の実から花開いたオオガハスなど、本市には世界に誇れる地域資源がございます。これらを活用し都市アイデンティティの確立に向けた取組を進めるとともに、千葉市から世界に挑戦するアスリートやアーティストを支援する仕組みをつくり、文化やスポーツの裾野を広げることなどにより、市民が誇りを持てるまちをつくってまいります。

四つに、立ち止まらない行財政改革です。
平成21年に「脱・財政危機」宣言を発し、その後数年間にわたる行財政改革やあらゆる歳入確保に取り組み、平成29年に宣言が解除されています。今後も、これまでの財政健全化の成果を維持しながら、持続的発展につながる未来への投資も着実に推進し、将来にわたり持続可能な財政構造の確立を目指すことが必要です。引き続き、市民の皆様の御理解と御協力を得て健全な財政運営を行ってまいります。
また、本市は、これまでもデジタル技術を活用した市民サービスの向上に努めてきており、本年4月から、住民票の写し等の行政手続について、年間の手続件数440万件のうち約6割がオンラインで完結できるようになりました。今年度中に8割を目指してオンライン化を拡充していくなど、更なるデジタル化を進めることにより、市民の皆様の来庁の手間を減らし、真に市民の役に立つ市役所の実現に向け取り組んでまいります。

これまで24年間、千葉市のほか、国や、佐賀市などの地方自治体で勤務をし、地域課題と向き合ってまいりました。「一隅を照らす」を座右の銘としてきましたが、今いる場所を全力を尽くして輝かせれば、周りをも照らし、その先がつながって、全体が明るくなっていくという意味でございます。
本年1月に市制100周年を迎えた本市が、恵まれた立地や自然環境、そして先人が培ってきた都市基盤を礎に、圏域の拠点都市としての輝きを一層増し、圏域をリードする気構えを持って千葉の未来を切り拓いていく覚悟であります。
また、私が掲げさせていただいた政策には、議会の皆様方のご意見を踏まえたものが多くあり、今後も二元代表制の一翼を担う議会の皆様と真摯な意見交換をさせていただき、政策の着実な実現を図り、市政のさらなる発展に努めてまいります。改めて御指導、御鞭撻をお願い申し上げまして、私の市長就任に当たっての所信表明とさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

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